帰省ラッシュのニュースを見てて思ったのだが、よく考えてみると、ラッシュに引っかかる帰省をするのって東京にいた時以来だから、20 年ぶりなんだよな。秋田にいれば車で 25 分だから、大晦日になってから荷物作って昼過ぎにノコノコって感じで帰るのだが、今回は
先週書いたように、ピークを外すにはどうすればいいかって実家や会社と相談しながら切符を取って、数日前から荷物を用意して、ってことをした。実家に八泊九日という前代未聞の長逗留。
羽田や
伊丹のは取れなかったので名古屋で乗り換え。
セントレアは初めてなのでワクワクしたのだが、なんもなくて拍子抜け。荷物検査場のところに土産物屋があるが、そこから中に入ると、売店と自販機スペースが二つと軽食スタンドが一つあるだけ。羽田並にいろんな施設があるとは思ってなかったけど、本屋がない分、伊丹より寂しいぞ。乗り継ぎの時って外に出られるんだっけか。
宮崎−名古屋便はガラガラ。この帰省ラッシュでなんで? と思ったのだが、大阪や東京じゃなくて名古屋だってのもあるにせよ、俺が乗ってるのは「上り線」だってことに気づいて納得。実際、下り線の名古屋−
秋田は満席だった。
前から気になってるんだが、空港内のアナウンスでよく耳にする「
間もなくいたしますと」っての。どこが言い出したんだろう。
「いたします」は前に「一時間ほど」「五分ほど」など「具体的な時間」+「それが概数であることを示す助詞」が来る、というのが俺の語感。そこに、単独で完結する「間もなく」が来るのには大いに違和感がある。「間もなく」だけでは敬意が不足してる、って思った人がいたんだろうか。
ググってみたが、驚いたことに、この「間もなくいたしますと」に疑問を持っている、という発言がほとんどない。あの、悪口雑言飛び交う
2ch ですら、そういう発言があるだけで何のレスも得られていない。そもそも、表記の揺れを含めても Google で百件ないのである。耳にする人が少ないのか。でも、その百件の大半は「使用例」である。気にしない人は気にしないわけだ。
ブログの記事が
一件見つかったが、ひっかかりのポイントが俺とは違うようである。こちらは鉄道のアナウンス。
さて、上に書いた「セントレア」は愛称である。正しくは「中部国際空港」であり、英語のアナウンスは“Central Japan International Airport”だった。
これはいい。まぁ、開港当時、「またカタカナかよ」という非難もあったような気がするが、覚えてしまえばいい話ではある。
大館能代空港の「
あきた北」もわかる。というか、大館も能代も全国的な知名度という点で力不足なので、そういう愛称を付けざるを得なかった、ということだ。ちなみに所在地は大館でも能代でもなく北秋田市 (開港当時は北秋田郡鷹巣町) である。
その逆を行ったのが、「
のと里山空港」。「里山」は地名ではなく、世界農業遺産の「
能登の里山・里海」から来ているらしいが、知らない人からしたら一般名詞にしか見えない。
ほかに、アピール力の弱い一般名詞を付加してしまっているのが、
たんちょう釧路、
五島つばき、
対馬やまねこ、
宮崎ブーゲンビリア。いや、確かにブーゲンビリアは南国を連想させる花ではあるが、そこでただちに宮崎を思い出し、ほかを思い出さないか、っていうと NO である。なんでフェニックスにしなかったんだろう。空つながりだし、かっこいいし。一旦、死ぬってのが嫌だったのかな。
オホーツク紋別、
根室中標津、
有明佐賀あたりはわかりやすい。多少、地理に疎くてもどっちかは知ってるでしょ、って感じもあるし。一方、
信州まつもと、
富士山静岡、
岩国錦帯橋、
阿蘇くまもとになると、ちょっとプラス評価できかねる感じがする。自分でも理由は不明。ひらがな表記があんまり好きじゃないせいだろうか。
で、「え…」ってのは、あんまり細かい感想を言うと、ご当地の人が気を悪くしそうなので、羅列だけにする。
鳥取砂丘コナン、
出雲縁結び、徳之島子宝、
米子鬼太郎、
徳島阿波おどり、
高知龍馬。
富山きときともね。方言だから別扱いにするけどさ。
南ぬ島石垣島は「
ぱいぬしま」と読む。つか教えてもらわないと読めない。
おいしい庄内は「え…」ではあるが、
おいしい山形と並べる
戦略なのだとすれば、それはそれでありだと思う。選考会で「方言は外の人にわからないからやめよう」という意見が出ているが、いかにも東北らしい。
ホームページを探してて思ったのだが、悪いが徳島阿波おどりあたりは失敗のような気がする。なんでかというと、空港名でググっても空港が出てこないからである。「徳島阿波おどり」では当然のことながら祭りのほうが先にヒットする。伊丹が、地名より先に空港が出てくるのとは対照的である (伊丹市側は不愉快かもしれないが)。
*1
愛称の扱いは空港ごとに違う。まぁ、設定時期の問題もあろうが、富士山静岡のように URL から愛称になってるところもあれば、あきた北を筆頭にトップページに出てこない、なんのための愛称なんだか聞いてみたいところもいくつかある。
観光施策って、こういうチグハグなところがあるよね。
*1
「五島つばき」では、同名の演歌歌手のブログがヒットする。これは同郷なので仲良くやることになろう。
「鳥取砂丘コナン」は突っ込み記事ばっかりでなかなか空港にそのものにたどり着けない。
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