もぐら氏の『
県民ごはん作ってみました!』に借りた文章、三週目。これでラスト。
宮城の「
ずんだもち」。
夏のものである枝豆と餅? という疑問に対して、実は昔から節目節目で餅を食ってたんだよ、という話。
餅つき、白い餅、とだけ想像すると正月のものだと思ってしまうが、三月から菱餅、桜餅、柏餅と続き、春と秋に牡丹餅とお萩がある。だから実は不思議でもなんでもない。
「
ずんだ」は「豆打」ということらしいが、刀でつぶしたことから「陣太刀」が変形したもの、人の名前などなど、これまで
諸説紛々である。
「芋けんぴ」。高知のものとして紹介されてるが、俺知ってるなぁ。ひょっとして全国的に模倣されてる?
これ自体は、別に「
けんぴ」というお菓子があって、それに似てるから、だそうな。そっちの方も名称の由来は不明だ
とか。
この本は
二巻だが、
一巻と違う新機軸あり。いろんなご当地ものを比べてみる、というもの。
まずは、商標がらみでちょっと前に裁判沙汰になった「〜の恋人」シリーズ。
どうやら全国各地にあるらしい。秋田にもあるんだろうか。盆で帰省するから探してみよう、と思ったがそんなことする間にググってみた方が早い方に気付いた。
…あるらしい。宮崎もあった。
本では、長崎の「黄実の恋人」のパッケージが紹介されている。可愛い女の子の絵が描かれているのだが、なんとなく見覚えがあるんで調べてみたら、描いたのは『姉妹坂』『シューティング・スター (浅香唯デビューのきっかけになった漫画)』の大山和栄だそうな。平戸の出身らしい。ブツはラングドシャ、クッキーの類ではなく、オレンジの皮の砂糖漬けだそうだ。
大分の「鶏めし」。
「
えびめし」で、ごはん系のご当地ものが「めし」と日本語になるのか、別のカタカナ系名称になるのかの差、についてふれたが、これはおにぎりなので和風。「めし」になるのは必然。
で、この「鶏めし」は炊き込みご飯ではなく、具を炊きあがったご飯に混ぜる。混ぜただけの状態を「
バラ」と呼ぶんだそうな。わざわざ名前がつけてあるのは、そのま食べることもあるからか、逆に、そのまま食っちゃだめ、という習慣でもあるからか。
前にソース戦争の話をしたが、これもよく争いのネタになるらしい。広島の「お好み焼き」。
なんでかっていうと、広島の人がいるところで「広島風」「広島焼き」というと激怒するんだそうな。もちろん、人によるだろうが。
大阪の人が「標準語」という言い方にカチンとくるのと似たようなもんか。
好き好きなので反論してもしょうがない。
熊本の「いきなり団子」。
輪切りにしたサツマイモとあんこをを餅にくるんで蒸したもの。
「いきなり」が面白い。
仙台あたりで「
いきなり旨い」などと言う。よその県の人は面食らう言い方だが、これを思い出した。
まぁ、もちろん、関係ない。由来はこれまた
諸説紛々。
さて、最後は「ういろう」。
宮崎に引っ越してきて最初に驚いたのがこれ。しかも引っ越してきた当日。
不動産屋でカギをもらってアパートまでトコトコ歩いてったら、「宮崎ういろう」の旗。ういろうと言ったら、名古屋のものしか知らない俺は、「えっ?」と言って思わず立ち止まった。
その後、時間に余裕ができて
青島に行った時も、「青島名物ういろう」って書いてあってまたびっくり。
たぶん、南国のイメージと、あのもちもとした食感、砂糖の強い甘みが結びつかないんだと思われる。
せっかくなので、買って食ってみた。冷やすと夏でもなかなかいけることがわかった。甘いけど。二きれで十分。
青島中学校の生徒が地元の研究で
まとめている。
なお、宮崎のは「
宇以ろう」と書くようだ。
実際に作ってみての漫画なので、プロでないとできないようなものは取り上げられていない。俺にもできそうなのがいくつもある。
そういや、
イタリアン (ミートソースをかけた焼きそば) をやってみたが、案の定、全く違和感がなかった。今後も、麺の安売りとかしてたらやってみたい。