もぐら氏の『
県民ごはん作ってみました!』に借りた文章、二週目。
新潟の「
イタリアン」。
ミートソースがかかった焼きそば。
見当がつかん。正確に言うと、「え?」って思う感覚が俺にはない。違和感がなさそうな気がするんだよな。これは簡単に再現できるので、そのうちやってみたい。
これとか、長崎の「
トルコライス」とか (大阪とか神戸とかにもあるらしい)、佐賀の「
シシリアンライス (ご飯の上に炒めた野菜や肉を乗せてマヨネーズをかける)」とか、勝手によその名前を付けたご当地料理ってひょっとしたら多いのかもしれんな。ご当地じゃないけど、コーヒーの「アメリカン」とか。「ジャーマンライス」ってのもあるようだ。
宮崎には「
ガンジスカレー」というのがある。バリエーションが出てるわけではないようだから、上記とはちょっと違うが。甘みがあって好きだ。
千葉の「
さんが焼き」。
乱暴に言えば、アジのたたきで作った和風ハンバーグ。これはちょっと作る気になれない。きっと大きいまな板としっかりした包丁が必要。
名前の由来は諸説あるようで、「漁師が山 (陸) の家で焼いたから『山家』」「山の幸と河の幸を使ったから『山河』」「三種類の香辛料を使ってるから『三辛』」という説が漫画では紹介されているが、ググったら「寒川地区が発祥だから」というのも見つかった。
焼かないで生のままで食べるのを「
なめろう」と言うのだが、
Wikipedia によれば延岡の島野浦ではこれによく似た「
たたっこ」という料理がある。「叩く」の変化かなと思うのだが、焼いたものも「
たたっこ」らしい。
「
なめろう」は、あんまりおいしいから皿まで舐めてしまおう、ということから。
岡山の「
えびめし」。
ソース味エビチャーハンのオムライス。
と言うとあきらかに「洋食」なんだが、これがなんで「えびめし」なのか。“shrimp”がわかりにくいからか。「イタリアン」なんか、焼きそばだから少なくとも半分は和風なのに (和食とは言えない) カタカナ。その境目はどこにあるんだろうね。
この話は、もぐら氏がおたふくソースで作ったことから、「なんで岡山の料理を広島のソースで作るんだ」というソース戦争に発展する。
二巻に兵庫の「そばめし」が登場するのだが、これもソース戦争になる。「そばめし」は神戸の どろソースでなければならないらしい。
京都の「
たぬきうどん」。
これは、油揚げを細切りにした あんかけうどん。
関東と関西で「きつね」「たぬき」が違う、というのは有名な話だが、京都だとさらに違うわけ。
作り方の説明で、油揚げを早めにだし汁に入れることを勧めている。その方が味が「
しゅんで」おいしい、と言う。これは「しみて」ということ。傷に薬がしみる、というときにも使う言葉。
ここから
二巻。
これは宮崎で買った。
もぐら氏の本は、書店でどこに配架されてるかわからなくて困ることがある。漫画の棚なのか、地域の棚なのか、それとも、って感じ。
前に紹介した『見とこ行っとこ』のシリーズは旅行のところに刺さってることもあるが、今回のは料理の棚だった。そんなところとは夢にも思わず、俺には珍しく店員さんに聞いてしまった。
沖縄の「
にんじんしりしり」。
「
しりしり」は、すりおろすこと、すりおろしたものを指す。ピーラーなどで細く切ったにんじんを、卵と一緒に炒めたもの。これも簡単で旨そう。
ここで、ご当地野菜の「
ちでーくに」というのが取り上げられているが、これは「黄」+「大根」。
今週の最後は、埼玉行田市の「
ゼリーフライ」。
STARDUST☆REVUE ファンなら良く知っているはずなのだが、名前だけ聞いて、アイスクリームの天ぷらと似たようなもんだと思ってた。
よく考えてみれば、簡単に作れるものではないからご当地グルメってことはありえないのだが、なんか寒天ゼリーでも想像したのか、その辺で庶民性を感じて納得しちゃってた。
実は、おからで作ったコロッケ。それならよくわかる。形が小判だから「銭」→「ゼリー」なんだそうな。
Wikipedia によれば、行田で単に「フライ」って言うと、「
行田フライ」という別の食べ物を指すらしい。これはこれで、フライと言いながら揚げ物ではなく、お好み焼きとクレープの中間のような食べ物だそうで、ご当地グルメはほんとわけわからん。
というわけで、この項、更に続く。