ぎこちないのは、おそらく、標準語で書いた原稿を「翻訳」して、それを「読んだ」からだと思われる。冒頭の「えー」や「動きが広がって」という表現がそれを物語っている。
「ふごう」がよくわからない。「都会」を「都合」と読み間違ったのだろうか。
二行目の「使ったりわ」もわからないが、字では「は」だったのではないか。「使ったり、は」という、勢いを追加したり調子を整えたりする間投詞の「は」。
もうちょっと自然に訳すとすると:
てな感じだろうか。
まず銀座での街頭インタビュー。
ドラマで方言を聞くことが増えてきている、と言う人がいたが、これはちょっと誰か調べてみてくれないだろうか。「方言が出てくる」というのをどう定義するか、という問題はあるが、たとえば二時間ドラマだと、一言だけでてきた、ってことはありそうで、そうすると相当な数になる。やっぱり「主役または準主役が日常的に話す」というあたりで線を引く感じになるのかな。だとすると、増えてはいないような気がするんだがどうだろう。
話題になることは増えてるかもしれない。
スマホの目覚まし時計アプリで、「阿波弁DEおはよう」というのがあるらしい。徳島出身の声優さんの声を録音したもの。
字幕は「
とろとろしとったら遅刻するじょ」と書いてあったが「
しよったら」に聞こえた。阿波弁では、進行形は「
しよる」らしいのだが。
次は、“
Fridgeezoo Hogen”。
冷蔵庫に入れる小物で、ドアを開けると光を検知してなんか言ってくれる。
鹿児島弁の「
それよ、うまそうやっとね。そうそう、それよそれ」なんか楽しい。
声は、俳優や声優ではなく、ミュージシャンが多いように思われる。これなんかは、方言が表に出しづらいものではなくなっていることの証拠の一つかもしれないね。
京都は「京都出身一般女性」が録音したらしいのだが、「
舞妓ではありません」という注意書きが笑える。
次は、“
ho-gen”というガールズバー。
「東京都千代田区」って書いてあるから銀座
*1かと思ったら、神田らしい。なるほどね。
福島の子がクローズアップされていたが、大阪あたりのイントネーションのおじさんが「
福島 (弁) って三つ種類があんのやろ」と聞くと:
そう。三つにわかれてて浜通りと中通りと会津
と答えていた。上では二段階にしか書いていないが、「浜通り」「中通り」「会津」と文末に向かって少しずつ下がっていくのが特徴的。
銀座の「白いばら」とのコンセプトの違いはどの辺にあるんだろうね。
日本大学の
田中ゆかり教授登場。
現在は「圧倒的多数が、方言を持っていることを、よいもの、かっこいいもの、見せるべきものと思っている」とのこと。
まぁ、商品価値も出てきてるしね。上の“Fridgeezoo”なんかが典型。
秋田放送局に戻ってから、就職面接で方言を使った、とかいう話も紹介されていたが本当だろうか。おそらく、自己アピールとしてだと思うが、本当に方言で受け答えしたら、よっぽどのことがない限り、場をわきまえないやつ、ってことになるはずである。それは方言自体がどうこうではなくて、方言と標準語との切り替えが敬語体系の一部をなしているから。
でも、就職面接というとてつもなく文体の高い場面で方言を使うことが許されるようになっている、というのはおそらくあるんだろうね。
「方言部」という高校生の活動が紹介されていた。そういう部活があるのかって調べたが見当たらない、と思ったら、“
HOT JAPAN PROJECT”の活動の
一部らしい。
「合コンで方言をしゃべってる人は絶対もてる」というのが微笑ましい。つか、高校生に、そういう合コンをする機会、あるの?
このホームページに運営母体が明記されていないのだが、なんでだろう。本当に高校生オンリーってことなのかね
それにしても画像ファイルのリンクミスが多すぎる。
で、見終わって思うのだが、「都会で広がる方言の魅力」ってタイトル、なんだかおかしくね?
実はテレビをネタにすると書くのに時間がかかる。
正月に「新春全日本なまりうたトーナメント (3 月に第二回があったらしい! さっき知った)」を紹介した
時、一時間半の番組を見るのに三時間半かかった、と書いたが、文字起こしをすると倍以上の時間がかかる。
それはまぁ本や雑誌がネタになるときも同じで、一番楽なのは、ネットの文章をネタにすることなのだが、あんまり楽に流れちゃいかんよな、とは思っている。思うだけで終わることが多い。