毎年夏恒例、秋田県主催の交通安全秋田弁川柳。
応募者は 230 から 208 とまた減少。対前年比で一割減。ルールが変わった最初の年である 2010 年の 248 に比べると 17% 減。大丈夫か。
自治体別に見ると、秋田市の比率が 30% から 20% にまで下がっている。今回に限って言えば能代が大幅増だが、秋田市の応募者が 70 人いたのが 40 人になっているから、単にばらけたわけではない。全体の減少は、秋田市からの応募者の減少が原因ではないだろうか。その辺、高齢者人口の比率と関係あるかと思ったが、それが半分に下がってるということもないよなぁ。
上小阿仁村・藤里町・大潟村・東成瀬村からはここ三年間、一人も応募者がない。まぁ、これは人口比例か。いや、別にいなきゃいけないわけじゃないけど。
最優秀賞。
わらしゃどの あげだ手っこさ はいっどうぞ
「
わらし」は「子供」だが、「たち」に「ど」を付ける地域がある。青森あたりだと「
わらはんど」という言い方もある。「共」かねぇ。俺の場合、「
わらしがだ」だが。
こないだ矢島のロードレースに行った時の帰り、捕虫網を持った小学生が元気よく手を挙げていて思わず頬が緩んだ。こっちの車が停まると一礼して渡り始め、渡り切ってからもまた一礼。運転していた友人がサムズアップを返したほど行儀がよい。あそこはおそらく旧由利町であろう。
かく言う俺は、仕事に行くとき、お爺さんが横断歩道を渡るために待っていることに気付かずに通過してしまい、対向車線側にいたミニパトにマイクで怒られた、という経験がある。
優秀賞。
危ねのは 車っこ来ねはず 停るはず
この内容で、「車」に指小辞である「
っこ」をつけるのはどうかと思うが、まぁいいか。
「来ないだろう」「停まるだろう」の「だろう運転」は危険だ、というのは前から言われているが、「だろう運転」はもう一つある。「来るだろう」「停まらないだろう」の「だろう運転」。要は性悪説である。自分も含め、車を運転してるやつを信用してはいかん。こないだも BMW がウィンカーつけずに左折しやがって急ブレーキ踏まされた。
Windows7 の MS-IME って「ウィンカー」登録されてないのね。
ここから佳作。
免許証 返した爺っちゃさ 又惚れだ
「返した」には「
きゃした」とルビがふられている。
免許証返上の話。田舎ではなかなか難しい現実はあるがな。「買い物難民」って問題もあるし。
ここでの「又」は「
まだ」と読むわけだから、ひらがなにして欲しかったり。
どさ乗ても なにより先に シートベルト
こういうのは無条件の習慣にしておかないと、いざというときに忘れるのでよい心がけである。あと、
JAF Mate か何かで、シートベルトはエンジンをかける前に着用しろ、と書いてあった。理屈から言えばその通りである。
実際には「乗って」に近く発音されるのに「
乗て」と書かれるのは、秋田弁がシラビーム方言で「
っ」が一人前の音として扱われないからである。
同趣旨の句が 2009 年にも佳作に選ばれている。県民生活課のプッシュ事項?
酒 ベルト「そごだしえがべ」が 命取り
ベルトはまだしも、酒の方は近いからいいってもんではないような気がするが、まぁいいか。
聞くところによると、交通事故の半分は自宅近くで起こっているらしいぞ。
反射材 つけてえがった 身 (わ) のために
文学的ルビ。「
わ」は「我」で自分自身のこと。
前にも書いたが、夜のジョギングやウォーキングを黒とか灰色とかのウェアでやられると、本当に見つけにくい。お前が年とって目が悪くなったんだろう、と言われると反論しづらい気がしないこともないんだが、もうちょっと考えて欲しい。
あやまんず そだに飛ばして なじょするな
「
あやまんず」は「
あや」と「
まんず」、間投詞が二つ並んでいる。非常に驚いている、というか呆れている感じが出ている。
「
なじょするな」は「どうするの」。投句者は横手の人。
80km/h 制限の秋田道を 120km/h で走ってる人を見るとそう思う。つか、貧乏くせぇ。
前から、当年よりも前の作品は見られなくなる、と書いているが、一応、今年の分の
リンクを貼っておく。
さて、来年の今頃、このリンクはどうなっているだろうか。