Speak about Speech: Shuno の方言千夜一夜



第817夜

ややこしや (後)




 NHK Eテレ「にほんごであそぼ」に借りた文章の後編。

 宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」をアイヌ語、琉球方言それぞれで言ってみたりもする。やっぱり字幕なし。
 これはまぁ有名なフレーズだから、字幕自体は不要かもしれないが、なんて言っているのかは相変わらずわからない。「がんじゅーそーるどぅむち」とかなんかという風に聞えたのは「丈夫ナカラダヲモチ」だろうと思う。アイヌ語のほうは、原文と照らし合わせてみてもさっぱりである。

「雨ニモ負ケズ」の方言訳は色々とあるようで、「にほんごであそぼ」のファンサイト“131”にもある (更新が止まっているようではある)。
 以前、「週刊ことばマガジン」で京都弁の特集をしたときのことを紹介したが、そこに出演した人 (多分) が、京都弁の「雨ニモ負ケズ」を作って公開 (メールで送ってもらう形式) している。
 ググると一杯見つかるのでここではこれくらいにしておく。

「雨ニモ負ケズ」については、「ヒデリノトキハナミダヲナガシ」は「日取りのとき」つまり「日雇い仕事をしなければならないようなとき」だ、という説もあるらしい。前に『日本語学』だか『月刊言語』だかで読んだのだが、Wikipedia にも記事がある。

ふるさとのうた」は、色んな俚言を並べて作った歌である。
歌詞はこのリンクの先にあるが、それぞれの言葉がどこの言葉かの解説もある。番組では合いの手のようにして地域名を言っていた。
じょんのび」は新潟の「のんびり」だが、去年、矢島町のヒルクライムに出たとき、こう書かれた T シャツを着ている人がいたのを思い出した。実は今日は、今年の大会の日である。この文章は前もって書いているので、どういう結果に終わったかはまだわからない。

 色んな地域の「ありがとう」を紹介したりもしていて、「だんだん (山陰)」「おおきに (大阪)」「もっけだ (山形)」「にふぇーでーびる (沖縄)」のほかに「かんぼなー」というメモが残っているのだが、これがどこのだかわからない。

「ややこしい」は、また Wikipedia かよと言われそうだが、Wiktionary によれば「赤ん坊のように他人が統御できない状態」というのが元らしい。ということは、赤ん坊のことを「ややこ」という地域だから、関西発祥の語、ということになる。
 これの反対が「大人しい」と聞いて膝を打つ。
 ただし、「大人しい」は人を形容する語のままだが、「ややこしい」の方は人にはあまり使われない語になってしまった。

 言葉から離れるが、琉球音階について。
 これは非常に印象に残る音階で、一小節とは言わず、半分くらいでも「あ、沖縄風」とわかる。
 具体的には、ドレミファソラシドのうち、レとラを除く 5 音で構成される。近くに楽器がある人は、ドミファソシドと弾いてみるとすぐに実感できる。
 で、これは『月刊言語』で読んだのだが (なぜか、音楽の話題が『月刊言語』に書いてあった)、レとラを除かずに半音下げる、つまり、ドレbミファソラbシドとやると、あーら不思議、アラビア風になる。

 沖縄放送局では、この形式で「うちなーであそぼ」というご当地番組を作っている由。ホームページもあって、内容が紹介されている。
 それによれば、あの苦瓜は「ゴーヤ」ではなく「ゴーヤー」と伸ばすのが正しいらしい。知らなかった。

 さて、HDD レコーダーのソフトウェアのアップデートは、メール便で来た CD を使ったらあっさり終了した。
 バージョンは、1.01 から 1.61 になった。すげぇ差。つか、買ってから全く更新してねぇからな。
 実は、メール便が到着する前日には直っていて、必要なかったのかもしれないのだが、自然に直ってしまう (ように見える) のが一番、たちが悪い、という話もある。
 今のところ、好調である。
 もう一台、同じメーカーのがあるんだけど、どうしようかな。地上波デジタルを受信できない年代モノだから、放っておいてもいいんじゃね、って話もあるのだが。




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