こないだ大阪に行ったときの話。
@nifty がまだ「パソコン通信」に「フォーラム」を持っていたころ、「ビジネスマンフォーラム」の全国オフで行って以来。2000 年の
ことで、なんと 11 年ぶり。その数字よりも、11 年前には俺は既に物心ついていたのだ、という事実には、いい年こいてしまった今でもびっくりするな。
今はなき JAS で行ったのだが、たしか往復で 5 万くらいかかったはずである。
今回は
ANA. これは羽田で乗継がある。
本当は、まだ前を通過したことしかない
大館能代空港だと直行便があるので、それを利用したかったのだが、断念した。
*1
俺は秋田市在住なので、鷹巣にある大館能代空港に行くには、車か列車を使うことになる。車だと二時間くらいかかるのだが、行きはともかく、遊び疲れて戻ってきてまた二時間も運転というのは嫌だった。レンタカーで行って空港に乗り捨てて列車で帰ってくる、ということも考えたが、乗り捨てした場合の料金が往復 (つまり二日) 使ったのと大してかわらず、
あほらしてやめた。
そもそも列車がどうかというと、大阪便との接続が恐ろしく悪い。バスへの乗り換えを大館でするにしろ能代でするにしろ、大阪便とつながる特急がない。各駅停車で行って鷹巣でバス、しか手がない。確かに、県北にある空港なんだから秋田市と接続は二の次なんだろうけど、観光振興する気あるのか、と思ってしまった。
なにより、飛行機の運賃。秋田空港−羽田が往復で 3 万というのに、片道 3 万超というのはつらい。
だが、パックというのがある。どういう収益構造になってるのかは不明だが、往復 7 万のところが、宿代も含めて 4 万くらいになる。
これはこれで問題があって、発着空港が同じでなければらない。大館能代から羽田へ行って、羽田から秋田空港ということができない。さっきはああ書いたものの、空港から家まで二時間かけて帰ってくる、というのも気乗りしない。結局、
じゃまくさくなって、秋田空港から羽田乗り継ぎってことにした。長い前置き終わり。
前回は
関西空港を利用したので、
伊丹空港は初めて。到着出口のすぐ横に売店があって、ローカル色を感じる。そこから
リムジンバス。
リムジンの運転手のイントネーションは標準語だったが、バスと本部との無線では時折、大阪弁になる。例えば、「了解です」が「
りょうかいですー」とちょっと伸びて、かつ平板。
第一目的地は
堺市立文化館。アルフォンス・ミュシャの
美術館がある。俺の理解では、そこに行くには天王寺から JR で行くのが最も簡単 (一番早いのかどうかは知らないが、田舎者なので、乗り換え回数は増やしたくない)、ということでバスはあべの橋へ。
降りた途端に大阪弁が耳に飛び込んできて、ちょっとうれしくなった。俺、前に来たときは、「ほとんど耳にできなかった」とか書いてるけど、何を聞いてたんだろう。
昼は駅うどん。ここで大阪弁を耳にできなかったのは、みんな一心にうどんをかっこんでるから。
「きざみうどん」という、油揚げを細く刻んだものを入れたうどんは、はじめての食感。なお、俺は東日本出身だが薄味も平気である。
美術館の受付の女性は、語彙こそ標準語だが、イントネーションは完全に大阪弁。ひょっとして、意図してそういう味付けでやっているのだろうか、と思ったくらい。
予想外に小さな美術館での鑑賞を終えて天王寺に戻る。宿へ行くには地下鉄に乗る必要がある。
前に行ったときにも一緒だった知り合いに言わせると、「東京の山手線内と同じくらいの駅が、それよりも小さい範囲に詰まっているので、おそろしく便利」ということらしいのだが、天王寺と宿の最寄り駅とは、四角形の対角線上の頂点みたいな関係にあって、ルートはいくつか考えられる。さて、どうやって行ったもんかと自販機上の路線図を眺めていたら、駅員が話しかけてきた。
素人考えのルートが早いかどうかを確認すると、その駅員の最初の答えが、「いえ」。
否定である。普通、客商売のときに、そういう入り方はしないと思う。「そうですねぇ」とか「○○駅ですと」とか言ってやわらかく受けるのではないか。
ただし、これがまったく不愉快に感じられない。
早い行きかたを教えてくれた口調も、おそらくはやわらかめの大阪弁で、その駅員の顔がどことなく漫才師風 (誰かに似てる、と思ったのだがもう忘れた) だったこともあいまって、聞きながら笑いそうになった。
昼飯 2 は牛筋カレー。カレーの辛さと牛筋の甘さが溶けあって面白い味わい。
なんで「昼飯 2」なのかと言うと、こういう旅行の場合、一便に乗るために五時起きで朝食抜きとか、効率よく遊びまわるために優先度を下げる、時間もかけたくない、というようなことで、食事はファストフード系になることが多い。さらに、立ち食い系が好き、という俺の好みもあって、一回の量が少なく、しかし回数が増える、ということが多い。それも楽しみのうちだったりする。
会計したときに、店の主人が「
おおきに」。
その夜、別のうどん屋に寄ったときも、「
おおきに」。
これこれ。
実に自然に出てくる「
おおきに」。カタカナ系の店を除くと、ほとんどの商売人がすっと「
おおきに」と言う。いや、ネイティブなんだから当たり前なんだけど、その当たり前が旅行者にはうれしい。
「カタカナ系を除く」と書いたが、コンビニのお姉ちゃんも、美術館の受付の人と同じ。イントネーションが大阪弁。まぁ、この辺は人によるようだが。
長くなってしまったので、つづく。