ハイブリッド車というのが一般的になる頃から、買い替えについて考えるようになる。自動車税が割り増しになるような古い (つまり、燃費も悪く環境負荷が高い) 車に乗っていていいのか、という疑問と、だからと言って、まだちゃんと走る車を捨てて買い換えることがいいことだとも思えない、というところで揺れていた。
まぁ、去年までは後者の方の結論になっていたわけだ。だって好きなんだもの。
それに、そそる車が一台もなかった。
前に書いたとおり、楔形以外は興味をもてないわけだが、現代の車は安全性確保のためにボンネットも運転席も高くなっている。つまり、新車で楔形など望むべくもないのだ。
それに全体にでかい。自分の運転を信用していない俺の場合、大きな車は選択肢に入らない。カタログとかホームページとかだと、周りの風景なしで車だけの写真があったりするが、そうして想像する大きさよりも、実際の方は遥かに大きかったりする。縮尺おかしくね? と思う車が増えた。
小さいのは小さいので丸っこくてオッサン向きでない。
というわけで長らく放置してあったが、第二の伏線が去年の秋。車検時のことである。
終わった後、車屋が言うには、下面にちょっと錆が見られるので注意しててください。すぐにどうということはないので、来年の 12 ヶ月点検まで様子を見ましょう。
そのときは、なるほど来年ね、という程度にしか思っていなかった。まぁ、20 年近く経ってるしねぇ、というくらい。
まだ買い換えるつもりもないままチラシだとかホームページを見ていて、候補に挙がったのはいくつかある。
ホンダのインサイト。
フォルクスワーゲンのポロ、ゴルフ。ルポだとさすがに自転車が載らない。デザインだけで言ったら圧倒的にシロッコだが、高いし、コンセプトが俺のライフスタイルと全く合わない。
二代前の
プジョー。現行は口がでかすぎて苦手。
スズキの SX4.
マツダのデミオ、アクセラ。現行車種で唯一、楔形といえそうなスタイル。
スマートクーペってのも特撮的でよかったが、これも自転車が載らない。
車のフロントは生き物の顔に見えるから不思議である。ライトが目に似た配置になっているのが決定的な要素だろうか。
だからフロントグリルが口って感じ。
フロントグラスに目を描いたアメリカのアニメ映画がなかったっけか。
『秋田のことば (秋田県教育委員会編、
無明舎出版)』によれば、「
むがちら」という語があるらしい。「顔」のことなのだが。「向こう面」で、「卑称」だそうだから悪口。「なんだそのツラは」という使い方をする。
『語源探求 秋田方言辞典 (中山健、秋田協同書籍)』は、由利地方の「
むかかしら」という形を紹介している。これは「頭 (かしら)」なのだとか。
『秋田のことば』では、「つら」はもともと「頬」のことだったのだが、後に顔のことになったとしている。
ググっても面白そうなのは見つからなかったが、ノイズが多いせいもあろう。一字の語は扱いが難しい。
「口」はもっとノイズが多いので早々と調査を諦めた。
なお、顔面はこんな感じになる。