今年の初雪は 11/2 であった。俺が見たのは 11/3 の朝だったが、最初に降ったのは 2 日らしい。
それもそうで、すっげぇ寒かった。冬の準備なんか何もしてなかったし、電気ストーブだけでは到底太刀打ちできない。なんせ 3 日の予想最低気温は 2 度だからな。それって冬の気温だよ。
ただ、布団だけは冬装備にしたにも拘らず寒くて目が覚めたってのは、体が順応してないからだと思われる。それにはもうちょっとかかるねぇ。
現在の職場はネクタイ着用義務がない。まぁ、ドレスコードの変化を見てると、本当はそうしたいんだけど世間がカジュアルに向かってるから不本意ながら許可してる、って感じがありありなんだが。
それはさておき、スーツで行くことも滅多にないので、冬装備のトレンチコートは埃をかぶっている。いやマジで。衣装ケースの中にたたんでおくようなものではないから一年中ずっと鴨居に吊ってあるんだが、肩のところに埃が積もっているのだ。多分、いざと言うときに苦労すると思われる。
尤も、スーツだからってコートでなきゃいかんってこともないから、なんとかなるんだろうけど。
さて、冬の上着。
俚言形が一杯あるかと思ったらそうでもない。
つか、検索するべき単語が見つからない。
コートとかオーバーとかって英語だし新しい単語だし、これと「AND 方言」で検索したところで見つかるわけがない。まして「ジャンパー」「ブルゾン」においてをや。
かと言って、「外套」でやってみても全然、見つからなかったが。むしろ、生物の「外套幕」と、その生物の名前の俚諺形って感じでミスヒットする。
「ジャン
パー」を「ジャン
バー」って言う人がいる。年寄りが多い様な気がする…と思ったが、ググってみたら例は結構あった。
しょうがないので、『秋田のことば (秋田県教育委員会編、
無明舎出版)』に頼ってみる。数はあんまりないんだな。
まず疑問に思ったのは、「
うわっぱり」。「
わっぱり」という形もあるらしいんだが、これって方言? 俗語感があるのは確かだけどねぇ。
北国といえば、「角巻き」を思い出す人も多かろう。秋田では「
かぐまき」という形になる。でも、知らない人のほうが多いのかな。頭からかぶって上半身をすっぽり包む、巨大なショールだと思ってもらえれば。
外で着るものではないが、綿入れ。
「
どんぶぐ」という形があって、
前に「胴服」だ、という話をしたことがある。これは武士の上着だが、『秋田のことば』には「道服」だと書いてある。「広袖の法服から発した衣服がもとになっている」らしい。調べた範囲では、「胴服」と「道服」はまったく別の着物のようだ。
「
どんじゃ」という言葉があるらしく「どてら」と説明されているが、「どてら」「綿入れ」「丹前」「半天」の違いは今イチわからん。
「
ののご」という語もある由。「ぬのこ」の変化らしいが、「布子」まで参戦してきた日にゃぁ、混戦は必至である。
俺の語感では、「丹前」は寝具で、足まですっぽり入る長いものだが、これが一般的なものかどうかはちょっとわからない。
「丹前」の下に入れて、肌に直接触れるのを「
はだこ」と言うらしい。これ、店で買おうと思ってもおいそれとは手に入らないので、一時、安い浴衣を使ってたことがある。
*1
マント。
実は、雨具にはちょうどいいんじゃないかとずっと思っている。まともなフードがあれば傘もいらないんじゃないだろうか。だが、あんまり着ている人を見かけないので踏み切れないでいる。
「
とんび」「
まわし」「
ひぎまし」の語がある。
「
とんび」というのは前にも聞いたことがあるが、大辞林によればインバネスのことらしい。それにディアストーカー (帽子) とキャラバッシュのパイプを合わせればシャーロック・ホームズになるわけだが、あのコート。羽に見えるからじゃなく、色だそうだ。
「
まわし」「
ひぎまし」は着方から。
下半身に目をやると、「
ふごみ」という語がある。「踏み込み」が変化したものらしい。語釈としては「雪袴」とある。
「ゆきはかま?」と思って調べたら、これはなんと、「
もんぺ」と読むのである。はー、知りませんでした。
同じく「
もっくら」という語もあって、これには「たっつけ袴」という訳がある。これもわからないのだが、「裁着袴」と書く。やっぱり「もんぺ」のことなのだが、「裁着袴」となると相撲の呼び出しの人が履いているもの、ということになるらしい。
手持ちの上着はどれもこれも十年選手である。いや、もっと行ってるかもしれない。
オシャレに関心がないので、長いこと着てたとしても全く気にならない。
関心がない、と言いつつ妙に数が多いのでとっかえひっかえってことになり、あんまり痛まない、というのも買い換えない理由。
定年までもったりして、とか割と冗談でもなく思ったりする。