それにしても、「
後期高齢者医療制度」って表現はどっから出てきたんだろうな。
どうやら、「後期高齢者」って表現自体は、人口統計の分野では前からあったような感じなんだが、それを後期高齢者自身がかかわる制度にそのままかぶせるって神経が。
「後期ですね。もうすぐおしまい、一丁上がりです。お出口はコチラ」ってことだよなぁ。
政治家や官僚が口にしてしまった、というのならまだわかるんだが、法律が成立して制度がスタートしたって事は、相当の人がかかわった、ってことのはずで、その中に「ねぇ、ちょっと、これさぁ」って思った人が一人もいなかった、というのは俺なんかの想像力をはるかに超える。
勿論、法律である以上、国民の方だって、そんなの知りませんでした、は通らないわけだが。えぇ、俺も知りませんでした。
というわけで、もう一遍、医療関係の話をする。
こないだ、朝のニュースで、あちこちの訪問看護ステーションが悲鳴を上げている、というのを取り上げていた。
看護士不足というのはすでに騒がれているが、その状況を改善するため、去年、診療報酬の基準が変更された。患者 7 人に対して看護士一人という構成比にすると報酬が増えるようになったのである。これは、看護士の就業環境を改善すると同時に、患者のケアを丁寧にするという目的があった。
当然、多くの病院がそれを満たそうと看護士を採用する。病院同士で取り合いになる、というのも報道はされているようだが、それが病院以外の施設も巻き込んでいるわけ。看護士が引き抜かれて訪問看護が難しくなってしまったところがあるのだそうだ。
つまり、入院までする必要のない人たちが困っている。
というニュースで、困っているおばあさんのインタビューが、キレイな秋田弁だった、と。ここが、このホームページとの接点。
先週、産科の状態について「市内で何軒どころか県内で何軒って状態」と書いたが、新聞に載ってた。病院・診療所ひっくるめて 30 だってよ。こいつぁびっくりだ。
県のホームページから引っ張ってきた人口統計によれば、去年の出生者は 7,697 人。これを単純に割ると、一施設辺りでちょうど 256 人ずつ生まれていることになる。土日休みで毎日一人って感じ。
医療統計には全く素人だが、これってやっぱり多そうな感じしねぇ? 里帰り出産、断りたくもなるよなぁ。
逆に言うと、田舎に産科の病院を作って「静かな環境で出産できます」ってやると繁盛するんじゃなかろうか。里帰りではないかもしれないけど、隣県って範囲は十分に「商圏」として組み込めそうな気がする。そうやって、秋田との接点を持ってもらう、というのもまた十分に意義のあることであろうし。
生まれた暁にはご親戚一同ご友人一同が 5 人とか 10 人とかいう単位でかけつけるだろうから、たとえば新幹線の停まる駅との間にシャトルバスを走らせるとかいうことも考えられるだろうし、隣接する建物にはパーティ ルーム、地元の食材をふんだんに揃えてお祝いも可、とか、世話する人たち向けに格安で長期連泊できるウィークリーマンションも併設、とか。
尤も、医者と看護士が確保できなかったら無理なんだけどな。
*1
なんの話かわからなくなってきたな。
医療と方言で調べてみたら、先週の、地域方言のほかに、専門用語の方言というのも見つかった。うちの病院で使ってるこの表現、ほかの地域・病院・分野で通じるの? っていう方言。なんか当事者の掲示板みたいなのが多くてリンクするのに気が引けるんで、自分で探してみてください。
そういや、プログラマとしていつぞや耳にしてびっくらこいたのが、“
KM”って略語。「空気揉め」とかいうアレじゃなく、OA 機器のメーカー名。
というか、メーカー名だってことはわかったんだが、それが「
コニカミノルタ」なのか「
京セラミタ」なのか、文章を最後まで読んでもわからず。
これも、使った人の見識を疑う。
尤も、業界では常識だったのかもしれないが。大学が公に出す文書の記号が、東北大学が「北大-○○○」、北海道大学が「海大」とかいうのと一緒か。
思い切り卑近かつ方言の世界で有名なのは、救急絆創膏の呼び方。「サビオ」「
カットバン (本社は佐賀) 」「
リバテープ (本社は熊本)」「
バンドエイド」などなど、どれもこれも商品名だが、一般名称として使われており、しかも、地域性がある。
一説には、産科経営が敬遠されるのは死亡リスクがあるから、小児科が敬遠されるのは儲からないから
*2、なのだそうだが、だからと言って医療関係者を責める気にはなれない。
また、ネーミング センスはともかく、高齢者の保険制度を別にするにはどうやらそれなりの理由があるらしい。政治家と官僚のせいだ、というのも思考停止のような気がする。
なんか、根本的なところでダメになってるんじゃないだろうか。
何が、って言われると困るんだけどさ。