ついに、
超神ネイガーの主題歌 CD が発売された。
歌うはなんと、あの
水木一郎。そう、あの「超人バロム1」「仮面ライダーX」「仮面ライダー ストロンガー」「忍者キャプター」「ザ・カゲスター」…きりがないのでこの辺にしておくが、あの水木一郎。誰がどうやって渡りをつけたのか、御大の登場である。実は昨日も
ふるさと村でネイガーとのジョイント ライブがあったのだが、ちと遠いのと用事があるのでパスした。ここのところ、何度も来秋している模様。
当“Sigma-Section”では、ネイガー用語の解説でお祝いの言葉に代えさせていただきます。
【ネイガー】
われらがヒーロー。でも神様。
なまはげの「
泣ぐ子はいねがー」の後半を持ってきて、ヒーローらしい音に変形したものだと思われる。「ねいが」という秋田弁はない。
が、偽ネイガーである「メグセグネイガー」のネーミングは、「〜ないか」が「
ねが」になるのを利用していると考えられる。「メグセグネイガー」については後述。
【ダジャグ】
「
だんじゃぐ」と言うこともある。強度のわがまま、というか、辺りを省みずに我を通すことである。
悪いことを指す。もしくは、言った人は、その内容が悪いことである、と認識している。たとえば、「将来のためにも、ここで痛みを伴う改革を実行しなければ」という場合、その痛みを共有することが皆に認められていればいいが、ただの独りよがりの場合は「
だじゃぐ」と言われてしまう。
『秋田のことば (秋田県教育委員会編、
無明舎出版)』は「惰弱」の字を宛てて、「怠けで進取の気性がないこと」としている。その結果として、体力がなかったり、乱暴になったりする、とあるが…。
『語源探求 秋田方言辞典 (中山健、秋田協同書籍)』の方は、「傍若無人」の前半分としている。変化に無理があるような気がするんだが。
【ホジーネ】
ダジャグ組合の下っ端怪人。
「
ほじね」は、『
全国アホ・バカ分布考』でも取り上げられた表現。「馬鹿」に相当するが、頼りない、芯が通っていない、救いようがない、などのニュアンスも持つ。
「本地」がない、つまり、寄って立つ場所がないことから、という解説をされることもあるが、ちょっと怪しい。
土地神話は昔からあったらしく、名古屋方面の「
たわけ」も「田分け」で説明されることがある。子孫に田んぼを分割して相続させていくと、そのうちに、小さくてどうしようもなくなる、そういう愚かなことを指す、という説明である。
【ガジェーネ】
ダジャグ組合の下っ端怪人。ゲドンの赤ジューシャと黒ジューシャみたいなもんか。
「頑是無い」が「
がじぇね」。
【ボッコレタマグラ】
ダジャグ組合の怪人。
既出。
【モッタリマゲダリ】
ダジャグ組合の怪人。
「
盛ったり撒げだり」。
器に料理をを盛ったり、元に戻したり、と言うことを何度も変化させることを言う。
秋田では「撒く」を「
撒げる (『げ』は濁音)」と言うことがある。ニュートラルな自動詞で、可能・受身・自発ではないことに注意。
【カマドキャシ】
ダジャグ組合の怪人。
これも既出だが、オフィシャル サイトで「
ドカンと一発かまどきゃし」の交通標語に触れているところを見ると、あれって相当に有名な標語のようだ。尤も、俺も、ネイガーの本拠地である由利に行くときに見つけたのだが。
【セヤミコギ】
ダジャク組合の組合長。
「
こぐ」は、よくないことに対する「する」である。「馬鹿なことを言う」が「
ばがこぐ」、「嘘をつく」が「
ばす こぐ」、「居眠りをする」が「
ねぷかぎ こぐ」となる。
「
せやみこぎ」は、「
背病みこぎ」で、あそこが痛い、ここが痛い、と言って怠ける人を言う。
【ハンカクサイ】
と書くと怒られる、ダジャグ組合行動班長。「ハン・カクサイ」が正しい。「クレヨンしんちゃん」の映画で「雲黒斎」という敵が出てきたが、あんな感じか。
「
はんかくさい」は「
はんかくしぇ」と発音することもある。「半可通」に近い。
【メグセグネイガー】
ガジェーネが化けた偽ネイガー。
「
めぐせ」は、「醜い」「見苦しい」だが、「
めぐせぐねいがー」は「見苦しいよねぇ」という意味にもなる。
津軽では「恥ずかしい」というニュアンスが強くなるが、南部 (青森県の東側から岩手の北部) に行くと「恥ずかしい」というニュアンスはなくなるので要注意である。
テレビの人が、南部でインタビューをしようとしたら、さかんに照れているので、「恥ずかしがらなくてもいいよ」という意味で「
そう めぐさがらねで」と言ったら相手の機嫌を損ねてしまった、という話は大分、前にした。
【アラゲマル】
第三勢力。ネイガーを敵視しているが、ダジャグ組合と組んでいるとも言い切れない。
「
あらげる」は「暴れる」。
肩にテトラポッド
*1、武器はタラバズーカ
*2、ベルトには陸上でも動作する魚群探知機と、海の人である。
これに「荒海丸」という字をあてるセンスがすばらしい。
【アネコムシ】
「カメムシ」のこと。ダジャグ組合は秋田県民をカメムシにすることを企てている。
臭いので「
ヘッピリムシ」などと言われることもある。
聞くところによると、あの臭気はカメムシ自身にとっても毒らしい。
「
アネコムシ」は、女性の化粧の匂いと結びつけたものだが、ずいぶんな話だ。
【
がっつりやる】
こないだ、セリオンのショーでハン・カクサイ様がおっしゃっていた言葉。
「がっちり」からの連想で、「しっかりやること」などと思ってはならない。
これは、「叩く」という意味。
ニュアンスとして、叱る、たしなめる、という目的で叩くときに使うような気がするのだがどうか。ケンカでも相手を叩くことはあるが、それを「
がっつりやる」と表現するのはつらいように思う。そのケンカのきっかけが「
がっつり」であった、ということはあるかもしれない。
【
家で言わいでるいに】
これもハン様のお言葉。
ショーで、子供を前に引っ張り出してのアトラクション。名目は、ホジナシ戦闘員を集めるため、である。
子供に、
ほじねことをさせるわけだが、そんなこといきなり要求しても幼児には対応が難しいので、大きな声で「ほじねー」とか叫ばせる。このとき、「家で、そうやって怒られることあるでしょう? お母さんとかに言われてるのと同じことを言ってください」と促すわけだが。
言われてないかもしれないよ。そのショーでもそうだったし、スーパーで買い物してるときにも思うが、最近のご家族は、やっぱり秋田弁を使ってないような気がする。
【ネイガー ジオン】
先日、ついに姿をあらわしたネイガーの弟分。
この「ジオン」は、「ネイガー」と同じく、既存の単語をヒーローの名前らしく並べ替えたもの。
次男のことを「
おんじ」という地域がある。これの変形である。
スペースノイドによる独裁を狙っているあそこではない。
本当はその主題歌「豪石! 超人ネイガー〜みだが、おめだぢ〜」の歌詞も解説するべきなのかもしれないが、歌詞の取り扱いは色々と面倒なことが多いので、また別の機会に。
「また」?
*1
「テトラポッド」って商品名だって知ってました? 「テトラパック」もですけど。(↑)
*2
先端にフラッシュが仕込まれていて、目に残像が表れるほど。(↑)
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