Speak about Speech: Shuno の方言千夜一夜




第469夜

豪石せよ!



 さて、秋田を守るヒーロー、「超神ネイガー」、である。
 まずは、オフィシャル サイトを見ていただきたい。mixi に加入している方は、コミュニティもあるので、検索してみてください。
 これ、一瞬、見ただけではごくまっとうなスタイルに見えると思うが、よーく見るとナマハゲをモチーフにしていることがわかる。秀逸なデザインと言うべきだろう。ローカル ヒーロー、手作りヒーローは、悪役はまだしも、主人公のスタイルからしてお笑いとか安物のことが多いので、こういう姿勢は大いに買いたい。
 なんたって、この人、大真面目だから。

 ここは方言のページである。話はそっちに移す。
 まず、変身コードは、タイトルにも挙げた「豪石 (ごうしゃく)」。神秘の石の力によって変身するわけだが、これは「ごしゃぐ」を踏まえている。怒りのエネルギーが戦いの源、というのは、「電人ザボーガー」を引き合いに出すまでもなく、基本である。
 戦闘員は「ホジナシ」と呼ばれる。頭数というか、にぎやかしというか、わらわらと出てきてはあっという間に倒されてしまう、という位置付けから言うとピッタリのネーミングであろう。「バカ」「たよりない」というような意味。「全国アホ・バカ分布考」でも取り上げられていた。
 怪人の「ボッコレタマグラ」は「くされたまぐら」とも言う。これは、「たまぐら」つまり「農機具などで、金属の部品を木でできた柄にはめこむための輪」が腐っていることである。腐ってるのできちんとはまらない。使えねぇ奴のことである。
 逆に、なんにでもはまろうとする、何処にでも顔を出すやつのことも言う。「たまぐら」というミミズの大きなのがいて、それがどこにでももぐりこむ様子から、という説もある。
 全部、解説してしまっても面白くないので、詳しくはやっぱりオフィシャルサイトで。

 郷土に愛着を持ってもらおう、ということで、キャラクターが全国で次々に作り出されている。漫画風の味付けは昔からあったし、可愛いんだか可愛くないんだかよくわからない「ユルキャラ」も多いが、近年、「アキバ系」とでも言おうか、アニメ美少女系が増えているように思う。備長炭の業者が「備長たん」というキャラを発表したときにはビックリした。わざわざ宣伝しなくてもネームバリューは確立してると思ってたし。
 その内、秋田のも一覧にしてみたいと思うが、すぐに思い浮かぶのは、2000 年のワールドゲームズで使われたナミーとハギー。これは、ナマハゲの語源である「ナモミハギ」を分解したもの。「ナモミハギ」については既出。ネイガーのサイトでも解説されている。
 ワールドゲームズが終わっておしまいかと思っていたら、秋田信用金庫が譲り受けて使っている。愛知旧博もとい愛・地球博のモリゾーとキッコロよりもわかりやすかろう。
 あとは、田沢湖の「たつこちゃん」か。本当はお姫様だが、これもアニメ風になっている。田沢湖で MTB の大会をやるときのキャラクターも兼ねていて、ぬいぐるみが賞状を渡したりはしないものの、パンフレットとか記念品とかでは、ヘルメットをかぶった姿が印刷されている。絵が見当たらないのでリンクできなくて申し訳ない。

 ローカル戦隊の一覧は、ここにある。
 ものすごい数だが、ざっと見て気づくのは「エコレンジャー」がダブっていることである。ダブるどころじゃない。10 チーム以上ある。
 理由は色々あろうが、まずは、このローカル戦隊は、意外なことに役所が絡んでることが多い、ということをおさえておく必要がある。彼らがなんらかのキャンペーンを張ろうと思ったときにアピール手段として戦隊を使うわけだ。警察や軍隊が楽団を持つのと一緒…かなぁ。
 で、今、政官財が、その思惑はともかく一生懸命なのが環境だ、ということであろう。
 子供の頃からの教育が大事だとか、新素材・ゴミ処理などで科学との相性がいい、などほかにも理由はあるに違いない。

 秋田の農産物については、ちょっと前にまたしてもケチがついた。全国ニュースになってしまったほどなのだが、これはやっぱり、ネイガーに退治してもらわなければなるまい。
 その後で、イメージ回復。
 俺の友人が、米の消費拡大のため、「うるち舞」というキャラはどうだ、と言っていた。友達に、「やまだ錦」とかいるんだろうな、きっと。もちろん、オクテなのね。







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