前回は 2 年前だと持ってたら 3 年前だった。布施明のコンサート。
今回は朗読劇というのもフィーチャされていて、それはそれでいいんだが、その分、歌が少なかったのはちょっと寂しい。
本人としては複雑なものがあるようだが、前半の目玉は、
仮面ライダー響鬼 (ひびき) の主題歌「少年よ」。前振りあり、後振り (そんな単語があるのかどうか知らないが) ありで、20 分くらい、この話だったんじゃないかな。
チャート初登場で 12 位というのは、布施 明の曲の中でも最も早い立ち上がりなんだそうである。
昨今、多分、2002 年の
龍騎あたりから、特撮の歌は本格的に売れるようになってきた。「
魔法戦隊マジレンジャー」だって初登場 17 位。尤も、「少年よ」はいい曲だし、何と言っても、歌うのが「あの布施 明」だから、CD が出るのを待っていた人は多いだろうと思う。
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前回もそう思ったのだが、ジ…年を重ねた男女の多いこと。どっちかといえばバ…女性だが。
相変わらず、秋田弁で下世話な会話を繰り広げている。開演しても収まらない。歌い始めても収まらない。この
じゃごもんがだが。
「
じゃご」は「在郷」で、「田舎」ということ。「
じゃごもん」は「田舎者」、「
じゃごくせ」は「田舎臭い」。「
じぇご」「
じゃんご」という地域もある。「
ざい」と言ったりもする。
大辞林によれば「在」という呼び方はあるようだ。
さて、ここで困った。各地の方言で「田舎者」「田舎」をなんと言うのか、を知りたいのだが、「田舎 and 方言」で検索するとものすごい数のページがヒットする。当然である。ピックアップしようとしばらく頑張ったのだが、途中で断念した。
「在郷」系が多いようではある。
「かっぺ」を俚言形としているページがあるようだが、それはどうだろう。「いなかっぺ」の省略形なのは確かだが。
というわけで、「田舎」「田舎者」の俚言形は後の課題、ということで。
上の「
がだ」は「方」で、複数であることを示す語尾。標準語でも「方々」と言って複数の人を指すことがあるが、あれと同じ。ただし、複数を示すときに「方」そのものは使わないので、濁点を取って「
わたしがた」などと言っても他所では通じない。これも「気づかない方言」の一つ。
「
達」もある。「
だぢ」という音にはなるが。
なんとなく、なのだが、「
がだ」の方が、「
だぢ」よりも相手を下に見ている、という感じがする。
明確な根拠は持ってないのだが、「あいつら」に相当する「
あれがだ」という単語なんかもそれに当てはまりそうだ。「
あれだぢ」はあんまり聞かない。「
じゃごもん」にしても、「
じゃごもんがだ」とは言っても「
じゃごもんだぢ」とは言わない。
「あの人たちってどうしようもないからね」と言いたいときは、「
あの人だぢ」より「
あの人がだだば なんともさいねものな」と言う方がしっくりくる。
それにしても、田舎者はなぜ
じゃご臭いのであろうか。
ほかの地域の人との接点がない「井の中の蛙」だから、というのは容易に思いつく答えだが、それは、上演中に大きな声でおしゃべりをする、ということの答えにはなってないと思う。それがよくないことだ、というのは、考えればわかることだからだ。
むしろ、濃密な人間関係の中で、自分のミスを大目に見てもらったり、自我を押し通したり、ということを日常的にやっているからではないか。人間関係が濃密であるがゆえに我慢しなければならないこと、というのも勿論あるわけだが、半径 1km 以内の人は全て自分を知っている、という環境で、「○○さんのやることだから」と言ってもらえる――あるいは、言われてしまう――ということが常態化すると、状況を見つつ自分のやっていることをチェックする、ということができなくなってしまうのではないか。
言われないと気づかない事柄、というものもあるに違いないが、「上演中はケータイを切れ」「写真をとったり録音したりするな」と何度もアナウンスされているのに、そのケータイを取り出して写真をとろうとする、という
じゃご臭さには呆れて物が言えない。
「
仮面ライダー響鬼」では、ライダーが組織化されている。その本部があるのが「吉野」で、彼らが使っている車のナンバープレートは奈良だったりするのだが、そのうち、あっちの言葉遣いの戦士とか出てくるんだろうか。
出てくる、と言えば、その「猛士
(たけし)」という組織の幹部として、布施 明が 8 月に登場するらしい。楽しみだ。