まず、「類例が少ない」とは言いながら、“ai”→“e”のパターンは少なくない、ということがわかる。語尾も考慮にいれれば、該当する単語さえあれば百発百中といえる。
-ai 語頭 語尾 あい − − かい 「貝」「痒い」が「け」 「赤い」が「あげ」 さい − 「臭い」が「くせ」。「くしゃ」とも たい − 「硬い」が「かで」、「会いたい」が「あいて」 ない 「無い」が「ね」 「汚い」が「きたね」、「来ない」が「こね」 はい 「灰」が「へ」。「ひゃ」となる地域もある まい 「枚」が「め」 「甘い」が「あめ」 やい − 「早い」が「はえ」 らい − 「暗い」が「くれ」 わい − 「恐い」が「こうぇ」にはなるが、秋田弁本来の語は「おっかね」 がい − − ざい 「在 (田舎)」はそのまま。 − だい 「台」が「で」になることがある。 − ばい 「倍」「杯」が「べ」になることがある。 − ぱい 「杯」が「ぺ」となることがある。 − -oi おい 呼びかけの「おい」は「お」 − こい 「来い」が「け」。「濃い」などはそのまま 「しつこい」が「しつけ」 そい − 「遅い」が「おせ」 とい 「遠い」は「とぎ」 − ほい 掛け声はそのまま − のい − − もい − 「重い」は「おぼで」 よい 「良い」は「い」 − ろい − 「黒い」が「くれ」 をい − − ごい − − ぞい − − どい − 「しんどい」は秋田弁固有の語彙ではない ぼい − − ぽい − 「色っぽい」の「色っぺ」は秋田弁固有の現象とは言いがたい -ue うえ − − くえ 「食え」が「け」 − すえ − − つえ 「強い」は「つえ」である。 − ぬえ − − ふえ 「笛」はそのまま − むえ − − ゆえ 「結え」はそのまま − るえ − − ぐえ − − ずえ − − づえ − − ぶえ 「おぶえ」が「べ」になることがある ぷえ − −