1998年4月15日号 243
G-CSF製剤での急性呼吸窮迫症候群
G−CSF(顆粒球コロニー形成刺激因子)製剤を癌化学療法後の好中球減少症に対して使用した症例で間質性肺炎の報告があったことから、平成8年1月に「発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線検査異常」等の初期症状を呈する「間質性肺炎」については、使用上の注意に記載されていました。 しかし、間質性肺炎以外の呼吸器系障害として、急性呼吸窮迫症候群(ARDS;Acute Respiratory Distress)が12例報告され、本剤が発症に関与した可能性も考えられるため、「重大な副作用」に追加記載することになりました。 |
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G−CSF製剤による急性呼吸窮迫症候群の呼吸系障害の発現機序としては、動員された好中球が肺毛細血管や肺胞内に集積し、エステラーゼ、活性酸素、炎症性メディエーター等が産生・放出され、血管内皮障害、毛細血管の透過性亢進により組織障害が進展する可能性があると考えられています。
これまでの報告例によりますと、呼吸器系障害を起こした症例では、年齢、性別、併用薬剤の種類等には一定の傾向は認められませんでした。
G−CSF製剤の使用に際しては、間質性肺炎と初期症状が類似する急性呼吸窮迫症候群が発現することがあるため、観察を十分に行い呼吸困難、チアノーゼ、動脈血酸素分圧の低下、AaDO2(Alveolararteial
oxygen difference)の開大、肺水腫等の症状、また両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異状が認められた場合には、使用を中止し、早急に呼吸管理を実施し、体液量の調整等の循環管理を行うとともに、ステロイドの大量与薬を考慮します。
[症例]
*ARDSを発現した症例数12
グラン 6例(うち死亡1例)
ノイトロジン 5例(うち死亡3例)
ノイアップ 1例
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<重大な副作用追加>
急性呼吸窮迫症候群
急速に進行する呼吸困難、低酸素血症、両側性びまん性肺浸潤等の胸部X線異常等が認められた場合には中止し、呼吸管理等の適切な処置を行うこと。
該当製剤
グラン注、ノイトロジン注、ノイアップ注
性格と癌2
シリーズ癌治療を考える6 はこちらに移動しました。
<血液凝固阻止剤・抗血小板剤の服用中止後、手術可能となる日数>
*アスピリン :7〜10日 *印は確実に中止させること。
*ワーファリン錠 :3〜4日
*パナルジン錠 :10〜14日
*プレタール錠 :2〜3日
・アンプラーグ錠 :1日(次の日) ・印はできるだけ服用中止させること。
・エパデール :7〜10日
・ドルナー錠 :1日(4日という報告もある)
・ロコルナール錠 :2日
・コメリアン錠 :2日(血液中濃度推移と平行と推定)
・ペルサンチン錠 :2日(血液中濃度推移と平行と推定)
・ケタス :3日(血液中濃度推移と平行と推定)10日間休薬との報告もある。
・セロクラール錠 :2日(血液中濃度推移と平行と推定)
・コレキサミン :1日(今後の検討が必要)
・プロレナール錠 :1日
出典:薬事 2003.3等<手術の際に中止すべきサプリメント>
イチョウ葉エキス、ガーリック、ジンジャー、フィーバーフュー、ノコギリヤシ、魚油:血小板減少、凝集抑制→易出血カバ、バレリアン:鎮静、麻酔薬との相加効果
エキナケア:免疫増強、抗アレルギー、抗炎症→長期使用による免疫能の減弱
出典:医薬ジャーナル 2004.12〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
白内障
抗血小板療法継続下での白内障の手術時や手術後に出血したとの症例報告もありますが、抗血栓薬や術前に休薬すると血栓症や塞栓症を発症するおそれがあることと、角膜と水晶体には血管がないため通常の白内障手術では出血しないことから、休薬せずに出血の少ない方法で手術する方法が安全であるとの強い意見があります。
脳卒中患者を多数診察する103の施設でのアンケート調査では、抗血小板継続下での白内障手術を支持する施設は55%だそうです。
出典:日本病因薬剤師会雑誌 2007.5
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抜歯とワーファリン錠
局所止血法を十分に行うと、ワーファリン錠を継続投与した群と中止した群で出欠量や後出血の発生頻度に差が無かったとする報告が多い。
抗血栓療法を中止すると0.95%も血栓症が発生し、その大多数が致死的であったとす報告もある。
一方、抜歯後出血が致死的になる場合はほとんどないので現状では抗血栓剤の維持量を継続しながら抜歯するのを原則とすべきであると思われます。
抜歯後の状況や患者の凝血能からやむを得ず減量する場合、目安とすべき凝血学的指標については現在のところ一致した見解はありません。
ワーファリン錠服用者でINR3.0以上、TT10〜15%以下を減量する際の目安としても良いと思われます。しかしこの目安は抜歯後に局所止血剤の充填や抜歯かの縫合、止血床の活用などの歯科的止血処置が十分に行われることが大前提であり、絶対条件となります。
出典:治療2005.3月増刊号
メディカルトリビューン 2005.6 → INR3.0未満であれば止血可能
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心臓バイパス手術の前と後にアスピリン 合併症が大幅減 [2002/10/30]
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心筋に酸素と栄養を送っている冠動脈が狭くなったり、詰まった場合に、大動脈の血管を患部にバイパスする心臓バイパス手術が行われる。この手術の前後には、出血や合併症の原因になるためアスピリンは服用してはならないといわれてきた。ところが、10月24日発売の医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン」で報告された研究によると、この常識は全く逆で、手術前後にアスピリンを服用すると、合併症、死亡率ともに劇的に下がって、多くの患者の命を救うということが明らかになった。
この研究は、非営利団体の「虚血研究教育基金」が、1996年から2001年にかけて行った。研究では、17カ国70の医療機関で5065人の患者に対して実施されたバイパス手術の際に、被験者の60%に最高650ミリグラムのアスピリンを手術の後24時間以内に投与した。その結果、アスピリンを投与した患者では、入院中の死亡率が、投与しなかった患者の3分の1、心臓発作、脳卒中を起こした割合が約半分、じん臓障害が4分の1、血栓障害が3分の1になった。
また、以前からアスピリンを常用していた患者で、手術前にアスピリンの服用をストップした人は、手術のぎりぎりまで服用し続けていたよりも、死亡率が高くなった。
現状の米心臓協会のガイドラインでは、心臓バイパス手術を受けるさいには、手術の7日から10日前には、アスピリンの服用はストップすることになっている。この研究結果について、米心臓協会会長のロバート・ボノフ博士は、「ここで得られた結果は、明確、かつ、決定的だと言える。これでバイパス手術のやり方が変わることだろう」と話している。
出典:不明
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心臓手術前でもアスピリン継続が望ましい。
メイヨー・クリニック(ロチェスター:米ミネソタ州)R.Scott Wright准教授
1636例のデータ
手術前にアスピリンを服用することは、生存率と非常に強く相関する。
アスピリンの中止を指導するおもな理由は出血リスクであるが、出血リスクは増加しないことが判明
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