インターネット活用

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1) まえおきと目次
2) 私はインターネットとこうつきあっている

1) まえおきと目次
 週刊東洋経済(東洋経済新報社)の1999/12/4号は「特集インターネット」として「ビジネス最前線と徹底活用術」を載せているが、その目次は次の通りである。
最前線(1) パソコン   28ページ
最前線(2) プロバイダ  34ページ
最前線(3) 通信     38ページ
活用術(1) 私の利用法 42ページ
活用術(2) サイト55   44ページ
時代の疾駆者たち    48ページ

ここでは「活用術(1) 私の利用法」のみを載せるが、全体を知るには原本を読んで欲しい。

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2) 私はインターネットとこうつきあっている

 インターネットにつないだら、次はこのスグレモノとどうつきあうか。ネットは新しい情報収集の地平を切り開いてくれたが、上手につきあわないと、時間だけを浪費してしまう。学界、ビジネス界の三人に、ご自身のネット活用術を聞いた。三人のおすすめサイトについては、太字で記してある。

野口悠紀雄(東京大学教授)
自分のホームページ持ち どこからでも情報を検索
 私の場合、最初にアクセスするホームページ(HP)は「唯一」であり、それは私のHP(四六ページ表)だ。そこに「インターネット情報源」というページを設けて、いくつかのジャンルごとに、有用な情報のあるサイトにリンクしてある。
 ここでは、各サイトに星印で四段階の評価を行っている。最高の四つ星は例外的にといえるほどすぐれたサイトで、すべてアメリカのものだ。例えば、CNN(アメリカのニュース専用テレビ局)やCNNfn(CNNの経済情報セクション)は非常によくできている。経済データについては、総務庁統計局統計センター日本銀行通産省国土庁などがあるが、四つ星ではない。
 TimeBusiness WeekForbesなどの外国の雑誌のサイトも便利だ。外国の状況については、細かい断片情報よりは、背景にある大まかな状況を知りたいことが多い。それを知るには、新聞より雑誌の方がよい。
 電子株取引が始まると、企業のデータやニュースがすぐに入手できることが重要になる。CNNfnの中にはcompany searchという項目があり、ここで大量の企業情報が得られる。しかも無料で使える。アメリカのインターネットは、すでにこうした状況にある。
 私は雑誌にエッセイを書くことがあるが、その際にさまざまの雑多な情報が必要になる。その際に、インターネットは非常に便利だ。例えば、映画のことを書こうとすれば、The Internet Movie Databaseで、大量の映画情報が手に入る。映画情報は図書館にはないものなので、これまでは集めるのに大変な苦労をした。インターネットはこの状況を大きく変えたわけだ。インターネット時代の特徴は、情報を集めるために必要な時間より、それを読むために必要な時間が長くなったことだ。これまでは、情報を集めるのに時間がかかった。それが逆転したわけだ。
 こうして、情報の整理に関して基本的な変化が起こった。情報そのものを、持っている必要はなくなった。だから整理する必要もない。我々は、情報の「ありか」、情報のあるサイトのアドレスだけを知っていればよいのだ。情報のあるサイトのアドレスを、通常は「ブックマーク」に登録する。しかし、これだと自分のコンピュータを離れると使えなくなる。そこで自分でHPを作り、どの端末からでもアクセスできるようにすればよい。これが冒頭で述べた「情報源」の思想だ。

脇 英世(東京電機大学教授)
誰でも原典に接近可能 専門家も手を抜けぬ時代
 論文を書くにしても、昔は「資料がない」という言い訳ができた。しかし、今はダメ。インターネットで探せば、誰でも情報の根っこにアクセスできるからだ。
 例えば、米国の独禁法について知りたいとする。これまでは、とりあえず日本の権威とされる人が書いた本で調べた。そこにあるクレイトン法やシャーマン法の解釈を、我々はうのみにしてきた。何しろ、合衆国連邦法典の日本語訳なんて売れるはずがないから、どこの出版社も出していない。原典に接する機会が、特定の専門家を除いて非常に限られていたわけである。
 ところが、今はインターネットの森に分け入ると、通称クレイトン法と呼ばれる法律も、その「原文」が、合衆国法典の中から簡単に見つかる。すると、日本の権威による解釈が、原典とかけ離れていたなんてこともあるから面白い。我々は素晴らしい道具を手に入れた。逆に、専門家としては全く手を抜けなくなった(笑)。
 私は情報通信工学が専門だから、仕事柄、検索エンジンは米国版を使うことが多い。インフォシークアルタビスタのほか、何が何でもヒットが欲しいときは、ライコスも使う。使い易さからいえば、人的な編集がなされた登録型が便利だが、ロボット型の長所も見逃せない。そこは使い分け。
 自分のパソコンに設定して常にウォッチしているサイトは、マイクロソフトインテルIBMのホームページ。ビル・ゲイツが何を語っているかは、やはり目が離せない。他にはアップサイドや、ZDネットなど、ハイテク情報のサイトも見る。 検索エンジンで日本版ならばヤフー。株価を調べたり、映画館の上映時間、会合に行くときの地図などをよく調べている。
 情報の検索は、「今日は何も釣れない」というときもあるが、だんだん検索方法のカンが鍛えられてくるものだ。そうすると、本当に気軽に原資料を探せるようになる。ただ、核心まで来ると、そのデータを手に入れるには途方もない金額を支払わなければならないこともある。通信費用も含めて、最後に立ちはだかるのはやはりおカネの壁である。
 私は家では、インターネット費用を月5000円に抑えようとしているけれど、書き物をするときなどはそうもいかない。つい、居眠りなんかしてしまうと大変。今は、学生のほうがおカネを持っていて、ISDN回線を好き放題に使ったりしているので参ってしまう(笑)。

成毛 真(マイクロソフト社長)
本購入と株式投資に便利 Eメールは1日80通受信
 11月初句にニュートン (東京・新宿区)のサイトでミード社製の天体望遠鏡を買った。冷却CCDカメラで撮影しパソコンでデータ処理を行うタイプの高性能望遠鏡だ。100万円もしたが、これがすごくよくて気に入っている。土星の輪や星雲が驚くほどクッキリ見える。
 この望遠鏡を買ってからは毎晩の天気が気になる。当社のMSN(マイクロソフト・ネットワーク)ジャパンは天気予報がいちばん最初のページに載っているため、暇さえあればMSNの天気予報を見ている。
 自宅にはパソコンが四台ある。「iMac」、ソーテックの青白ツートンカラーの「e-one」、あとデルのマシンが二台だ。そのうち、iMac以外の三台がインターネットにつながっている。自分が使っているパソコンはMSNをホーム(立ち上げ時に最初に接続されるサイト)に設定しているが、娘用のパソコンはヤフーをホームにしている。ロボット型検索エンジンを使っているMSNでは、教育上よろしくない検索結果まで表示されてしまうためだ。その点はディレクトリ(登録)型のヤフーは安心。ただ、MSNもディレクトリ型の要素を入れたエンジンを開発しており、それが完成すれば娘のホームもMSNにする予定だ。
 プライベートでは、本の購入と株式投資に使うことが多い。紀伊国屋ブックウェブでは月に20万円は買っており、恐らく最大の顧客の一人だと思う。街の本屋で買うのと違って、インターネットでは気軽に買えるため、知らず知らずのうちに相当の量を買ってしまう。
 株式投資ではマネックス証券野村ホームトレードの二つを使っている。リアルタイムのパフォーマンスを見ることができるので重宝している。ただ、マネックスのほうは、一度システムがダウンするとなかなか復旧しないのがちょっと気になる。もし、マイクロソフトにシステムを任せてくれれば、もっとよいシステムを作るんだけど……。
 ニュースも見るが、コンピュータ業界のニュースは見ないようにしている。(マイクロソフトにとって)気分が悪くなるようなことがたくさん書かれているため、くつろぎの時間が台なしになる。会社のパソコンでは仕事上の連絡にEメールを使うことが多い。一日に受信する量は平均して80通くらい、すべて自分で処理している。ただ、自分が発信するのは一日に20通くらいだ。
 インターネットは非常に便利なため、プライベートでも仕事でも手離せなくなる。一方で、生活が慌ただしくなる点が短所といえるだろう。
(原本 特集インターネット ビジネス最前線と徹底活用術 週刊東洋経済 1999/12/4 東洋経済新報社)

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[Last Updated 8/31/2001]