みんなの広場
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改訂履歴とみんなの広場(バックナンバー)09に戻る

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 アクセスされた方々との交流の場です。今月も次の三項目を取り上げました。先月の「みんなの広場」は「12 改訂履歴とみんなの広場(バックナンバー)」に移しました。
 6月は、梅雨入り宣言はあったものの、前半は割に良い天気でした。後半は梅雨らしい天気になりましたが、気温はもう一つ安定せず、暑かったり寒かったりいろいろでした。それでも月末には、沖縄の梅雨明けが発表され、本土も梅雨明けは近いようです。庭にはクチナシの花が咲き、梅の実で梅酒を作りました。
1.「今月の追加内容」など
 1.1 今月の追加内容
  今月追加した内容の、ご紹介です。
 1.2 新聞の記事から
  「自然に戻れ、リンゴも喜ぶ」という「自然栽培」の記事を載せました。
2. 6月のトピックス
 6月の主なトピックスをご紹介します。
 2.1 青年座公演「鳥の飛ぶ高さ」
  6月21日、家内と世田谷区三軒茶屋のシアタートラムに、フランスの翻案劇を見に行きました。
 2.2 東京スカイツリー
  6月27日、押上に建設中の新しい電波塔スカイツリーを見に行きました。右は建設現場の写真です。
 2.3 「マチスの時代」展
  ブリヂストン美術館で開かれている展覧会を見に行きました。
3. 来月の予定
 今、来月に向けて計画していることを、お知らせします。

1. 「今月の追加内容」など
 1.1 「今月の追加内容」
 「5 本の紹介」の「75 だいくとおにろく(絵本)」は、新聞に掲載された俵 万智さんの紹介記事が素晴らしくて本を読み、ご紹介しました。
 「8 ウオーキング・旅行」の「41 会津若松旅行」は、再生可能な自然エネルギーとして脚光を浴びるようになってきた地熱発電の見学と、白虎隊で有名な飯盛山など観光地のご案内です。
 「11 興味あるリンク」には、「1 役にたつホームページ」に「1.13 地熱発電」、「11 趣味2−旅行」に「11.66 東京スカイツリー」の2項目を追加しました。「地熱発電」は「41 会津若松旅行」に関連し、「東京スカイツリー」は「6月のトピックス」に関連した内容です。

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 1.2 新聞の記事から 「自然に戻れ、リンゴも喜ぶ」
 農家の木村秋則氏(59)は、「絶対不可能」といわれたリンゴの無肥料、無農薬栽培を成功させた。苦難の時代に米と野菜の無肥料、無農薬栽培も会得し、「自然栽培」の技術はほぼ終着点に近いところまで来たという。         文・工藤憲雄

観察と想像が不可能超えて実り生む
 脳科学者の茂木健一郎氏は「木村さんは複雑系の科学者です」と感嘆する。自然の生態を観察し、実験を繰り返しては田畑に戻すその姿勢だ。木村氏も調子にのり「茂木さんと同じ農科学者です」と笑わせる。
 「家族が農薬に弱い体質のため無農薬どころか無肥料のリンゴ栽培に切り替えました。それが地獄の1丁目でした。私は高校2年の時に簿記1級の資格を取り、短い期間ですがサラリーマンをやって原価計算に明げ暮れた"効率人間"でした。年13回の農薬散布を減らし3年目、1回の散布でも何とか実り有頂天になりました。なんだ簡単だ、と」
 「ところが農薬を断つとリンゴ園は病害虫のパラダイスになりました。6月に葉が落ち9月に来年の花が咲く。闘いが始まりました。病害虫対策に人間が食べて効果のあるものならと、時期や希釈倍率を変えて酢、しょうゆ、塩、みそ、ネギ、ニンニク、ニラ、コショウ、辛子など思いつき次第散布しました」
 「後で気付くのですが、それは農薬の代わりを考えていただけで場当たり的な物質探しに懸命になっていただけでした」
 「そうではなく虫や病気はむしろ結果であり、リンゴの木が弱っていたから発生したのではないか。自然が見せてくれた答えは、リンゴの地上部ではなく土の中の見えない世界にありました。草深い山の柔らかい土の中で根は伸びやかにはっていました。この土を作ればいい。リンゴが喜ぶ環境、それは本来の自然を取り戻してやることでした」

 農家の人に「自分の体にリンゴ一つ、お米一粒実らすことができますか」と問う。実らせるのはリンゴの木でありイネであり、人間は手助けするだけだ。実った糧をいただいて人は生きる。日本人が忘れた感謝の心だろう。
 「当たり前のことが当たり前でなくなったのが今の農業です。昔は、種もみ用のイネはやさしく脱穀しました。脱穀の時にもみの傷ついたところから雑菌が入ると、ばか苗病という病気が発生し、不発芽や立ち枯れ病を生じるからです」
 「今の脱穀はコンバインが一定の回転で能率よく処理します。種もみを傷つけないためには、コンバインの回転を少し抑えてやればいいのですが、人はそれをやりません」
 「農家では病気を防ぐため、種もみの消毒をしますが、みな昔からやられていたからと漫然と答えます。防止するには塩水選や温湯消毒がありますが、私は泥水(土壌菌)で殺菌します」
 「イネ作りの最大のポイントは必ず田を乾かしてから春に耕起することにあります。田起こしに湿った土では失敗します。乾いた田は好気性菌が働きます。私には土壌菌が喜んで活躍する姿が想像できます。田植え前に水を入れ、代掻き(しろかき)作業を行いますが、練りあんのようにトロトロになるまでやる人がいます。それは人間が勝手に育ちやすいと判断しているだけです。常識と違い、粗末な方が間違いなくいいのです」

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コップを田んぼに実験 実験 実験
 無肥料、無農薬で作った米を奥さんがといで水に入れたまま忘れていたがカピも生えず腐りもしなかった。なぜだろうと普通に購入した米で試すと、これが悪臭を放った。実験好きの木村氏が目を輝かせた。
 「こうした米や野菜の腐敗実験に酒屋さんからもらったガラスのコップが役立ちました。水と対象物を入れラップでフタをし、ハシで少し突いて日当たりのいいところに置くだけ。2週間すると結果が出ます。未完熱堆肥(たいひ)で作った米、野菜はドロドロに腐ります。私のリンゴはなぜか放っておいても腐らず、枯れていくだけです」
 「生活苦にあえぎながら野菜と米の無肥料、無農薬の栽培を独学で続けました。1年に1度の実験では何10年もかかります。それでガラスコップに田や畑を再現、土をコップに入れて実際に種をまくか、苗を植えて年6回もの実験をしました」
 「田の耕起は手で、代掻きはハシでかき回し200ものサンプルを作ってテストを繰り返し、いい結果のものを田畑で実践しました。その結果がなんと『常識は全部捨てなさい』だったんです」

先進的な挑戦、JAもサポート
 宮城県のJR古川駅から車で30分のJA加美よつばに3年前、木村氏が稲作指導に訪れた。熱心に有機米に取り組んできた農家約32人がJA内に「有機米生産部会」をつくり、木村氏の何も施さない自然栽培の米作りをどんなものかと見守った。遠巻きに「ほんとかな」という疑心暗鬼の目であったが、先駆者の一人が「おもしろい農法だ。とにかくやってみよう」と実行したところ「できてしまった」というのが実情のようだ。
 木村氏とJAの仲を取り持ったのが、東京都江東区にある「精華堂あられ総本舗」の清水精二会長。あんこやチーズを挟んだおかきの元祖である。
 叔母を農薬渦で亡くしたという会長のこだわりは、奥羽山脈の清流と米どころの古川市(現大崎市)に1991年から工場を稼働させ、米のほか、ゴマやしょうゆなどの副原料もすべて無農薬とし、あられメーカー唯一の有機日本農林規格(JAS)認定を取得した。
 より安全にと、木村氏の有機肥料も使わない自然栽培米に行きついた。木村方式の加美よつばでとれた米の全量を引き取り、来年は実学として自ら栽培しようという力の入れようだ。
 JA加美よつばの池田衛代表理事専務は「やっぱり、JAグループとしてはあまりよくない農協が出たと思われているかもしれない」と笑う。しかし「興味を持ってぜひというのは拒まないし、むしろその挑戦をサポートしていきたい」と答えている。8,500人の組合員のまだ一部にすぎないが、農薬、肥料を販売するJAの先進的な取り組みだ。「JAとして消費者が自然栽培の農産物を求める大きな市場ができるなら、それは我々が目指したいユートピアですね」

木村 秋則氏 無肥料、無農薬栽培を会得した農家
 きむら・あきのり 弘前実業高卒後、川崎市のメーカーに集団就職。1年半で故郷に戻り、1971年からリンゴ栽培を中心とする農業に従事。農薬で家族が健康を害したことをきっかけに、無農薬、無肥料栽培を模索した。10年近い収穫、収入ゼロの苦難を乗り越えて栽培に成功し、現在は全国、海外で麦と大豆などのマメ科植物を植えて土壌改善するなど自然栽培の農業指導を行う。青森県出身。

常識は全部捨てなさい 木村秋則氏の3つの提言
△ すべては観察から始まる。ずっと見ていることが大事。
△ 農業では非効率なものが効率的なものになることがある。
△ 狂うほどバカになって取り組めば必ず答えは見つかる。
(出典 日本経済新聞 2009年6月16日)

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2. 6月のトピックス
 6月の主なトピックスをご紹介します。
 2.1 青年座公演「鳥の飛ぶ高さ」
  2006年5月に、「職さがし」という芝居を見ています。今回の芝居も、その時とほぼ同じスタッフです。原作はミシェル・ヴィナヴィエール、演出はアルノー・ムニエ、翻案と演出協力が平田オリザさんです。便器(ウオシュレット付き)を扱う古い体質の会社が、フランスの会社に乗っ取られるというのが、おおまかな筋です。上演後にラウンドテーブルということでヴィナヴィエール、ムニエに作家の辻井 喬氏が加わり、平田オリザさんの司会で座談会がありました。フランスの戯曲を現代の日本に良く翻案したと感心しました。友人の息子高橋広司君が買収される会社の副社長役で出演しています。
 2.2 東京スカイツリー(このページ上部の写真を参考)
  東京タワーに替わる電波塔として、都営地下鉄浅草線の押上と、東武線業平橋の間に東京スカイツリーを建設中で、塔の基礎となる建物が姿を現しています。敷地の南側には北十間川が流れており、写真はこの川にかかっている、押上駅を出たところにある京成橋から撮りました。
  1) 設置場所  墨田区押上1-1    4) 竣工予定  2011年12月                 6) 施工者  株式会社大林組
  2) 塔の高さ  約610m          5) 建築主    東武鉄道株式会社
  3) 着 工    2008年7月                  東武タワースカイツリー株式会社
 2.3 「マチスの時代」展
  ブリヂストン美術館では所蔵作品を中心に、一人の画家と、その画家が影響を受け、または与えた画家の作品とを一緒に展示することによって、技術の流れや移り変わりを説明しています。今回は「フランスの野性と洗練」という副題でフォーヴィズム(野獣派)運動の中心人物であるマチスの作品を展示しています。展示は四つの章に分かれており「T. マチスとフォーヴィズムの出現: 1905年頃まで」 「U. フォーヴの仲間たち それぞれの道」 「V. 親密なあるいは曖昧な空間: ヴァリエーション、装飾、室内、窓、空間の広がり」 「W. 色とかたちの純粋化: 拡張する画面、余白の問題、越境、即興」です。

3. 来月の予定
 来月は次のような項目を予定しています。
 3.1 趣 味
  「9 趣味」の「5. 演劇」に、今月見た「鳥の飛ぶ高さ」を、「7. テレビ・ラジオ」に「Jブンガク」載せたいと思います。
 3.2 リンク集
  「興味あるリンク」を、少しずつ追加したいと思っています。

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[Last Updated 8/31/2009]