みんなの広場
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改訂履歴とみんなの広場(バックナンバー)09に戻る

 アクセスされた方々との交流の場です。今月も次の三項目を取り上げました。先月の「みんなの広場」は「12 改訂履歴とみんなの広場(バックナンバー)」に移しました。
 2月は、寒い日と暖かい日が交互にやって来たと思います。それでも水が温(ぬる)んできた気がします。我が家から近い池上梅園の梅は盛りを過ぎましたが、27日のみぞれに濡れた花も良い眺めでした。
1.「今月の追加内容」など
 1.1 今月の追加内容
  今月追加した内容の、ご紹介です。
 1.2 新聞の記事から
  技術の進歩によって、ハンディキャップを克服する状況についての黒川創(くろかわそう)さんの記事「広がる言葉の世界にて」を載せました。
2. 2月のトピックス
 2月の主なトピックスをご紹介します。
 2.1 草津・万座スキー
  元勤めていた会社の山岳部現役とOBで、草津と万座へスキーに行きました。右の写真は草津スキー場の天狗ゲレンデを正面から写したものです。ゲレンデの上部は陰になっているためスキーヤーが見にくいです。
 2.2 グランデコ・スキー
  学校の同級生と、裏磐梯のグランデコ・スキー場へスキーに行きました。
 2.3 「加山又造」展
  六本木の国立新美術館に見に行きました。
3. 来月の予定
 今、来月に向けて計画していることを、お知らせします。

1. 「今月の追加内容」など
 1.1 「今月の追加内容」
 「8 ウオーキング・旅行」の「39 浅草名所七福神」は、先月(2009年1月)初詣で訪れたコースの報告です。
 「9 趣味」「5. 演劇」に「42 寿曽我対面」は、先月(2009年1月)に見に行った歌舞伎座正月公演夜の部のご紹介です。
 「11 興味あるリンク」には、「10.2 絵画」に「10.2.23 加山又造展」を、「11 趣味2−旅行」に「11.64 浅草名所七福神」を追加しました。前者は、この頁の「2.3 「加山又造」展」』の関連で、後者は、今月追加した同名のウオーキングとの関連です。

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 1.2 新聞の記事から 「広がる言葉の世界にて」 黒川 創
 人間の言語の働きが、新しい技術を通して、拡張していく。そのように実感させられるときがある。
                               ◎       ○       ◎
 コンピューターの画面上で、日本語の文章にカーソルを当てると、それぞれの単語について、次つぎに英語訳(もしくは、独語・仏語・露語訳)を表示してくれるプログラム(アドオン)がある。Firefoxというブラウザーに無料でインストールできる、「rikaichan(りかいちゃん)」である。
 非漢字圏の諸国出身で日本に暮らす外国人にとって、この仕組みは、日本語のリテラシー(読み書き能力)に、大きな変化をもたらしているようだ。学齢期に日本語を学ぶことなく、成人後に初めて来日した欧米人らに、「漢字」という"書き言葉"の存在は、つねに大きな壁だった。日常の会話なら、各自の努力や好奇心次第で、かなりの上達が実現できる。けれど、漢字だらけの日本語の書籍を自由に読みこなせるようになるのは難しい。こうした事情がもたらす"書き言葉"からの隔絶が、日本に暮らす多くの外国人を、文化的な孤立に閉じこめてきたことは疑えない。
 けれども、いまや、漢字が読めない外国人も、日本語の基本文法さえ覚えていれば、「りかいちゃん」を使って、かなり、すらすらと、その文章の"意味"を汲みとっていけるのだ。
 アイルランド人の49歳になる友人がいる。20年ほど前から日本(京都)に暮らしているのだが、彼は、どうしたわけか、明治期日本の「大逆事件」に興味を持った。とはいえ、学生時代は経済学を故国で専攻していたという彼にとって、百年前の文語調で漢字に満ちた日本語文献を、ほとんど独学で読みこなすには、たいへんな苦労が伴ったはずだ。にもかかわらず、ここ十年ばかりの電子メディアの飛躍的な発展にも助けられ、とうとう彼は、「大逆事件」の犠牲者の一人、大石誠之助の伝記を英文で書きあげた(Joseph Cronin "The Life of Seinosuke: Dr.Oishi and the High Treason Incident")。
 この事件で主要人物とされた幸徳秋水や大石誠之助は、米国をはじめ、海外にも渡航歴があった人物である。それらの足跡をしるす在外の欧文資料なども含め、初めて明らかになった諸事実による成果は大きい。国と言語の違いを生かした、こうした研究は、今後も続いて現れることになるだろう。
 同様の事例は、異言語間の関係だけに限らない。
                               ◎       ○       ◎
 免疫学者の多田富雄さんは、脳梗塞(こうそく)で、半身の麻痺(まひ)が残るとともに、"話し言葉"の声を失われた。だが、「トーキングエイド」という携帯型の音声発生装置を通して、人前の集まりなどでも、ご自身の考えを表明できる。また、キーボードで文章を入力し、病前に増して、旺盛に執筆もしておられる。
 ふた昔ほど前なら、こうした病状で肉声を失えば、その人の社会的生活は、実質的に終わったものとみなされていただろう。いや、それどころか、もはや、独立した意志ある人格としての十分な尊重さえ払われない、というのが実情だったのではなかろうか。
 これを思うと、いまに至る電子的テクノロジーの発展が、私たち人間という言語的生物の世界を、かなり大きく、押し広げてくれたのは確かだ。
 だが、さらに別の側面もあるだろう。

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                               ◎       ○       ◎
 全盲ろう(目が見えず、耳も聞こえない)の福島智さんという人が、東京大学の教授として、バリアフリー論などを教えておられることを私が新聞報道から知ったのは、つい最近のことである。9歳で福島さんは視力を失い、18歳で聴力も失った。それは、まっ暗で無音の深海の底に一人きりで取り残されたような、とてつもない孤独の揚所だと、語っておられた。
 いま、福島さんは、お母さんが思いついたという「指点字」で、周囲の人びとと意思を通わせる。失聴前に点字を習得していたことが、役に立った。介助者は、左右の三本ずつの指で、ピアノのキーを軽く叩くように、福島さんの手指に、点字を打つ要領でメッセージを伝えていく。これを受けとめ、福島さんは、自身の声で(自分には聞こえないのだが)それに答える。こうしたやりとりを介して、彼は大学などでの講義も行えるわけである。
 私は胸を打たれた。なぜだったのだろうか。ひとつには、自分がまったく知らない〈世界〉が、そこに開かれていたからだ。だが、それだけではない。もしも、ある日(81年1月)、お母さんが、思いついた「指点字」で息子に呼びかけてみるという、その一瞬の勇気と、いくらかのユーモアを発揮していなければ、福島さんは、海底のような孤独のなかに置き去りにされたままだったのである。
 技術を導くものは、いつでも、それに先だつ、たった一人の誰かの、強い願望なのだ。この事実に触れて、私たちは動かされるのではないだろうか。
 「応益負担」との建前で、障害者が必要とする福祉サービスについて、より多くの金銭的な負担を彼らに求めることには反対したい。彼らの社会参加によって、〈世界〉の豊穣(ほうじょう)さにしばしば気づかされる、そういう「益」を受けているのは、この私たちの側なのである。その事実を、言葉の恣意(しい)的な使いかたで、歪(ゆが)めてはいけないと思ってい る。

くろかわ・そう
作家。1961年京都府生まれ、同志社大文卒。著書に『イカロスの森』『明るい夜』『かもめの日』、共著書に『日米交換船』など。
(出典 日本経済新聞 2009年2月1日)

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2. 2月のトピックス
 2月の主なトピックスをご紹介します。
 2.1 草津・万座スキー
  大学時代の友人と共同で建てたヒュッテが北軽井沢の近くにあり、元勤めていた会社の山岳部の現役とOBで、泊まりに行くことが年中行事になりました。スキーは草津と万座へ車で行きます。今年は現役とOBがそれぞれ4名づつだったので、車2台でした。我々OBは2月12日にヒュッテに行き、水道、燃料などの確認や、布団干しをしました。今年は雪が少なく、途中の道も、分譲地内も殆どありませんでした。それでも着いたとき、室温は4℃でした。13日は草津に行き、その日の朝、東京を出た現役組と会いました。14日も草津ですが、朝、起きたときは雨が降っていました。幸運にも出掛ける頃には雨もあがり、陽(ひ)がさすようになっていました。前日は町営の地蔵湯(無料です)に、この日はゲレンデ前のベルツの湯(ベルツ温泉センター)に入りました。二日ともゴンドラがフルに使えたので、効率的でした。15日はヒュッテの後片付けをしたあと、万座に行きました。普段は雪のある万座の有料道路にも、雪はありませんでした。
 夜はコタツにあたりながら昔話に花を咲かせます。スキーも楽しいですが、気のあった連中と話をするのは、それにも増して楽しいものです。
 2.2 グランデコ・スキー
  大学時代の友人が、裏磐梯にあるグランデコのホテルの会員で毎冬、スキーに行っています。今年はBSAスキーのメンバー4名(夫婦一組と男性2名)を加えてもらいました。郡山まで新幹線で行き、会津線に乗り換えて猪苗代まで行きます。駅まではクラブバスが迎えに来てくれるので、約3時間で行くことができます。ホテルはなかなか立派で、22日から1泊でしたが、スキーを楽しむことができました。この時も二日目の朝は雨でしたが、じばらく待っていると、みぞれに変わり、やがて雪になりました。このゲレンデはゴンドラが1基ありますが、規模は家族向けだと感じました。
 2.3 「加山又造」展
  加山又造は戦後の日本画の巨匠です。六本木の国立新美術館では没後5年というこの時期に、回顧展が開かれました。エントランスには、雪・月・花という1978(昭和53)年制作の3部作が迎えてくれます。後は次の6章の展示です。第1章 動物たち、あるいは生きる悲しみ−様式化の試み、 第2章 時間と空間を超えて−無限の宇宙を求めて、 第3章 線描の裸婦たち−永遠のエロティシズム、 第4章 花鳥画の世界−「いのち」のかたち、 第5章 水墨画−色彩を超えた「色」、 第6章 生活の中に生きる「色」。 全体的に写実と抽象が程良くミックスされ、日本画の様式美も充分で、見ごたえのある展示でした。最後の第6章は着物や陶芸もあり、素晴らしい色と形でした。
 ホームページで絵が見られるので、あわせてご覧ください。

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3. 来月の予定
 来月は次のような項目を予定しています。
 3.1 本の紹介
  「5 本の紹介」に、向田直幹、匠秀夫 他著「ゴッホ巡礼」(新潮社 とんぼの本)をご紹介したいと思います。
 3.2 パソコン
  「9 趣味」「2. パソコン」「7. iMac」に、iMacを使いはじめて1年間と少し経ったのを期に、その後の感想をまとめてみたいと思います。
 3.3 リンク集
  「興味あるリンク」を、少しずつ追加したいと思っています。

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[Last Updated 3/31/2009]