浅草名所七福神

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 浅草には七福神が二つあります。名所七福神は隅田川の右岸にあります。観音様で有名な浅草寺(せんそうじ 雷門にある)から歩き始め、吉原の鷲(おおとり)神社まで反時計方向に歩きます。隅田川を溯り、吉原を斜めに抜けて、吉原神社、鷲神社と廻り、浅草に戻ります。雷門には、都営地下鉄浅草線の浅草駅からか、東京メトロの田原町から歩きます。ほとんどの建物は戦災で焼失し、再建されたものです。江戸時代の浮世絵にも、風景に描かれており、由緒のある寺社です。今回はコースから少し外れているため、矢先神社は省略しました。

浅草名所七福神コース         



詳しくは地図を参照して下さい。

1 浅草寺(せんそうじ 大黒天) 台東区浅草2-3-1
                    TEL. 03-3842-0181
 浅草吾妻橋から少し西に歩くと、大きな提灯のかかった朱塗りの雷門(門の名前であり、地名でもある)に出ます。門をくぐってみやげもの屋の並んだ仲見世を北に抜けて行くと、突き当たりが本堂です。
 大黒天は、少し雷門の方に戻った本殿に向かって右側の御朱印所の裏にあります(ただし正月のみで、普段は弁天堂に安置されているようです)。
 推古天皇36(628)年3月18日未明、今の隅田川に投網漁をしていた漁師の檜前浜成(ひのくまのはまなり)、竹成(たけなり)兄弟の網に一体の仏像がかかりました。豪族の土師真中知(はじのまなかち)は、それが尊い観音像であることを知り、深く帰依して自宅を寺とし、その観音像を奉安し、礼拝供養に勤めました。これが浅草寺のはじまりです。
2 浅草神社(恵比寿) 台東区浅草2-3-1 TEL. 03-3844-1575

 浅草寺本堂の向かって右側の少し下がったところにあります。元々浅草寺と同じ観音像を祀り、祖先神、郷土神とあわせて「三社権現社」として祀られました。明治の神仏分離令により「浅草神社」と改称されました。「三社祭」は江戸三大祭り(ほかに赤坂の日枝神社と神田の神田神社)として有名です。
 どっしりとした古い神殿は、国の重要文化財で、慶安2年、徳川家光の造営による権現造りです。あの凄まじかった空襲の中、幸運にも焼け残りました。 
3 待乳山聖天(まっちやましょうてん 毘沙門天) 台東区浅草7-4-1 TEL. 03-3874-2030

 浅草神社の裏手の東西に走っている道路は、言問通りです。この道を隅田川の方向に歩いて行くと馬道通りと交差し、信号に馬道と表示されています。なおも東進すると「言問橋西」と表示のある信号にぶつかります。前の信号を左折し、隅田川をすこし上る(この通りは江戸通りです)と右側が隅田公園で、間もなく左手に待乳山聖天が見えます。左の写真にあるような階段を登ると突き当たりに本堂があります。ご本尊は大聖歓喜天(喜天様)です。
 大根を交差させた図柄が石に彫られており、大根が沢山供えられています。大根は滋養豊富で、沢山食べて身体を大事にします。家庭円満、夫婦和合の願いで、子孫繁栄を意味しているとのことです。
4 今戸神社(福禄寿) 台東区今戸1-5-22 TEL. 03-3872-2703

 江戸通りの信号に戻り、暫く江戸通りから外れて真北に数分間進むと左手に今戸神社が見えて来ます。福禄寿は、社殿に向かって右側に安置されています。
 御祭神としては福禄寿の外に應神天皇(おうじんてんのう)、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、伊弉冉尊(いざなみのみこと)を祀っています。この二柱の神は日本の国土を創世し、諸神を産み山海草木をなしたといわれる、男女の神です。古くから産霊(むすび)の神として仰がれいます。従ってこの神社は縁結びの神社として、若いカップルのお参りが多いそうです。
5 橋場不動院(布袋尊) 台東区橋場2-14-19
  TEL. 03-3872-5532

 今戸神社から細い道を抜けて江戸通りに戻り隅田川に沿って北上し、橋場1のバス停を通り過ぎると、橋場2のバス停の左側に橋場不動院があります。天台宗です。本堂は弘化2年(1845)の建立で、この一角だけは空襲にもあいませんでした。良弁僧正が刻んだと伝えられるご本尊の不動明王は秘仏として拝むことができませんが、お前立のご本尊としての不動明王(鎌倉時代)は拝めます。大火焔を背負い、右手に大智の剣を持ち、貧瞋癡(とんじんち 三つの根本的煩悩)をくだき、左手には難伏の者をしばるための三昧の索(さく)を持っています。
6 石浜神社(寿老人) 品川区二葉1-14-16 TEL. 03-3784-1613

 江戸通りを北進すると白髭橋西詰の信号に出ます。左右に延びている道は明治通りです。この道を渡って少し北上すると、左側に石浜神社が現れます。聖武天皇の神亀元年(724)9月11日、勅願により鎮座され、以来千二百五十年余の歴史を持っています。東に隅田の大川、西に不治の山、北に筑波山が見られ、江戸時代は隆昌をきわめ、「江戸名所図会」にも収められています。「神明さん」と呼ばれ、市民の間でも信者は多かったそうてす。
 境内には真先稲荷、招来(おいで)稲荷、江戸、北野、妙義八幡、粟島水神、大工祖麁香(あらか)の摂末社、それと富士遥拝所などがあります。
7 吉原神社(弁財天) 台東区千束3-20-2 TEL.03-3872-5966

 少し疲れたのと、時間が12時を過ぎていたので、昼食を摂ろうと思ったのですが、適当なレストランがありません。明治通りには三ノ輪行きのバスが通っています。このバスに二駅乗ると泪橋に出ます。そこでレストランを探したところ、飲み屋のような店が見つかったので雑煮を食べました。食堂のおばさんに吉原神社に行く道を尋ねると「吉原を抜けていくのが早い」教えられました。そこで吉野通りを少し南下し、次の信号を右に曲がると、日本堤1の信号に出、さらに直進すると一葉記念館の近くに出ます。そこを左折すると吉原大門から来た道にぶつかります。そこを右折して少し歩くと、右側に吉原神社が現れます。
 五つの稲荷神社(玄[よし]徳稲荷社と廓の四隅の守護神である榎本稲荷社、明石稲荷社、開運稲荷社、九郎助稲荷社)が合祀されてできました。稲荷神である倉稲魂命(うかのみたまのみこと)と弁天様である市杵嶋姫命(いちきしまひめのみこと)が祭神です。
8 鷲神社(寿老人) 台東区千束3-18-7 TEL. 03-3876-1515

 吉原神社の西に公園があり、そこを抜けたところにあります。または国際通りの「鷲神社前」という信号の東側です。お酉様とも称され、毎年11月の酉の市は熊手の市で賑わいます。ここは「樋口一葉の足跡をたどる」というウオーキングでも訪れています。
 江戸下町を代表する神社で、開運、商売繁盛、家運隆昌、子育て、出世の神として崇敬されて来ました。ご祭神は天日鷲命(あまのひわしのみこと)です。天照大神が天の岩戸におかくれになり、天鈿女命(あまのうずめのみこと)が天の岩戸の前で舞を舞われたとき、弦という楽器を奏でた方です。 

参考書 「七福神巡礼」 室生朝子著 青弓社発行

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[Last Updated 2/28/2009]