みんなの広場
(2005年10月に移動)

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 改訂履歴とみんなの広場(バックナンバー)05に戻る

 アクセスされた方々との交流の場です。今月は次の三項目を取り上げました。先月の「みんなの広場」は「12 改訂履歴とみんなの広場(バックナンバー)」に移しました。

目 次 
 今年の秋は雨が多いようです。気温が大きく上下するので、風邪が流行っています。それでも読書にスポーツに、快適な季節です。
1. 「今月の追加内容」など
 1.1 今月の追加内容
  今月追加した内容の、ご紹介です。
 1.2 新聞の記事から
  最近読んだ記事の中で、ご参考になると思われるものをご紹介します。
2. 10月のトピックス
 10月の主なトピックスをご紹介します。
 2.1 無楽天陶芸展
  10月1日・2日、陶芸教室「無楽天」の展示会があり、仲間と出品しました。
 2.2 寸又峡旅行
  10月2日・3日、明治神宮テニスクラブの仲間と、寸又峡温泉に行って来ました。
 2.3 飛鳥・山の辺の道旅行(右の写真は飛鳥・甘樫の丘から見た飛鳥寺です[中央の寄棟(よせむね)の屋根です])
  10月16日〜18日NMC「歴史に学ぶ会」のメンバーと、飛鳥・山の辺の道に行って来ました。
 2.4 スパ・リゾート ハワイアンへの旅行
  常磐自動車道いわき湯本インターチェンジの直ぐ近くにあり、兄弟6名で行ってきました。
3. 来月の予定
 今、来月に向けて計画していることを、お知らせします。

1. 「今月の追加内容」など
 1.1 今月の追加内容
  「本の紹介」の「25 古代日本の文字世界」は、文字の無かった古代日本に、どのようにして漢字が入ってきたかをテーマにしたシンポジュウムのご紹介です。書き言葉として漢字が、どのように日本語に採り入れられたかがわかります。
  「6 私の愛読書」「5 村上春樹氏 ノルウェイの森ほか」の「村上春樹が語る」は、新聞インタビューの紹介です。
  「8 ウオーキング・旅行」の「9 飛鳥」の改訂は、今回の旅行の内、第1・2日目の「飛鳥」の追加です。

 1.2 新聞の記事から
 「二度目の揺れ」 堀江 敏幸

 「……はかなき者よ/人間とは何なのか、人間でないものとは何なのか、人間は影の夢……/だがときおり、まるで/高みから降りてくる光線のごとく、よろこびの/短い光がその生を美しくする、そして人間は知るのだ/そこはかとない甘美さを……」(ピンダロス)
                        ▽ ▽ ▽
 狭い路地の奥、日当たりの悪い三角地に建っていた木造モルタルアパートの、二階なかほどにあるもぐらでも困りそうな四畳半の片隅で、背を丸めるようにして読んでいた本の一節が、人声やざわめきを不意に断ち切り、私を見覚えのない真っ白な空間に連れ去っていった。自分はどこにいるのか。そして、縁もゆかりもない、遠い国の、遠い過去に生きた人物が記した言葉に心を揺さぶられているこの「私」とは、いったいだれなのか。
 人間がひとり生きていくうえで必要なことは、いまもむかしも変わらない。どんな国の、どんな時代であっても、私たちは、食べ、働き、愛し、愛され、休み、眠り、また食べることを繰り返してきた。太陽と月の運行にあわせた、規則正しくも退屈な日々をおなじように生きていた時代から、私たちの頭蓋(ずがい)の内側は、それ以降に流れた時の堆積(たいせき)に見合うだけの成長を、ほんとうに遂げてきたのだろうか。そんなことを考えただけで、背中に冷たい戦慄(せんりつ)が走った。
 先日、書棚の整理をしていて、学生時代に買ったまま20年近く閉じられていた、マルグリット・ユルスナールの仏訳による『ギリシア詩華集』を、懐かしさのあまりふと手にとってぱらぱら開いているうち、下線が引かれていたピンダロスの詩論にふと目がとまり、その瞬間、当時の日々の記憶が一挙によみがえってきたのだった。長大な序文や個々の作品の細部はもちろんきれいさっぱり忘れていたけれど、希有な作家がみずからの楽しみのためだけにこつこつと訳しためていたこれらの詩篇を、辞書を引きながらゆっくり読み進めていたあの部屋の空気や、脚が畳にめりこんでしまった机に向かう身体の傾きまでが生々しく思い出されて、本に込められた記憶の喚起力を、あらためて認識することになったのである。『ハドリアヌス帝の回想』という、文武両道のローマ皇帝の声を再現する重厚な一人称小説に打たれて、おそれ多くも卒業論文でこの不思議に雄々しい女性作家を扱ってみようと決心し、入手可能な資料にはすべて目を通そうと背伸びをしていた頃の話である。

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                        ▽ ▽ ▽
 1903年、ベルギーの旧家に生まれたユルスナールことマルグリット・ド・クレイヤンクールは、80歳を超えていたとはいえまだ頭脳明晰な現役作家で、久々の「新刊」となるその数百頁におよぶ訳詩集は、同時代の空気からひどく浮いたものに見えた。彼女の言いまわしを借りるなら、これらは昔日の画家たちが試みたのとおなじく、古代の作品を模写したり、大家の作品をデッサンすることで、より深くその創作の秘密に迫ろうとした成果だという。じっさい、先の皇帝の回想を書き進めていた時期に訳出された詩論は、彼の書棚を再構築するために、つまり皇帝の頭のなかの、表には出てこない知性の背景として活用されている。20世紀末の作家が、創作の言語を鍛えるために古代ギリシアの世界に没入していたという浮世離れした事実は、身近な日常における言葉さえ、油断するとすぐ粗雑に投げ出す傾向のあった当時の私にとって、かぎりなく費重な示唆に思われた。
 ユルスナールは、それらの詩篇に、不死への願いを、輪廻(りんね)を、永遠を読み、とりわけインド思想との関連を見ながら、わずか数行の断片しか遺されていない詩人と、幸運にもそのはとんどの作品が伝えられている詩人を、愛情において同等に扱う。生没年もはっきりとわからない詩人が、「いっさいが無、いっさいが虚無、いっさいが俗悪な喜劇だ。/われわれは混沌から生まれ出て塵となる」(パラダス)と短詩で詩っているように、数千年の時の流れでさえも、永遠に組み込まれればほんの一瞬にすぎない。「私」が生まれる前にも、死んだあとにも、時は流れ、世界は存在しつづけるのだ。肉が滅べばすぐさま永遠に流されてしまう運命のなかで、いま、生きている瞬間を、その瞬間ごとに生き抜く姿勢そのものにふくまれた「喜劇」と、それゆえの甘美さ。「友よ、さあ葡萄酒だ、葡萄酒にこそ真実がある……」(アルカイオス)と現世を謳歌しながら、背後に強烈な死の匂いをただよわせて生きること。不死の代償は、一度死ぬという体験にほかならない。まったき生を生き、まったき死を死んだものだけが、それを勝ちうるのだ。
                        ▽ ▽ ▽
 宙に舞い風にさらわれてたち消える塵(ちり)のようにとらえられている詩篇が、ギリシア・ラテンの知識などこれっぽっちもなかった私を湿った畳のうえから乾き切った白亜の土地へと連れ出してくれたばかりでなく、かっての倍の年齢に達した現在の私をふたたびあの場所に連れ戻して、あらたな揺さぶりをかけてくる。時を重ねて得られものもあれば、失うももあるだろ。そこで言う時の尺度に、絶対の基準がないからこそ生きることに意味があるのだが、嘆かわしくも俗世にまみれた私には、いまだこんな言葉を暗唱するだけの勇気がない。「飾りや気取りがなんの役に立とう?/私は裸で生まれ、裸で死んでいくのだ」

ほりえ・としゆき 1964年岐阜県生まれ。作家、明治大教授。著書に「熊の敷石」(芥川賞)、「雪沼とその周辺」(谷崎賞)、「もののはずみ」など。
(出典 日本経済新聞 2005.10.16)

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2. 10月のトピックス
 10月の主なトピックスをご紹介します。
 2.1 無楽天陶芸展
  V Age Club大森の仲間は、共通の趣味として陶芸を楽しんでいます。以前は茨城県のトップサンテの陶芸小屋に年に数回通って、轆轤を廻していたのですが、最近は池上の陶芸教室「無楽天」で月に二回程度陶芸にいそしんでいます。この教室の作品展が本門寺横の池上会館であり、一つの机を我々で受け持ちました。私はこの一年間で作った丼などの作品を出品しました。年々作るものが少しずつ大きくなり、2kg位の作品を作れるようになりました。
 2.2 寸又峡旅行
  寸又峡温泉は静岡経由で金谷に行き、そこから大井川鉄道のSLに乗り終点の千頭(せんず)まで行きます。さらに約40分バスに乗り、終点が寸又峡(すまたきょう)です。旅館の翠紅苑に荷物を置き、有志だけでプロムナード・コースのウオーキングに出掛けました。温泉街を抜け、寸又川を遡り、道標を越えて、飛龍(ひりゅう)橋まで歩きます。橋を渡ってから川の対岸を少し下ると、尾崎坂展望台との分かれ道にでます。急坂を下ると寸又川にかかった吊り橋に出ます。チンダル現象で緑に見える川を渡り元の道の道標の所で、往きの道と合流します。そこから宿までは一息です。
 旅館は風呂や食事も一流でした。翌日は湯本の町営風呂に入りました。気のせいか温泉が濃く感じられました。
 帰りは一度千頭まで戻り、今度はアプトラインで井川まで行きました。アプトラインというのは、一部路線の傾斜が急なため、歯形レールで登る方式です。井川ダムを見てから帰路につきました。まだ紅葉には早い時期でしたが、緑の渓谷美を楽しむことができました。
 2.3 飛鳥・山の辺の道旅行
  10月16日〜18日NMC「歴史に学ぶ会」のメンバーと飛鳥・山の辺の道に行って来ました。飛鳥には4年前に行っているのですが、たまたま飛鳥時代を勉強したので、皆にも現地を見て欲しかったからです。二日目は一時雨に見舞われましたが、あとは楽しい旅行でした。詳しいことは「飛鳥2」をご覧下さい。
 2.4 スパ・リゾート ハワイアンへの旅行
  昨年までは近くの観光地に行っていたのですが、今年は福島近くまで足を伸ばしました。常磐自動車道いわき湯本インターチェンジの直ぐ近くにあり、兄弟6名で行ってきました。
 ホテルはホテル・ハワイアンズ[6棟 和・洋室]とウイルポートがあり、テーマパークは蒲鉾型のプール(大プール、流れるプール等)、温泉(最上階の展望風呂、プール近くの風呂、露天風呂)などがあります。ショーとしてはフラダンス・ショー、ポリネシアン・ショー、マジック・ショー、影芝居があり、行った日の午後は、これらを楽しみました。
 二日目はオプショナル・ツアーで、バスに乗り、鮫川・やな場の見学、塩屋崎燈台、小名浜[いわきララミューでの食事])を楽しみました。
 交通としては東京駅、新宿駅、大宮からバスが出ており、坐って往復できました。

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3. 来月の予定
 来月は次のような項目を予定しています。
 3.1 5 本の紹介
  今月の「古代日本の文字世界」に続いて、平川 南編「古代日本の文字世界」(大修館書店)をご紹介したいと思います。
 3.2 飛鳥旅行
  飛鳥旅行の第3日「山野辺の道」を追加したいと思います。
 3.3 興味あるリンク
  毎月、少しずつ追加して行く予定です。
 

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[Last Updated 11/30/2005]