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アクセスされた方々との交流の場にしたいと思い、2000年9月から、新たに設けた「みんなの広場」です。今月は次の三項目を取り上げました。先月の「みんなの広場」は「12 改訂履歴とみんなの広場(バックナンバー)」に移しました。
目 次
5月は多少、気候が安定しませんでした。それでも若葉に充ちあふれ、旅行には最適の季節となりました。
1. メールと雑誌の記事から
友人の茨木一郎君から貰ったメールと、雑誌の記事です。
2. 5月のトピックス
5月の主なトピックスをご紹介します。
2.1 鎌倉スケッチ旅行
一緒に油絵を描いている仲間11人で、初めて泊まりがけの旅行に行きました。右の写真はスケッチと見学に立ち寄った鎌倉文学館です。
2.2 ジャズ・バー「佐和」でのライヴ
NMCとV Age Clubのジャズ仲間と、大森「佐和」のライヴに、行ってみました。
2.3 団菊祭5月大歌舞伎
上の姉と歌舞伎座に行って来ました。
2.4 フランス旅行
フランス留学のOBの親睦団体SABTECH主宰のフランス旅行に家内と参加します。内容は来月になります。
3. 来月の予定
今、来月に向けて計画していることを、お知らせします。
1. 友人からのメールなど
今月は友人の茨木君から貰ったメールと、目に触れた雑誌の記事をご紹介します。
1.1 絵画作品集
鈴木 靖三様 03.04.30. 茨木 一郎
[前略]
ついでに希望を一つ。
これもこちらだけの問題かも知れませんが、絵画作品集を個別にクリックすると ページの表示が微妙に大きく、コメントを読むために 一枚毎にスクロール(それもほんの少しだけ)を要します。絵の回りには十分スペースがあるので全体を少し小さくしたら如何でしょう?
絵のサイズが丁度良くて開くのに時間がかからず、発色も(実物より?)奇麗で良いと思います。
[対応]
このご意見を元に絵の左右に説明文や戻り先を入れたところ、殆どスクロールせずに済むようになりました。
茨木君からも見易くなったとのメールを貰いました。
1.2 「生命の回復」 多田富雄
一昨年の5月、私は突然脳梗塞で倒れ、3日の間、死線を彷徨(さまよ)った。気がついたときには右半身が完全に麻痺していた。その瞬間から言葉もいっさいしゃべれなくなつた。
全く突然の、信じられない異変だった。私はおしゃべりではないが、人と談笑するのは好きだった。それが一言もしやべれない。途方にくれた。
今でも夢でないかと疑うことがある。でも残念ながら夢でない。診断は仮性球麻痺による重度の構音障害で、言葉のほかに嚥下機能も侵され、食事ばかりか水も飲めない。もうそろそろ2年というのに、朝夕チューブを入れて水分を補給している。体のほうはリハビリで幾分よくはなったものの、いまだにしゃべること、水を飲むことは全くできない。杖を突いて、肩と腰を支えられて、50メートル歩くのがやっとだ。筆舌に尽くせないほどの苦痛がまだ続いている。
誰かに起こりうることは自分にも起こる。突然の不幸に苦悩し、絶望して一時は自死まで考えたが、今ではせっせとリハビリに通っている。
私の麻痺は重度だから、いくらリハビリをしても回復はおぼつかない。脳の一部は死んでしまったのだ。神経細胞が二度と再生しないのは、よく知られた事実である。
入院中は毎日のスケジュールに従っていればよかったが、退院後のリハビリはつらい。週4日、雨の日も雪の日も、妻に車椅子を押させて病院に通う。そして強制的な機能訓練だ。
私は一生懸命やっているつもりだが、なかなか歩けるようにはならない。こんな苦しいリハビリの訓練を続けるのは何故だろうかと、時々考える。リハビリなんかやめて、電動車椅子にバリアーフリーの部屋、介護保険などを使って、安楽に暮らせばいいではないか。
でも私はそうはしないつもりである。いくらつらくても、私はリハビリを楽しみにしている。週に4日間、歩行訓練と言語機能回復のために、病院に通うのが日課になった。私にも家人にも大変な負担だ。そんなことをしても、目立って良くなる気配は見えない。エンドレスの、不毛の努力をなぜ続けているか。
その理由を書こう。
私には、麻痺が起こってからわかったことがあった。自分では気づいていなかったが、脳梗塞の発作のずっと前から、私には衰弱の兆候があったのだ。自分では健康だと信じていたが、本当はそうではなかった。安易な生活に慣れ、単に習慣的に過ごしていたに過ぎなかったのではないか。何よりも生きているという実感があっただろうか。元気だというだけで、生命そのものは衰弱していた。毎日の予定に忙殺され、そんなことは忘れていただけだ。発作はその延長線上にあった。それが死線を越えた今では、生きることに精いっぱいだ。もとの体には戻らないが、毎日のリハビリ訓練を待つ心がある。体は回復しないが、生命は回復しているという思いが私にはある。いや、体だって、生死を彷徨っていたころに比べれば少しはよくなっている。
今日はサ行の構音が幾分聞き取れたと言語療法士が言つたとか、今週は麻痺した右の大腎筋に力がはいっていたと理学療法士にほめられたとか、些細なことが新しい喜びなのだ。リハビリとは人間の尊厳の回復という意味だそうだが、私は生命力の回復、生きる実感の回復だと思う。
まだ一人で立っていることさえままならないが、目に見えない何かが体に充ちてきている。目に見える障害の改善は望めない。でも、何かが確実に回復していると感じる。どうもそれは、長年失っていた生命感、生きている実感らしい。
顕微鏡に微動蝶子(ねじ)というのがついている。一回転で何十分の一ミリほど鏡筒が進んでピントが合う。肉眼では見えぬ速度だ。その微動蝶子と同じように、見えない速度で確実に回復していくものを感じるのだ。
生命力の回復なんて、どうもそのようなものらしい。長い冬の間に、目に見えない力が樹木に充ちてきて、いつの間にか芽になつている。莟(つぼみ)さえも膨らんでいる。その花だって「遅速あり」と古人は言った。その力は誰にも見えない。
ましてや私の場合は、脳神経が侵されたのである。症状はよくなるはずはない。毎年咲く花とは違う。でも長年失っていた生命力が見えない速度で充実し、回復しようとしているのを感じている。そんな力は、皮肉なことに体が丈夫なころは感じることはなかった。
つらいリハビリに汗を流し、痛む関節に歯を食いしばりながら、私はそれを楽しんでいる。失望を繰り返しながらも、体に徐々に充ちてくる生命のカをいとおしんで、毎日の訓練を楽しんでいる。
(出典 論座 2003.6月号 [ロッキングチェア: 朝日新聞社])
多田先生のご著書「免疫の意味論」はこのホームページの「本の紹介」で採り上げています。イタリア旅行の楽しい紀行文など、先生の著書には、日頃から親しんでおります。一日も早く回復されるようお祈りします。
2. 5月のトピックス
5月の主なトピックスをご紹介します。
2.1 鎌倉スケッチ旅行
今年でサークル・トライの油絵グループ展も第5回を迎え、スケッチと親睦を兼ねた一泊旅行を計画し、11人が参加しました(宿泊は8名)。雨の心配もあったので、由比ヶ浜から近い鎌倉文学館と、腰越漁港から見た江ノ島をスケッチしました。第2日は雨も止んだので江ノ島の観光をしました。江ノ島神社、サミュエル・コッキング苑、岩屋の三ヶ所に行きました。前の二つは丘の斜面を登る必要がありますが、エスカーという3段のエスカレーターがあり、楽に登れます。岩屋はすっかり整備され、ローソクの光を頼りに奧まで行くことができます。我々のグループには年輩の方が多いのですが、心配した事故もなく楽しい旅でした。
2.2 ジャズ・バー「佐和」でのライヴ
先月初めて行った大森のジャズバー「佐和」に、NMCの荒川さん、V Age Clubの三宅川さんとライヴを聴きに行きました。先月はファミリーでの演奏でしたが、今月は若手のジャズメン(内一人は女性)の演奏でした。メンバーは次の通りです。
矢野 沙織(as)、井上 祐一(p)、黒田 勉(b)、力武 誠(ds)
なかなかの力演で、特にドラムとアルト・サックスがよいとの評価でした。地元で、このような演奏を聴けるとはありがたいことです。
2.3 団菊祭5月大歌舞伎
下の姉が行かれなくなったので、上の姉と夜の部に行きました。
暫(しばらく)、梅雨小袖昔八丈(つゆこそでむかしはちじょう → 文七元結[ぶんしちもっとい])とかっぽれの三本です。明治の名優、九代目市川団十郎と五代目尾上菊五郎の没後百年の記念公演です。左團次、菊五郎、団十郎などが出演しました。
2.4 フランス旅行
今回のフランス旅行は、ノルマンディーとブルターニュで、次のコースを予定しています。
Rouen (1泊)一Cabourg (1泊)一Caen(l泊)一St-Malo (1泊)一Rennes (1泊)→Nantes (2泊) → パリ(1泊)
SABTECH主宰の旅行に参加するのは初めてですが、同期の岡部、山本夫妻も参加するので楽しい旅になると期待しています。
3. 来月の予定
来月は次のような改訂をしたいと思っています。
3.1 村上春樹 ロングインタビューの追加。
3.2 近現代史
外務省作成資料「日本外交の過誤」をほぼ読み終えたので、その紹介をする予定です。
3.3 ウオーキング・旅行
来月も上の姉が書いた「北海道(利尻-礼文-稚内)の想い出」の続き。
また間に合えば「フランス旅行-ノルマンディーとブルターニュ」も載せたいと思います。
3.4 興味あるリンク
今後も、少しずつ追加したいと思います。
3.5 古いページの更新
毎月、少しずつ更新して行こうと思っています。
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[Last Updated 7/31/2005]