図説 東京お墓散歩
 

目 次

1. まえおき
2. (本の)目次     
3. あとがき
4. 著者紹介
5. 読後感



工藤寛正
(株)河出書房新社

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1.まえおき
 私の趣味にウオーキングと歴史、特に近代史があります。本も好きなので、区立図書館には毎週1回以上は出掛けます。そこで見つけたのがこの本で、私の二つの趣味に合っています。
 本門寺が家から近いので、時々行くのと、このところ毎年正月には七福神巡りをしています。更に青山墓地にも行ったことがあり、そのうち行ってみたいと思っていたところでした。
 早速本門寺に行き本を片手に歩いてみて、その記述が正確で、適切なのに感心しました。

2. 本の目次
        第l部●名刹篇………5

             徳川将軍家の霊廟 1 増上寺と芝公園の寺を歩く[港区]………6
         香華の絶えない義士の寺 2 泉岳寺と高輪の寺を歩く[港区]………8
          芸能人の華やかな墓碑 3 長谷寺墓域を歩く[港区]………12
        明治の元勲・政治家らが眠る 4 護国寺と大塚の寺を歩く[文京区]………16
      徳川家の夫人らの大きな五輪塔 5 伝通院と小石川の寺を歩く[文京区]………24
           清楚な感じが漂う墓域 6 吉祥寺と向丘寺町を歩く[文京区]………28
             徳川将軍家の墓所 7 寛永寺墓域を歩く[台東区]………36
           江戸と東京が混在する 8 天王寺墓域を歩く[台東区]………38
         振袖火事の犠牲者を葬る 9 両国回向院の墓域を歩く[墨田区]………42
           沢庵和尚の巨刹だった 10 東海寺と南品川界隈を歩く[品川区]………44
 民衆に親しまれた祐天上人ゆかりの寺 11 祐天寺墓域を歩く[目黒区]………50
            関東最古の不動霊場 12 目黒不動尊(瀧泉寺)界隈を歩く[目黒区]………52
    福岡藩祖黒田長政の巨大な五輪塔 13 祥雲寺墓域を歩く[渋谷区]………54
 歌舞伎界の大御所や幸田露伴らが眠る 14 池上本門寺墓域を歩く[大田区]………58
              清楚な感じの墓域 15 浄真寺と満願寺を歩く[世田谷区]………64
         幕末の激動の歴史を証す 16 豪徳寺と松陰神社を歩く[世田谷区]………68
     海音寺潮五郎・樋口一葉らが眠る 17 和田堀廟所界隈を歩く[杉並区]………72 
          「山吹の里」故事の舞台 18 南蔵院と鬼子母神界隈を歩く[豊島区]………76
              正岡子規らが眠る 19 大龍寺と田端界隈を歩く[北区]………78
              圧巻の大名家墓碑 20 広徳寺と豊島十一ヵ寺を歩く[練馬区]………80
 安政の大獄の犠牲者らの供養碑がある 21 千住回向院界隈を歩く[荒川区]………84
            梨園の名優の墓石群 22 大雲寺墓域を歩く[江戸川区]………86
        森鴎外一家と太宰治が眠る 23 禅林寺墓域を歩く[三鷹市]………88

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         第二部 ●寺町篇………91

    荻生徂徠一族や勝新太郎らが眠る 24 三田の寺町を歩く[港区]………92
      福沢諭吉らが眠る国際色豊かな 25 麻布界隈の寺院を歩く[港区]………94
              江戸の風情を残す 26 四谷の寺町を歩く[新宿区]………98
葛飾北斎・伊能忠敬ら江戸文化の綺羅星が輝く 27 浅草界隈の寺町を歩く[台東区]………102
     「非常の人」平賀源内の墓がある 28 今戸・橋場の寺町を歩く[台東区]………110
        坂道をたどりながら散策する 29 谷中の寺町を歩く[台東区]………112
          歴史のゴールデンコース 30 深川の寺町を歩く[江東区]………120
 静閑な住宅街の中の増上寺塔頭八ヵ寺 31 上大崎の寺町を歩く[品川区]………124
            武蔵野の面影を残す 32 北鳥山の寺町を歩く[世田谷区]………126
     一歩墓域内に入ると閑寂な別世界 33 上高田の寺町を歩く[中野区]………130
 文豪芥川龍之介・谷崎潤一郎らが眠る 34 巣鴨・駒込の寺町を歩く[豊島区]………134
      眺望の飽きない「日暮らしの里」 35 日暮里の寺町を歩く[荒川区]………140

         第三部 ●霊園篇………143

    明治維新の功労者・文豪らが眠る 36 青山霊園[港区]………144
        JR沿線崖上のサクラの名所 37 谷中霊園[台東区]………152
   夏目漱石・泉鏡花・永井荷風らが眠る 38 雑司ヶ谷霊園[豊島区]………156
            ソメイヨシノ発祥の地 39 染井霊園[豊島区]………160
      武蔵野の自然をのこす公園墓地 40 小平霊園[小平市・東留米市]………164
  著名人の墓が多い大規模な公園墓地 41 多磨霊園[府中市]………168

 あとがき………176
 参考文献………177

 ◆人名索引………1
 ◆寺社・霊園索引………12
 著者略歴

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3. あとがき
 探墓を始めてから三十数年の歳月が過ぎた。当初の動機は単純なものであった。日本歴史シリーズの「江戸時代」編の編集を担当し、都内に残る江戸時代の遺跡を求めて歩いた時のことである。往時の面影をそのまま伝える史跡は皆無に等しかったが、ふと訪ねた寺院の墓地で江戸時代の著名な人物の苔むす墓碑に出会った。″墓碑だけは往時のまま遺っている"というこの時の感動が忘れられず、以後、休日ともなればカメラを担いで、寺院や霊園を歩き回った。こうして撮影した墓碑が集まれば、集まる程、さらに一人でも多くの歴史上の著名人が生きた証しを集めたくなり、都内ではすでに数千を超える人物と出会ってきた。全国では万を超えている。しかし、あらゆる分野で活躍した人物を集めても際限がない。現在では近代文学のジャンルに絞って全国へ飛び出し、千五百名を超える文学者に出会った。今も資料を集め、さらなる文学者と会える新たな機会を狙っている。
 探墓を始めたいと思う人は、まずは霊園を歩くことを勧めたい。霊園によっては、著名な埋葬者の案内図を発行しており、一日訪ねただけでかなりの著名人墓碑と出会える。そうなれば、さらに違った墓碑を求めて歩さたくなるので、この時はできればコンパクトな人物事典などを携帯すると効果的である。案内図以上の新しい発見があるかもしれない。現在、デジタルカメラが普及しているので、それで撮影した墓碑をパソコン処理すれば、自分個人の″墓碑人物事典″をつくることができ、楽しさも倍増する。それも、まずは寺院や霊園を訪ねる、第一歩からである。
 本書では名刹を中心とする寺院をめぐるコース、寺町に建ち並ぶ寺々をめぐるコース、都営霊園をめぐるコースの三部編成として、合計41コースを選定し、歴史上著名な人物の墓碑を訪ね歩いた。これらを選定するにあたっては、JR・私鉄・地下鉄などの一駅で下車し、そこから歩く約半日コースとした。コースから除かれた寺々には、今回掲載した数を上まわる著名人の墓碑が残されている。機会があれば、これらの墓碑を紹介したいと思う。
 なお「お墓めぐり」 「お墓見学」などという言葉は便宜上のものであって、やはり正確には「お墓参り」である。墓所は先祖の霊を慰める聖地である。寺院を訪ね、墓所をめぐる時には、一般の参拝者やお寺岡係者に迷惑をかけないように心がけたい。特に「檀家以外はお断り」という寺院もあるので、必ず庫裡に来訪の目的を告げて、許可を得てからお参りするようにしよう。寺院によっては親切な住職や大黒さんが、わざわざ墓所まで案内をしてくれることもある。墓前ではまず合掌するという最低限のマナーは守ってほしい。
 最後に、取材にあたって心よく応じてくださいました各寺院の方々に、篤くお礼申し上げます。     合掌。

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(付記)
 本書が上梓できたのは、長年、お付き合いいただいている前静岡県立大学教授で現在常葉学園大学教授の金両基先生が、常に「趣味の範囲に終わらせずに、必ず一書にまとめては」と助言や激励をくださり、その上、河出書房新社編集部の中間洋一郎氏への仲介の労をとっていただいた結果で、ついに三十年の成果が実ることになった。この場をかり、金両基先生と中間氏に、深甚の謝意を表わす次第です。
               六義庵にて              2002年9月吉日

4.著者紹介
工藤寛正(くどう ひろまさ)
 1941年、神奈川県川崎市生まれ。筆名岩井寛。長い間雑誌編集に携わり、雑誌「歴史と旅」編集長を経て文筆業に。著書に『作家臨終図会』(徳間書店)、『週末計画 作家の墓を訪ねよう』(同文書院)、『作家の臨終・墓碑事典』(東京堂出版)、「別冊太陽−−一度はお参りしたい、あの人のお墓」(共著、平凡社)の他、歴史関係の著書など。

5. 読後感
 この手の本は読むだけでなく、本を片手に実際に歩いてみることにより、本当に役に立つのだと思います。とりあえず本門寺を歩いてみて、その実用性を確認したので、あとは時間を掛けて一ヶ所づつ確認して行きたいと思っています。

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[Last updated 8/31/2003]