みんなの広場
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 アクセスされた方々との交流の場です。今月も次の3項目を取り上げました。先月の「みんなの広場」は「11 改訂履歴とみんなの広場(バックナンバー)」に移しました。
 4月は、月末になって、やっと暖かくなりました。それまでは、昼間は暖かくても、夕方からは寒くなることがあるので、外出時の衣服に気を使いました。
 やっとバラが、満開になりました。
1. 今月の追加内容など
 1.1 今月の追加内容
  今月追加した内容の、ご紹介です。
 1.2 新聞の記事から
  今月はノンフィクションライター城戸久枝さんの「夫の祖国」という記事を載せました。
2. 4月のトピックス
 4月の主なトピックスをご紹介します。
 2.1 オペラアリアの夕べ
  4日、NMCのオペラアリアの夕べを家内と聴きに行きました。
 2.2 東京駅のスケッチ
  10日、油絵の仲間と、復原工事が終わった東京駅のスケッチに行きました。右の写真は南ドームを中央郵便局の前から撮ったものです。
 2.3 コーラスグループ・森の会発表会
  30日、コーラスグループ「森の会」の発表会を蒲田のアプリコ小ホールで開きました。
3. 来月の予定
 今、来月に向けて計画していることを、お知らせします。

1. 今月の追加内容など
 1.1 「今月の追加内容」
  「6 私の愛読書」『10 司馬遼太郎氏 「韓のくに紀行」ほか』「9. 本の紹介」に「9.2 「台湾紀行(街道をゆく 40)」」を追加しました。これは、先々月(2013.2.24〜27)訪れた台湾旅行との関連です。
 「8 ウオーキング・旅行」「60 台湾旅行」の台北市内観光に追加した地図は、観光した場所を確認するためのものです。
 「11 興味あるリンク」には、「1 役にたつホームページ」に「1.23 東京駅復原工事」を、「16 人」に「16.25 城戸 久枝」を追加しました。前項はこのページの2.2項の記事、後の項は1.2項の記事との関連です。

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 1.2 新聞の記事から
   「夫の祖国」
  城戸 久枝
 その人に会ったのは、2010年7月のことだった。中国残留孤児の老後問題を取材していた私は、友人の父親であり、病で倒れた妻の介護をしている彼の話を聞くために、東京都江戸川区の自宅を訪ねた。がっしりした腕に、つやのいい肌をしている。「お若いですね」と声をかけると、彼は首を横に振った。
 「中国では8回も家が変わった。人間じゃないような生活だった。12歳から石炭背負う仕事をして、今背骨は全部壊れてしまったよ。腰も痛い、膝も痛い。体ボロボロですよ」
 彼の名は小林栄一さん、71歳(当時)。残留孤児となり、中国人の家をたらい回しにされ、12歳から働いた。小学校にも通えなかったため、読み書きはできないが、多くの人に慕われ、村長をつとめるほどだった。
 1985年12月19日、家族を連れて帰国した後も苦労は続く。
 「思い出したら、本当に苦しいんだよ。日本に帰ってきたのに、日本人じゃないといわれる。なんで俺たちはこういう風になるんだよ。言葉できない、仕事できない。本当に人間じゃないような扱いだったよ」
 彼の日本語は力強い。字の読み書きができない彼にとって日本語の勉強がどれほど大変だったか。友人曰く、「責任感が強く、温かい心の持ち主」。言葉に苦労しながらも、生活保護を受けることなく定年まで働いた。子供に迷惑をかけたくないと、家事も介護も一人でこなしている。
 私は話題を妻の介護に移した。彼が体調を崩し、妻を老人ホームに入れたことがあった。妻は中国人だからと差別された。言葉も文化も違うから、日本人の中で暮らすのは難しい。でも持病を抱える自分の体力がいつまで続くか不安だという。話を聞き終えたところで、友人が言った。
 「お父さん、昔のこと、もっと話したいんじゃない?」
 私は妻の介護のことを聞くために彼に会いに来た。でも彼は違った。自分の半生を語りたいという思いがあふれていた。「2、3日じゃ終わらないよ」と彼は笑う。中途半端な気持ちで聞けないと思った。改めて会う約束をして、取材を終えた。
 あれから3年近く経った。
 今月16日、東京の衆議院議員会館で中国残留孤児の配偶者への支援を求める院内集会が聞かれた。
 2008年4月から始まった中国残留邦人の新たな支援策により、生活保護に追いやられていた残留孤児たちの生活は大きく変わった。しかし、全てが解決したわけではない。特に残留孤児が亡くなったあと、配偶者が支援策を受けることができないという切実な問題があった。
 「孤児以上に苦労して孤児を支えてきた配偶者は、単なる中国人ではなく孤児を支えた恩人です」
 中国残留孤児国家賠償訴訟原告団全国連絡会代表の池田澄江さんは開会のあいさつで言った。
 中国残留孤児ら400名以上が集まり、会場は熱気を帯びていた。私も知り合いと再会し、元気でよかったと安堵した。しかし、一方で思う。彼らは元気だから外に出てこられるのだ。体調を崩し、部屋に引きこもる人はどれくらいいるのだろう。
 小林さんの姿は会場になかった。妻の病気が重くなり、入院中だという。彼の介護生活は今も続いている。
 夫の祖国で、苦難の人生を共に歩んできた妻を、彼はどんな思いで介護しているのか。
 近々彼に会いに行くつもりだ。   (きどひさえ ノンフィクションライター)
(出典 日本経済新聞 2013.4.23 夕刊)

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2. 4月のトピックス
 4月の主なトピックスをご紹介します。
 2.1 オペラアリアの夕べ
  NMCでは年に1回オペラアリアの夕べを催しています。今年も二期会の二人の歌手(菊池美奈さん[ソプラノ]と斉木健詞さん[バス])とピアニスト(丹生谷佳恵さん)による演奏会がありました。普通の会と違って狭いホールで演奏するため、身近に聴くことができます。前半は独唱が多かったのですが、後半は「見果てぬ夢〜ドン・キホーテ物語」という題で動きのある二重唱が多く聴かれました。
 2.2 東京駅のスケッチ
  復原工事については先月も書きましたが、今回は東京駅のスケッチです。前回の勉強と先生の助言により、南ドームを描くことにしました。あまり近いと描きにくいので、道を渡った中央郵便局の前から描きました。駅の設計は辰野金吾さんだそうですが、首都の中央駅の名に恥じない素晴らしい造形だと思います。いま油絵を起こしているところですが、この素晴らしさを表現できればと思っています。
 2.3 コーラスグループ・森の会発表会
  コーラスグループ「森の会」のメンバーは現在9名です。1〜2年に1回、発表会を開いています。今回も蒲田のアプリコ小ホール(大田区の設備)で開きました。全員による合唱、男女それぞれの重唱、個人の斉唱とフルートとピアノの2重奏を行いました。数ヶ月前から練習をしてきたのですが、期日が迫ってくると、まだまだ練習が足らないような気がしました。聴きに来たお客様から「暖かな印象が良い」とのお言葉を戴いて、うれしくなりました。

3 来月の予定
 3.1  ウオーキング・旅行
  「目黒−行人坂」を載せたいと思います。
 3.2 油絵
  昨年(2012年)10月中旬に開いたグループ展に出品した油絵の4点目をご紹介したいと思います。
 3.3 リンク集
  「興味あるリンク」を、少しずつ追加したいと思っています。

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[Last Updated 5/31/2013]