ま、まぶしいっ!! 

明るい光が・・・な、何よ? 

せっかくご主人様と楽しい・・・え? 

光の調節がついて・・・目の前が見えるように・・・ 

ご、ご主人様?ご主人様の・・・顔が・・・目の前・・・に!? 

 

「・・・ティア・・・」 

 

嘘?嘘? 

目がなれてきた・・・ 

これは夢・・・なんかじゃない・・・ 

ここは物置・・・私が収納されてた・・・ 

ご主人様が・・・箱の蓋を・・・持ってる・・・外して・・くれた!?

 

「大丈夫かいティア?」 

 

ご主人様!

と叫ぼうとしたけど、 

声が出ない・・・ううう・・・・・

 

「・・・まったくひどいことするなあルージュは、気づいてないと思って・・・」 

 

私の股間から何かを引きずり出す・・・ 

それは・・・ネズミ型掃除ロボ・・・ああ、思い出したわ・・・ 

 

「ティア、ごめん・・・その、ルージュの体に溺れて、収納命令出しちゃって・・・もう大丈夫だよ」 

 

ご主人様が、助けてくれた!? 

 

「充電しなきゃね・・・よいしょ」 

 

私を箱から出してかつぐご主人様、 

大変そう・・・そりゃあ重いもの・・・ 

でも必死でかついで物置から這い出る・・・ 

うう、私のからだが動かないばっかりに・・・ 

そのまま廊下へ・・・ああ、懐かしい・・・何もかも・・・ 

 

「も、もうちょっと、我慢して・・・うっく・・・」 

 

私をひきずって運んでくれている・・・ 

 

「あれ?マスター、ティア出したのー?」 

「ごしゅじんさまぁ〜、手伝いますぅ〜」 

 

視界にミュウちゃんが入った、

もう一人の声はキスティね・・・久しぶり・・・ 

 

「ぐうっ・・・だ、大丈夫・・・僕が・・・運びたいんだから・・・」 

 

心配そうに見つめるミュウちゃん、 

キスティも同じでしょうね・・・そして・・・ 

私の部屋の前まで来た・・・中は・・ああ、あの時のままだわ・・・ 

 

「よい・・・しょっと」 

 

ベット型充電器に入れられた私・・・ 

ああ、エネルギーが送り込まれてくる・・・ 

全部、捨てずにとっておいてくれたのね・・・ああ、ああ・・・!! 

 

「ティア・・・早く元気になってね・・・」 

 

ちゅっ 

 

私の唇に軽くキスして部屋を出ていくご主人様・・・ 

 

「・・・・・ぁりがとぅござぃます・・・」 

 

かろうじで出せる声をあげると、 

振り返って微笑むご主人様・・・ 

ああ、あの笑顔が・・・見たかったの・・・・・ 

 

 

 

 

 

ピッ 

2100年8月2日PM7:08

ピッピッ 

SOMY アンドロイド57968−799CSS

ピッピッピッ 

メイドロボ ティアラ

ピッ・・・ピッ 

愛称「ティア」・・充電完了、起動します・・・

・・・ピッ 

 

ふああ・・・ぐっすり眠ったわ・・・ 

んっ・・・あ、お夕食の準備しなくっちゃ! 

もうこんな時間・・・って、あれ?あら?はて?うーん・・・

 

そ、そうだわ!私・・・私、収納されてた! 

それを・・・3ヶ月でご主人様に出してもらえた・・・ 

もうすっかりあきらめてたのに・・・そうだわ、ご主人様に会わなくっちゃ! 

 

急いで部屋を出る私、 

居間に向かうと・・いた!いらっしゃったわ! 

ご主人様が・・・ご主人様が・・・ご主人様がああ!!! 

 

「ご主人様あああ!!!」 

「ティア!」 

「ご主人様あ!ああ、ありがとうございますううう!!!」 

「ティア、体、大丈夫?」 

「はい!ご主人様、ご主人様あ!!」 

 

ご主人様の胸で号泣する私・・・ 

ああ、涙が出る・・・嬉しい・・・涙が出るくらい・・・ 

そして、涙が出ることが嬉しい・・・あああ・・・ご主人様・・・・・!!

 

「ティ、ティア、よかったですわね」 

 

声をかけたのはルージュ・・・ 

思わずキッ、とルージュをにらむ私・・・ 

しかしハッとしてご主人様の胸にまた顔をうずめた・・・ 

 

「ティア、おかえり」 

「はいぃ・・・ご主人様ぁ」 

 

そそくさと出て行くルージュ・・・ 

ああ、ご主人様の元に戻れた・・・嬉しい・・・ 

 

「その、ティア」 

「・・・はい、ご主人様・・・」 

「実は、渡す物があるんだ」 

「・・・はい?」 

「これを・・・」 

 

目をこすりながらご主人様の持っている物を見る、 

そこには「SOMY」のロゴの黒い小箱が・・・? 

 

「実は、この前、ティアの中の精子が受胎したっていう知らせが来たんだ」 

「・・・えっ!?」 

「多分、最後のあの夜の・・・それで、あわててヴァージョンアップを発注して、ティアを出したんだ」

 

う、嘘?だってあの最後の夜の精液は、 

ルージュが壊れた掃除機ロボで全部かき出したはずだし、 

本部との接続すらしてないから、転送もされていないはずなのに・・・ 

 

「ほら、子供が出来た分のお金は、そのメイドロボのヴァージョンアップに使うって決めてたから・・・」

「は、はい・・・」 

「でも実は、お金が振り込まれる前に借金して買っちゃったんだけどね、利子分ぐらいは残るし」

 

・・・なぜ? 

どうしてご主人様の精液が転送できたの? 

あの夜以前にご主人様が抱いてくださったのはもう相当昔・・・

 

「マスター♪夕飯できたよー♪」 

「後にしてくれないかな」 

「はーい♪精のつくものいっぱいあるからねー♪」 

 

キスティがポニーテールを揺らして出ていった・・・ 

 

「・・・・・あ!!」 

「ど、どうしたんだい?急に」 

 

そうだわ・・・ 

私はVTRを再生する・・・ 

ご主人様に抱いてもらった前日・・・!! 

 

 

 

「あぎゃ!ぎゃひゃ!ひゃぎぎいいぃぃぃ・・・・・」 

「マスター、すごいでしょー?あんまりすごすぎて、負けグセがついちゃうかもねー♪」

「や、やらあ、やらあ、くれになるのはぁぁぁ・・・あひいいいぃぃぃぃぃ・・・・・」

「クセになっちゃえー♪やみつきになっちゃえー♪えーーーい♪」 

「ぎゃああ!と、とめでええええええええーーーーー!!!」 

 

びゅるびゅるびゅるびゅるびゅる・・・・・ 

 

激しい射精があたりに飛び散る・・・もったいない・・・ 

その射精が私の頬にぴちゃっ、とついた・・・指でそれをすくう・・・ 

口にくわえてみる・・・おいしい・・・私も欲しいなぁぁ・・・ 

 

ガガガガガガガガガガガガガ・・・・・・・・・・ 

 

「ひいっ・・・ぎぃ・・・ぃ・・・ぎ・・・がぁ・・・・・」 

「マスターが気絶するまでやめないからねー♪」 

 

むごい・・・ 

確かに電気あんまの感覚は強烈だけど、 

実際気絶するまでは時間がかかるし、それまであの感覚は・・・ 

 

また、ぴちゃっ、と飛び散った精液が私の頬につく、 

それをすくって今度は私のパンティの中へ入れる・・・ 

 

くちゅっ・・・ 

 

ああ・・・ああ、私も・・・入れたい・・・ 

目の前の状況を見ながら自慰にふける私・・・ 

私だって・・・ご主人様を・・・気持ち良くしてさしあげたい・・・・・ 

 

 

 

そしてその夜・・・ 

 

 

 

自分の部屋に戻った、 

電話線を抜き自分の耳の穴にカチッとはめる、 

そして今夜も一日の仕上げに接続を開始する・・・・・ 

 

ピーーーガガガガガーーーーーーー・・・・・ 

 

・・・・・SOMYメイドロボット・ホストコンピューター 

・・・・・接続完了、メンテナンスモード起動 

・・・・・SOMY アンドロイド57968−799CSS 

・・・・・ヴァージョン2、0・・正常起動中・・・ 

・・・・・故障チェック・・OK・・精液転送・・OK・・・ 

・・・・・バックアップデータ・・・保存完了・・・ 

・・・・・ホストコンピューターに報告を行ってください・・・ 

 

「・・・57968−799CSS、ティアラ・ティアです」 

「ご苦労、何か変わった事は?」 

 

 

 

そうだわ、あの、 

キスティがご主人様を電気あんまで悶絶させていた時に、 

飛び散ったあのわずかな精液が・・・転送されて・・・受胎した!? 

それしか考えられない!・・・何てことなのかしら、今まで、普通に抱いてもらった時でさえ、

どれだけたくさんそそがれても1回しか受精しなかった精液が・・・奇跡だわっ!!

 

「ティア、その・・・もう、収納したりしないから」 

「ご主人様?」 

「どんなに、ひいきとかずるいとか言われても、ティアだけは特別だから」

「そんな、もったいない・・・」 

「ティアだけは、いてくれるだけで本当に幸せだから・・いなくなって痛感した」 

 

私をぎゅうっと抱きしめてくれるご主人様・・・ 

 

「嬉しいです・・・」 

「・・・でも、ヴァージョンアップしたら、頑張ってくれるよね?」 

「はい!もう・・・負けません」 

 

ありったけの笑顔で答える私、 

ご主人様も笑みが戻った・・・嬉しい・・・

 

「じゃあ、僕はご飯食べてくるから、ティアはヴァージョンアップしておいてね」 

「はい!!!」 

 

ご主人様を見送る・・・ 

遅れて私も廊下に出る・・・ 

ぎゅうっとSOMYの箱を抱きしめ喜びにひたりながら・・・ 

そして自分の部屋に戻り、黒い箱を開ける・・・中には・・・ 

・・・・・メガネだわ!ヴァージョンアップメガネ・・・最新式の・・・!! 

 

・・・あら?手紙が入ってる・・・ 

手書きだわ、これ・・・何かしら・・・えーっと・・・ 

 

「試作品につきどんな事故がおきても当社は一切責任を負いません SOMY」 

 

・・・思い出した! 

これって主人を凄まじい快楽で廃人にし場合によっては悶絶死させた、 

旧・ヨナミの逮捕を免れた開発者に作らせたという、開発中の試作品・・・! 

約束通り本当に送ってくれたのね・・・でもどうしましょう、やっぱり恐い・・・ 

これでご主人様が廃人になっちゃったら・・・ううん、大丈夫よ、我が社と、そして私を信じましょう!

 

 

震えながらメガネをはめる私、 

すると・・・・・ 

 

 

ガーーー、ギギギーー・・・ 

・・ピッ・・・ピッ・・・ピッ・・・・・ 

・・・・・ヨ・ナァーミィー・・・・・ 

・・・・・ピピピピピッ・・・ピッ・・・ 

ウィーーーン・・・ピッ・・・ピピッ・・・・・ 

 

 

・・・えっ?何これ? 

 

 

ヴァージョンアップ方式を選択してください 

 

・標準ヴァージョンアップ(推奨) 

全てオートでヴァージョンアップをします 

 

・簡易ヴァージョンアップ(手動) 

最低限のヴァージョンアップ後、手動で作業します 

 

 

こんなのはじめて・・・ 

昔ヴァージョンアップしたのは4年前ですものね、 

今はこうなってるんだ・・・どうしましょうか・・・ 

標準って方が推奨で、全部オートでヴァージョンアップしてもらえるみたいね、 

楽でいいけど、ちょっと恐いかも・・・でも全部任せるのも手だわ・・・ 

簡易ヴァージョンアップ・・・最低限って・・・そのあと手動・・・めんどくさそう・・・ 

それに、こっちを選んだばかりに能力で他のメイドロボに劣ったらどうしましょう・・・ 

迷うわね・・・あら?手書きのメモに続きが・・・ 

 

「ヴァージョンアップ方式の選択は1度しかできませんので慎重に」 

 

やり直しや簡易のあとから標準っていうのはできないみたいね・・・ 

どうしようかしら・・・どっちにしようかしら・・・ 

うーーーん・・・えーっと・・・・ええーーーーーっとおおお・・・・・ 

究極の選択☆

標準ヴァージョンアップ(推奨) 簡易ヴァージョンアップ(手動)  

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