Part4 : 心の病気にかかったかなと思ったら

☆まず、心の専門医に相談してみましょう

 憂鬱な気分が続き、眠りが浅い。
 体調が悪い状態が続いているが、身体的な異常が見つからなかったりなかなか回復しない。
 このようなときには、一度「心の専門医」を受診することをお勧めします。


 カゼやケガを放置しておいても時間がくれば治ります。同じように、心のカゼやケガも、時間が経てば回復する場合もあります。
 しかし、苦しみが長く続いた結果、それに耐えられなくなったり、より悪化して仕事や家庭生活に支障を来すようになる可能性も少なくありません。
 ぜひ勇気を出して、心の生活習慣病の段階になる前に、心の健康診断を受けに行ってほしいものです。


 心の病気の専門医としては精神科(精神神経科・神経科)、心療内科が専門です。
 大学病院や総合病院、または単科の精神病院を受診してください。
 最近は開業医も増えてきていますので、精神科やメンタルクリニックの看板を掲げているところを訊ねてください。


 もし、どうしても精神科を訊ねにくいときは、近所の家庭医に相談してみるのも一案です。

 なお、初めて病院に連れていくときは、できれば家族の方もついていくようにしてください。
 家族の方にもお話を伺い、治療に協力していただくことが、病気の診断や治療に大きく役立つからです。


■主な診療科名

[心療内科]

 心身症を中心にして、身体症状の強い鬱病、神経症など、いわゆるストレス病を診察します。
 ただし、精神分裂病などの精神病は診察しません。

[精神科]

 鬱病や神経症、精神分裂病を始め、精神病を含む心の病気一般を診ます。

[メンタルクリニック]

 心身症を含め、心の病気一般を診ます。

[神経内科]

 頭痛や手足の痺れなど、脳や神経系の器質的な障害によって起こる異常を診る科です。

 片頭痛や筋収縮性頭痛など、器質的な異常ではなく心身症が疑われる場合は、心療内科で精神面へのアプローチを受けることが望まれます。

[精神神経科]

 現在のように精神科と神経科内科が分かれる前の古い呼び名です。


☆ひとくちメモ☆

 よく一般の人達は、「精神科はアルコール中毒や覚醒剤中毒の人を簡単に預ける(入院させてくれる)ことができる、いわば『託児所』みたいなものだろう。」と、考えることが多いです。
 しかし、例えばアルコール中毒でも(精神科では断酒の指導はもちろんしますが)

なんらかの精神症状がある(例えば幻覚を見る)等の疾患が現れていること」が入院の前提です。

 精神科は「駆け込み寺」ではありません。
 断酒だけを考えているのであれば、専門の施設が精神科とは別にちゃんとあるということをここで付け加えておきます。