☆部下に異変が見られたらどう話し合うか

 部下や同僚に前頁のチェックリストに当てはまるような言動がある場合、まず声をかけ、「疲労が蓄積していないか」、「悩みや苦しみを抱えていないか」など、話をよく聴くことが大切です。

 話し合う際には、以下のことに気をつけてください。


■まず、休みを取ることを勧める


 仕事を抱え込んでいる人の場合、まず休ませることが大切です。
体を壊しては何にもならないことを話し、できれば、他の人に仕事を割り振る手助けをしましょう。

■結論を急がない


 特に体の病気らしいところは無いのに欠勤や遅刻が続いた場合、対応を急ぐあまり精神科や心療内科を受診することを強く勧めてしまうことがありますが、本人を追いつめたり、「精神科に行け」という言葉が大きな傷つきの体験となりますので、やめてください。
 あせらず、しかし根気よく、心の専門医を受診することのメリットを説明してください。

■相談内容を他の人に話さない


 心の病にかかっていても、「自分が不適応を起こしつつあることを話すことは、出世など、職場での地位に影響するのでは」と心配している場合がほとんどです。
 相談内容を他の人に話さないことをまず約束しましょう。
 
職場の雰囲気作りや、配置転換などが効果的に思える場合は、上司などに相談する必要が出てくるかも知れませんが、その場合も本人の了承をとってから話すようにしてください。

■答えを出そうとしない


 相談された時、「相談された以上は、何か良いアドバイスを与えなくてはいけない」と思いこむと、つい叱咤激励をしたり、一般論の話をしがちです。
 人は単に話しを聞いてもらえ、自分の苦しみを知ってくれている人がいるだけで、心が癒されるものです。
 まず、よく聞くことに徹しましょう。

■安易な「飲ミニケーション」は危険


 元気がない部下は、仕事が終わってから酒の席に誘い、「頑張るように」と励ます人がいます。
 健康な状態なら効果的かも知れませんが、心が弱っている人には、それがより大きな負担になることを知っておきましょう。

■重要な決定は先に延ばす


 鬱病になったとき、職場に対する自責から、「辞表を書く」などと言い張ることがあのます。
 そのようなときは、「今は心が弱っているので、重要な決定は心が回復してからにしよう」と、アドバイスしてあげてください。
 鬱病などにかかっているときは、すべて悲観的になっていますので、退職・離婚など、人生における重要な決定は、病気の回復まではさせないようにしてください。

■一人で抱え込まない


 明らかに心の病気にかかっているようであれば、家族と連絡をとってサポートについて話し合ったり、メンタルヘルスの専門家などに助言を仰ぎましょう。
 職場内でもサポート体制を作るようにしましょう。