☆さわやかな「NO!」が言えるために

 私たちの対人関係におけるストレスは、うまく自己表現をできなかったために起こることも少なくありません。
多くの人は長年の経験の中で、ある特定の関係の人や特定の状況において、卑屈になったり、またあるいは攻撃的になったりしがちです。
 そのために傷ついたり、疲れたり、拒絶を恐れたりして精神的なストレスを増やしています。

 次の文章の中で、あなたの自己表現のパターンに近いのはA〜Cのどれでしょうか。

 (問い) : あなたはインターネットで知り合った友人と共に、全塗装を依頼していた自動車ディーラーに赴きます。
依頼した色は「情熱のイタリアンレッド」でしたが、できあがった車の色は「アンニュイなフレンチレッド(笑)」でした。
パターンA
→あなたは友人に、「これではお気に入りの車が台無しだ。もう二度とこの店には来ないぞ」と愚痴をこぼすが、
店の人間には笑顔で接し、キーを受け取る。大事な車には幻滅し、依頼通りのものに要求しなおさなかったこと、
友人をこんなところに連れてきてしまったことを後悔する。
パターンB
→あなたは怒りに身を震わせ店の人間を呼ぶ。そして、依頼通りではないことを必要以上に大声で怒鳴り、
車そのものを買い換えさせた上で改めて塗装のし直しを強要し、認めさせる
<(オイ)。
あなたは、自分の要求が通ったこととタダで新車が手に入ったことには満足したが(そりゃするわな)、
怒鳴ったことでその店全体が気まずい雰囲気になってしまい、友人に対しては決まりが悪く、
またその後の予定は台無しになってしまう。
一方、店の人間たちは強要(いや、これはもう「恐喝」だな・・・)されたことを警察に通報するだけはしたが、
それだけでは収まらず、要求された新車のガソリンタンクには砂糖を添加することを本気で画策する(笑)。
パターンC
→あなたは店の人間を呼び、「自分の依頼した色は『情熱のイタリアンレッド』であったこと、しかし、
なにをどう間違ったのか『アンニュイなフレンチレッド』ができあがってしまった」と伝え、
丁寧に、しかしハッキリと「『情熱のイタリアンレッド』に再塗装し直して欲しい」と頼む。
店の人間は間違いを謝り、まもなく店長を連れて再塗装を確約する。
あなたは、店が用意してくれた代車のF40で(オイオイ)ドライブを満喫し、自分の行為にも満足し、自信を高める。
店の人間も客が納得してくれたことで事なきを得、ホッとする。

 自分の言いたいことを我慢し続けても、周囲に無頓着に自分の主張のみしても、人との関係はうまくいかなくなります。
 自分の気持ち・欲求・期待・考えなど、自分が言いたいことを意識し、それをお互いを大事にしながら、それでも自分の心に正直に、素直に自分を表現することができるようになれれば、人間関係のストレスはかなり軽減するはずです。

 次の表は自己表現の特徴を示したもです。自分の自己表現のパターンを知り、上手な自己表現に変えるための参考にしてください。

3つのタイプの自己表現の特徴

・非主張的


引っ込み思案 卑屈 消極的 自己否定的 依存的 他人本位 相手任せ 承認を期待 服従的 黙る 弁解がましい


→「私はOKではない、あなたはOK」

・攻撃的


強がり 尊大 無頓着 他者否定的 操作的 自分本位 相手に指示 優越を誇る 支配的 一方的に主張する 責任転嫁


→「私はOK、あなたはOKではない」

・アサーション


正直 率直 積極的 自他尊重 自発的 自他調和 自他協力 自己選択で決める 歩み寄り 柔軟に対応する 自分の責任で行動する


→「私もOK、あなたもOK」


(『アサーショントレーニング 〜さわやかな「自己表現」のために』 平本典子 著 日本・精神技術研究所 を一部大幅に改変)<<(笑)


○「アサーション(自己表現)トレーニング」について詳しく知りたい方は、下記にご連絡ください。
日精研心理臨床センター 
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