Speak about Speech: Shuno の方言千夜一夜



第987夜

九州踏破



 九州踏破計画が完了した。
 10/10-12 の連休で長崎と佐賀を訪問、これで九州七県に足を踏み入れたことになる。残念ながら鹿児島には泊まっていないのだが、もう機会はなさそうである。どの道、一泊した程度ではメジャーな観光地ですらボロボロこぼれるので、こんなもん、と思うことにする。

 長崎にはバスで行った。
 録画はしたものの見てない、という番組を三本、DVD-RW に焼いて持って行ったのだが、それを見終わり、さらに放送大学の講義を二本聞いてもまだ着かない。長崎道に入って南下を始めると大村湾が見えて、「おっ」と思ったが、やがて寝てしまった。5 時間半かかって、やっと到着。
 長崎と言えばトルコライス*1、ということで市電で思案橋方面に行って昼食。
 それから市電で北上、平和公園。きれいに整備された公園ではあるが、書いてあることから色々と想像を巡らせると、歩くペースも落ちる。
祈念像の前にある、刑務所の跡地公園の入口の横には防空壕跡がある爆心地近くの浦上天主堂跡
 宿は佐世保である。さすがに三連休で、長崎市の宿が取れなかった。だが、翌日の佐賀行に支障はないし、あちこち行ける方が面白いので、むしろ好都合。問題あるとすれば、着いたのが夜なので、佐世保バーガー*2を食い損ねた、ということくらいか。
長崎も港町だが、佐世保も同じ。駅のすぐ横が港。
 翌朝、特急で佐賀へ。
 まずは、筑後川昇開橋。これは、川を行く船を通すために、橋が上昇する、という機構。元は鉄道橋だが、今は国指定文化財。
 なぜここにしたかというと、俺としては、佐賀と言ったら明治の近代産業、というイメージがあるから。高炉なんかあったら絶対に行ったのになぁ。
かっこいい
 川なので境界なのだが、なんと県が違う。そこで、佐賀市と福岡側の大川市とで財団をつくって、そこで運営しているらしい。素晴らしい。
 バスで佐賀城址公園に戻り、博物館内のレストランシシリアンライス*3。で、博物館を見ようとしたら、県展に貸しているため博物館の展示は見られなかった。今回の旅行で唯一のつまづき。美術館でやってくれよ。
 歩いて佐賀市歴史民俗館へ。これは「館」と言っているが、明治期の建物が一カ所に集まっているものを総称している。早速、旧古賀銀行に入ってみる。
あっております
 やっと方言。
 この建物は、元銀行だからホール状になっているのだが、コンサートなどに使われることもあるらしい。やってても入っていいですよ、という掲示。堂々と書いてるということは、「気づかない方言」。
 実は、ここまでほとんど方言らしい方言に触れていなくて、ちょっと不満だったのが、これを発見して小躍りした。
 次はバスに乗って吉野ヶ里遺跡。残念ながら時間の関係で回り切れなかった。
副葬品の刀。やけにかっこいい。
 佐賀駅に戻り、宿にチェックイン。
 ここまでの間に、土産物屋はもちろん、あれば本屋に入ったりもしてるのだが、方言に関する本が全くない。郷土に関する本の棚はあっても方言のものがない。なんでだろう。ひょっとしたら、もともと強力な観光資源を持ってるから、方言を改めて引っ張り出す必要はない、ってことなのかなぁ、と思ったりした。
方言てぬぐいは買った。東の横綱は「しゃんす (恋人)」、西は「ずっきゃんきゃん (肩車)」
 最終日は博多へ。福岡空港から飛行機で宮崎に戻る計画である。
「白いかもめ」は最前列から前が見える
 これ、やってみて驚いた。列車の便がとてつもなくいい。
 佐賀から博多への特急は、1 時間に 2〜3 本のペースで出ている。朝 9 時台にはなんと 5 本。長崎からは 1 時間に 2 本、佐世保からでも 1 時間に 1 本である。
 佐賀−博多間は 45 分しかかからない。鳥栖にしか停まらないやつだと 40 分を切る。
 福岡空港は、博多から地下鉄で二駅である。
 福岡空港から宮崎空港へのフライトは 45 分である。
 結果、佐賀駅前のホテルから、宮崎市の俺のアパートまでは、県を四つもまたぐのに、なんと三時間で着く。
 東北では考えられない便利さ*4だが、あんまり喜んでもいられないんだろうなぁ、という気はする。
 というのは、佐賀−博多はバス便もあるのだが、これは一時間ちょっとかかるものの、運賃は千円*5。ってことは、ビジネスに遊びにショッピングにと、博多が相当、吸い上げちゃってるんじゃないだろうか。

 踏破完了、と書いたが、これで終わりではない。
 実は今、沖縄にいる。



*1
 ピラフ (俺が食ったのはドライカレー)+カツレツ+ナポリタンスパゲティ、というチャンレジングなご当地グルメ。(
)

*2
「手作りであること」「注文を受けてから作ること」がルールのご当地グルメ。見た感じ、どこのも大きい。(
)

*3
 ごはん+味をつけた肉+山盛りの野菜+マヨネーズ、というご当地グルメ。バランスとれてそうだが、薄味好みの俺の場合、マヨネーズが余計だと感じる。(
)

*4
 博多に対応するのは、東北では仙台だが、博多が九州の端にある、というのも大きいのではないか。
 仙台が福島県の位置にあって東北の端だとすれば、ひょっとしたら青森−仙台という空路が成立したかもしれない。
 まぁ、人口規模の問題はさておき。(
)

*5
 回数券を買うか、金券ショップに当たれば、700 円くらいになる。
 東北で言ったら、山形−仙台の関係に近いか。(
)




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