Speak about Speech: Shuno の方言千夜一夜



第933夜

花子とアン


 見ようと思ったきっかけはよく覚えてないが、きっと吉高由里子が好みのタイプだからだと思う。初めてちゃんと見たのは『ロボジー』だが、変な人だよね、きっと。最初にグラビアかなんかで見たときは、「夏帆が大人になってる!」と思ったことは秘密だ。

 で、甲州弁。
 主に話題になったのは「こぴっと」「て!」あたりのようだ。どちらも終盤まで使われ続けた。
こぴっと」はなんか擬態語の雰囲気もある。語源を追求しても出てくるかどうか怪しい感じがするが、そもそも現時点でググっても「花子とアン」の記事ばかりが出てきて、それっぽい情報にたどり着けない。
 まして「て!」においてをや。

 見ながらメモを取ってたんだが、読み返してみたら、次第にドラマの感想文になってしまっていて、方言ネタが思ったよりも少ない。
 そんな中で目を引いたのが、初期に出てきたらしい「ごむしんですから」。
 前後関係から「お願いですから」という意味らしいことは分かったが、面白い使い方だなぁ、と思っていた。
 が、今、メモを見直してみて、「金の無心」が「金を貸してくれ、というお願い」なわけだから、実はとってもわかりやすい形なんだってことに気付いた。

 あと、特徴的だったのは「〜し」という語尾。
「〜しなさい」という意味だが、この辺は、甲府市の「花子とアン」関連ページ「Let’s 甲州弁」でも取り上げられている。
 ここで好きな甲州弁のアンケートを取っているのだが、8 月までは「こぴっと」がトップだったのに、9 月になったら「〜ずら」がとってかわっている。「妖怪ウォッチ」の影響か、という分析がされているが、聞くところによると「妖怪ウォッチ」で使われているのは岡山弁だという話もある由。まぁ、そういう理由で投票するのは子供だろうから、形が合っていればどこの方言でも構わないのだろう。

 方言指導をしたのは、奥山真佐子という甲府出身の女優さん。
 経歴見たら、「仮面ライダー Black」「同 RX」とか出てるらしい。
 さっきの甲府市のホームページでもインタビューがあるが、あまり方言そのものについれは触れられていない。
 甲府市長との対談 (PDF) では少し取り上げられている。ただ、これは市の広報であるため、意味の解説がない。読む人はみなわかっているんだろうからね。
 これは 4 月に発行されたもので、2 月のアンケート結果が載っているが、これが現在のランキングと全く異なる。8 月にトップだった「こぴっと」はこの時点では十位である。放送中にプラス イメージが広がって上位に食い込んでいったのではないかと想像する。
 これ、時系列がわかるのでその観点で調べてみるものも面白いかもしれん。

 ちなみに、英語の指導をしたのは塩屋孔章という人で、この人のリンクをたどっていくと、“UPS”という学校の記事が見つかる。これ、ゴダイゴの作詩をしていた奈良橋陽子が作った学校で、“J-ACTOR”というプログラムでは役者に英語を教えているそうだ。つづく「マッサン」でも英語指導を担当している模様。

 言葉ではないが、印象に残っているのは、「さよなら」をするときの手の振り方。手を左右ではなく、前後に振っているのだ。
 確か、昔はそうやっていたんだ、というのを聞くか読むかしたことがあるのだが、基本的に本類はすべて秋田に置いてきてあるし、手元にあったとしてもどういう分野の本・雑誌だったかも覚えてないので、おそらく調べようがない。
 これに気付いた人も多かったようで、ネット上の記事も多いが、確たる根拠を書いてる記事は見当たらなかった。うーん。

 吉高由里子は紅白歌合戦の紅組司会になることが決まった。「大丈夫か」という声がファンから上がってるのが逆に微笑ましい。何かやらかす、ということもないだろうが、楽しみである。




"Speak about Speech" のページに戻る
ホームページに戻る

第934夜「Land of Wind ふたたび」へ

shuno@sam.hi-ho.ne.jp