さて、引っ越し完了でまず取り掛からなければならないのはゴミ出しである。なんせ、引っ越し資材が大量にごみとなる。
のが普通だが、今回はそうなっていない。なぜなら、段ボールやクッション材を捨てないからである。
今回の転勤、今のところ二年と期限が切られていて、アパートの契約更改と前後して退去することになる。そう時をおかずにまた使うことになる資材を捨てることはない。
まぁ、その分、場所ふさぎにはなるのだが、金を出してホームセンターや引っ越し業者から段ボールを買うのもばかばかしいし。
秋田市と宮崎市とのごみ分別の最大の違いは、宮崎市ではプラスチックが別扱いだ、ということである。
ちょっと乱暴かと思いつつ説明すると、秋田市のごみ分類は、資源ごみ・粗大ごみ・それ以外、である。最も多く出ると思われる生ごみ類は「それ以外」に含まれる。つまり、2002 年稼働開始の強力な焼却炉で燃やしてしまうので、「不燃」「可燃」の区別がない。宮崎市で「燃やせないごみ」に分類されているものの大半は、秋田市では「その他」になって燃やされる。
*1
宮崎市では、プラスティックは資源扱いである。で、改めて分別してみて思ったのは、プラスティック製品は我々が思っているよりはるかに多い、ということ。これまた乱暴な言い方をすれば、世の容器や袋は大半がプラスティックである。分別しない地域の人は台所のいろんなものを改めて見てみてほしい。リサイクルマークが「プラ」になっているもののいかに多いことか。
注意点は、きれいにしなければならない、ということである。洗って出せ、ということなのだが、惣菜のトレーくらいならともかく、納豆のパックやレトルトカレーの袋なんかはちょっと洗う気になれない。ごめん。
なお、「二重袋」という特殊な用語がある。プラスティックを小袋に入れ、さらにゴミ袋に入れるようなことを言う。収拾後の分別作業が煩雑になるからいかん、ということらしい。
さて、ごみと方言。
早速だが、不燃・可燃に関する記事が見つかった。
「
神奈川県の1割以上は、燃せるゴミ / 湘南 研究所」が力作である。神奈川県では、「
燃せるゴミ」という呼び方をしている自治体が一定の割合であるらしい。
ここで調べられているが、新明解が言うように「
燃す」が「燃やす」の東北・関東方言なのであれば、関東地方である神奈川で「燃やせる」を「
燃せる」と言うことに何の問題もない。ただ、Web の大辞林や大辞泉、手元の日本語大辞典でも、方言であるというようなことは書かれていない。でも、落語で聞くような気もするんだよな。
「
燃いるごみ」は、ググってみるとわかるが、関東北部あたりで見られるようだ。
これが三重に行くと「
燃えやんごみ」になる。
ここで挙げたのは、どれも「燃えないごみ」のバリエーションである。
小うるさいことを言えば、「燃えないごみ」は不正確である。秋田市の焼却炉の話をしたが、宮崎で燃やせないごみだって秋田市では燃やせる。もっと強力な焼却炉があれば、大概のものは燃える。科学的には「燃えないごみ」はない、と言っていい。
同じ理由で「燃やせないごみ」もおかしい。
おそらく正確に言おうとするなら、「燃やしてはいけないごみ」だと思われる。有毒ガスが出るとか、そこの設備ではその有毒ガスを後処理できないとか、そういうこと。
だからって、日常生活でそんな長ったらしい言い方をする必要はない。「燃えないごみ」でいい。
その「燃えないごみ」を神戸では「
荒ごみ (あらごみ)」と言うらしい。面白い。なんとなく直感的にわかる。
とは言ったものの、ネット上の記事は今イチ、意味をはっきりさせてくれない。粗大ごみだ、と言ってる人もいる。「粗」が「あら」だから混同している可能性もなくはないと思うのだが、あるいは、「粗大ごみ」と「不燃ごみ」を区別していない自治体だと、それが同じであっても困らないのかもしれない。
神戸大学が出している薬品の瓶の捨て方に関する
記事を読むと、これは明らかに「粗大ごみ」ではないことになるのだが。
神戸市辺りがごみの分別について触れてくれると決着がつきそうな気もするが見当たらない。俗語なのかもしれない。
和歌山の御坊市文化会館が、施設の掃除手順を
説明している。ここで使われている「荒ゴミ」は「大きめの、手で拾えるサイズのごみ」のような気がする。これはこれで理解できる。
不燃物だけで一回分の紙幅を使ってしまった。
来週に続く。