掘り出しネタ第二週。
HDD レコーダーが、事前に登録してあったキーワード「方言」に反応して録画した番組から。
ここのところデジタル放送の啓蒙番組がやたらとヒットしてたが、それは「八重の桜」を引き合いにだして、デジタルだと方言の解説も見られますよ、というもの。方言そのものの話ではないので、二度目以降は見もしないで削除。
まず、6/6 放送分、「
にほんごであそぼ」の大船渡での公開収録。
うなりやベベンが観客に、何か面白い方言はありませんか、と聞くと、子供が「
えんずい」を上げる。ベベンのリアクションが「延髄切りとかあれですか」というのはどうかと思う。子供相手に何を。
で、どういう意味かと聞かれて、「『
えんずい』は『
えんずい』」と答える。確かに、一言で説明するのは難しい。父親が代わりに「気持ち悪い、居心地悪い」と解説していたが、語の入れ替えだとそういう風に一面を切り出した感じになってしまう。「体に接触しているものについて違和感があり落ち着かない」ということになろうか。
もう一つは「
わらっしゃあど」。これは「子供たち」。多分、「
ど」が「達」の変化したものなんだと思う。
続いて現地の人たちが一言ずつ言っていく、ロケ風のコーナー。挨拶語がメイン。
「
おもさげね」は「すいません」だそうだが、「申し訳ない」だろうか。
「
おみれってくなんしぇ」は「見ててください」。ググってみたら「もしかして: おむれってくなんしぇ」って出てきて、「そういう形もあるのか」と思ってリンクを開いてみたが、何も出てこなかった。なんやねん。
乳児を覗き込んで、「
めげぇなぁ」「
めげなはん」と言うふたり。これが、男女差なのか、ニュアンスの違いがあるのか不明。あるいは「はん」は感嘆の助詞だろうか。
「さようなら」に相当する言葉はいくつかあるようで、「
あんばいえ」と「
おしずかに」が出てきた。どちらも相手の無事、平安を祈る表現だと考えていいだろう。こちらも、どういう使い分けがあるのか不明。地域差だったりするのだろうか。
番組のキャラクターとして「ラジカセくん」というのがいる。
歌を扱っている番組なので順当な配置という気もするが、子供たちにとってはどうだろう。うっかりすると親もちゃんと説明できなかったりするんじゃないだろうか。
「けいおん!!」のアニメを見ていたら、ラジカセでバンド演奏を録音するシーンがあったのだが、取り出した時のカセットの向きが上下逆でびっくりした。
具体的に言うと、往年のソニーの名機 Studio 1980 Mk-II で、これは 1970 年代後半の機械。誰も使っていない音楽準備室でほこりをかぶっていた、というような位置づけ。
おそらく絵コンテを書いた人監督、アニメーター、その他そのシーンに関わった人の中に、その時代のラジカセを使ったことがある人がいなかったのだと思われる。これ、研究不足とかチェックミスとかいうレベルの問題ではないと思う。存在してないのだろう。
「ドキドキ!プリキュア」では、ラジカセの怪物が登場したことがあるのだが、主人公が「ラジカセって何?」と言っている。
というあたりが、現在のラジカセのポジションである。「ラジカセくん」は「にほんごであそぼ」スタッフのノスタルジーの産物ではあるまいか。
MP3 プレーヤーが絵にならない、というのは事実か。おそらく、キャラクターとしてデフォルメを加えたら、プレイヤーだかケータイだかわからない、てなことになりかねないと思う。
次が「所さんの 学校では教えてくれないそこんトコロ」。
4/12 放送分を秋田では 6/15 に放送。まぁ、テレビ東京ネット局のない田舎なのでしょうがない。
4 月を方言の季節と位置付けた。引っ越し、転勤、進学で人が動く時期だから、らしい。
キーワードは「モノ方言」。鹿児島の「
ラーフル (黒板消し)」、北海道の「
ゴミステーション (ゴミ捨て場)」、青森の「
でんち (懐中電灯)」など。
「実はそんな方言は、話し言葉だけでなく、誰もがよく使うものの名前にもあるんです」と言っていた。言いたいことはわかるが、方言は基本的に話し言葉だぞ。
大阪の仏壇ということで「
まんまんちゃん」と言っていたが、これは微妙だよな。手を合わせて「
まんまんちゃんあん」て言ったりするわけだし。
名古屋の「
ケッタ・
ケッタマシン (自転車)」も有名。「本当は自転車でしょ」と言っているところを見ると、方言だという自覚はあるようだ。
熊本の「
ふんころがし」もすごいけどね。「踏んで転がすから」らしい。
所ジョージが「
じでんしゃ」と言っていたのが印象に残る。
というあたりで紙面が尽きたので、残りは来週。
水増ししてるわけではなくて、ほんとに二週にする予定だったんだが、7/17 に NHK の「あさイチ!」が同じく「方言」でヒットしたので、それも合わせて。