Speak about Speech: Shuno の方言千夜一夜



第826夜

食べないで飲む




 この長くて暑い夏、飲んだのはコーラだけではない。
 数年前から流行ってる炭酸水もあったが、主にカローリゼロもしくはローカロリー、かつシュガーレスの飲み物。今、いっぱいあるのね。
 暑い昼間は勿論だが、効果的なのは夜。
 ローカロリーなら 100kcal ないし、砂糖が入ってるのは買わないから、小腹がすきそうなときに予防的に飲むのにぴったり。ペットボトル 500ml を飲んで、腹が減る前に寝る。まぁ、だからと言って体重が減ったりはしなかったが。
 ミネラルウォーターはあまり飲まない。よっぽど喉が渇いていて、甘味すら邪魔、というときくらい。「いろはす」の香り付きの奴は割と好きだが。果物のエキスは入ってるけど無果汁ってどいうことなんだろうね。「エキス」になってしまえば「果汁」ではない?

 ミネラルウォーターは全国各地の名水で採取してるわけだからご当地風ネーミングがいっぱいあるかと思ったけど、調べてみたらそうでもなかった。
 見つかったのは「黒部の清水」くらい。これ、「くろべのしょうず」と読む。商品名というより地名、というか、その湧水のこと。どうも富山には「しょうず」がいくつもあるようだ。

 ということで、水だけでなく、清涼飲料水に手を広げてみると、秋田の「仁手古サイダー」を筆頭にご当地ものがたくさん見つかる。
 ちなみに、六郷まちづくり公社の「名水ショップ」によれば、「仁手古」は「森林」と「水溜りの低地」という意味のアイヌ語から来ているのだそうである。
 で、これも含まれるわけだが、ご当地ものの清涼飲料水にはサイダーが多い。Wikipedia には「地サイダー」という語が立項されているくらいである。なんでだろうね。製法が確立してて手を着けやすい、とか?
 一番笑ったのは、千葉の印西市 (いんざいし) で売られている「インサイダー」。こういうセンスは好きだ。瓶には、「ホンジャアンメ (そうじゃないだろう)」「ブックス (ぶっ壊す)」などの印西弁が印刷されている由。
 似たようなセンスを感じるのが、埼玉の「大宮盆栽だー!!」。ご想像の通り、「盆栽」とくっつけたサイダー。知らなかったのだが、大宮は盆栽の街らしい。盆栽美術館というのもある。

 北海道はご当地ものの宝庫で、飲み物の分野でも「カツゲン」はじめたくさんあるのだが、「ガラナ」も有名。
 で、さらに、道内のご当地ものがあるというからすごい。さすがにでかいだけのことはある。富良野の「へそガラナ」なんてのが見つかる。

 目を南に転じると沖縄もご同様。ちょっとググればいくらでも見つかるので各自探してもらうことにして、今回へぇぇと思ったのは「シークワーサー」。
シー」は「酸」で、「クワーサー」は「食わせる」なんだそうな。確かに「食わせる」感じだよな。昔、焼酎のシークワーサー割を自分で作って飲んだことがあるが、配合を間違えるとものすごく飲みづらくなる。

 もうお気づきの方もあろうが、今回も方言濃度は低い。
 去年、「ご当地ドリンクアワード2011」というイベントがあったらしく、ここに出品された飲料48種類の一覧があるのだが、方言とかかわりがあるものが一つもなかった。
 なんでだろうねぇ。
 前に、コーヒーや紅茶にはちょっと気取った雰囲気があるから方言とはなじみにくいかも、てなことを書いたが、水も含む「飲料全般」に広げてもこれだけとは。
 探し方が悪いだけかもしれんが。

 最後、「ひやしあめ」。
 これも方言ではないが、主に西日本の飲み物である。俺は話には聞いたことはあるが一回も見たことがない。

 上に書いたとおり、夜に多量の水分をとっているのは、空腹を紛らすためでもある。
 夏場はコカ・コーラ ゼロフリーでもよかったが、これから涼しくなり冬を迎える。
 胃は弱いし眠れなくなっても困るのでコーヒーやお茶というわけにはいかないし、簡単に入手できる飲料は砂糖が入っていたりしてカロリーが高い。どうしたらいいかねぇ。白湯っつーわけにもいかねぇしなぁ。




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