この 3 月まで
ニッポン放送でやっていた「
松本ひでお 情報発見ココだけ!」、火曜日担当の浅香唯が持っていた「あなたの方言 星ひとつ」というコーナーに借りた文章、三回目。
第四週。
広島から「
べべちゃんこ」。
聴いた瞬間に「正座」だってことがわかる。秋田でも「
おっちゃんこ」という言い方をするが、「
べべちゃんこ」は岡山でも使われる由。
「正座」については色んな形があるわけだが、「
日本正座協会」というところが
一覧表を作っている。
それを眺めていると、なんとなく共通点があるような気がするんだが、元になっている単語が何か、っていう見当はつかない。
松本から「
あめんぼう」。
浅香解は「傘」「虹」「樋」。雨関連だろう、ということは見当がついたわけだ。「傘」は「雨の棒」という分析をするとストレートな想像である。
正解は「つらら」。
Wikipedia の「
西日本方言」によれば、「
あめんぼう」は東日本の表現で、「つらら」は西日本の言葉だそうである。
長野って東日本なの?
「つらら」の俚言形は、色んな人が表にしている。扱いやすい題材なんだろうか。西日本ではあんまり目にしないと思うんだけど。
鹿児島から「
へ」。
これはもう、鹿児島といえば、ということで「灰」。
熊本北部「
めっけん」。
浅香解は「でこ」。まぁ、外れていない。正解は「額」だそうである。長崎でも言うらしい。浅香唯が割と早く正解したところを見ると、九州のほかの地域でも使われるんじゃないだろうか。
「眉間」じゃないかと思うのだが、「眉間」と「額」は別の場所だよなぁ。「眉間」を説明しようとして「額の中央部」とか書いている記事もあって、おやおや、と思うのだが、あるいはそれを区別しない方言もあるのかもしれないので、間違っている、とは言わないで置く。
「
使える熊本弁講座2」によれば、「でこぴん (額を指で弾くこと)」のことも言うらしい。
第五週。
鹿児島の「
つがらんね」。
浅香解は「注げ (つげ)」だったのだが、本当にそう言う地域あるんじゃないかな。
正解は、「とんでもない」「とっぴょうしもない」。
「
鹿児島の方言の由来」によれば古語に対応する形があるとのことなので調べてみたら、確かに「つがもない」という語があった。これは「つがなし」を強く言った語らしいのだが、意味は「むちゃくちゃだ」「あるまじきことだ」「ばかばかしい」。
本当かよ、と思ったのは青森の「
すみ」。
正解から書くと、「電池」。
ググってみたら、確かにそうらしい。
「
ちゃおもり.com」の「お気楽WEB 漫画
第4回」でも紹介されている。
理屈には合っている。動力源なわけだから。新しいものが入ってきたときに既存のもので置き換える、というのは方言に限らず良くあることだ。
GUI を持った OS では、画面全体のことを「デスクトップ」と言うことがある。これは、仕事をする場所、ということで既存の単語を当てはめたわけだ。そこに表示する絵が「壁紙」なのはさておくとして。
もうちょっと調べると、「懐中電灯」を「
電池」と言う人もいるとのこと。おぼろげな記憶なんだが、子供の頃に言ってたような気がするようなしないような。
これだって、部屋の明かりを点灯させることを「電気つける」と言うのと同じようなもんである。決して間違いとはいえない。
因みに、あれを「懐中」に入れることはあんまりないと思う。あれが今、発明されたら「携帯電灯」あたりになるんだろうな――と思って念のために調べてみたら、
電池工業会の
分類では、「懐中電灯」は「携帯電灯」の下位分類だった。へぇぇ。
長野から「
おしかけ」。
料理関係というヒントをもらっての浅香解は「切る」。これのイントネーションがまるっきり「着る」であったことは追記しておく。
正解は「米を洗って炊くまでの準備をすること」。使い方は、例えばそれを依頼する場合「おしかけといて」ではなく「
おしかけしといて」となる。前者だと「押しかける」になってしまう。
にしても「しかけておく」という使い方はよく耳にするような気がするんだが。それに「お」がついただけなんじゃないのかな。
Yahoo! の
知恵袋に質問があるが、それの答えを見ていると、やはり全国に似た形が広がっていることが分かる。「
かける」とも言うようだ。
長い長い。
まだ三月の放送分が丸々残っている。