この 3 月まで
ニッポン放送でやっていた「
松本ひでお 情報発見ココだけ!」、火曜日担当の浅香唯が持っていた「あなたの方言 星ひとつ」というコーナーに借りた文章、二回目。
放送第二週。
長野県あずみの市から「
いちゃついてとんでってこい」。
“fly”でない「飛ぶ」は鹿児島あたりにもあるので、後半が「行ってこい」だろうな、というのはすぐにわかったが、問題は前半の「
いちゃつく」。浅香唯の解答も、そこにひっかかって「もう結婚してしまえ」。
正解は「急いで行ってこい」。
「
老境の楽しみ・カレエダのブログ」からの孫引きだが、「慌てる」という意味でも使われる由。確かに「急ぐ」と「慌てる」には接点がある。
ネットにはこれの解説が少なく、語源が分からない。
例によって、男女の「いちゃつく」を方言としている記事が見つかった。
熊本からは「
よろくそ」。
響きから、誉めてないな、という感じはする。
正解は「度胸がない、いくじなし」。
中部地方では、「体が弱い」「(年をとって) 体が思うように動かない」という使い方もあるらしい。
これも語源不明。
最近、元の形まで触れた文章が少なくなってる様に感じるのだが、気のせいか?
山形県酒田市から「
け」「
く」。
秋田衆からすると、「またかい」という感じは否めないが、「食べなさい」「食べます」。
浅香解は、往復のやりとりだ、ということはわかったらしく、「好き」「私も」。
鹿児島に「
こけけ王国」というところがあるらしい。「ここに来なさい」だろうな。
第三週。
熊本から、俺の長年の課題「
つ」。
解答は「かさぶた」。なんで「
つ」なんだろうなぁ。
浅香唯のマネージャーの H さんは熊本出身らしい。このコーナーでよく名前がでてくる。宮崎と熊本でやりあっていた。いや、マネージャーさんが登場することはなくて、浅香唯が一方的に敵愾心を燃やしていただけだったが。
富山の「
おちんちんかく」。
この番組、
秋田放送で中継していない時間帯には 18 禁のコーナーもあったらしい。以前、
テレビ東京でやっていた「やるヌキッ!」という番組も、どうやらその傾向があったらしいのだが、浅香唯はときおり下ネタにまきこまれる。
本人の赤裸々な話が出てくるわけではないのだが、興味津々ではあるらしく、「わたしわかんなーい」とか言ってとぼけたりはしていない。
それへ更に、浅香唯得意の天然ボケ発言もあるので、こういうお題のとき、スタッフはなにを言い出すか、ということで戦々恐々らしい。
なお、正解は「正座する」。正座をこの形で表現する地域はほかにもある。
なんだろうね。「鎮座する」って言葉はあるけども。
山梨から「
ささらほうさら」。
これは俺も見当つかず。札幌の「
ささら電車」とは関係ないだろうとは思ったが、当てずっぽうの答えも出てこない。
正解は、まさにそういう状態のことで、「めちゃくちゃ」「お手上げである」。
第四週。
長野市から「
おんじょこく」。
正解は「わがままを言う」。
「泣き言を言う」と説明している記事もある。
「こく」は全国的に、よくないことをする、というときに使われる言葉のようだ。
熊本から「
あばかんおるばいた」。
なんかドイツ語みたいな響きだな。ある種の労働者みたいな。
意味は「一杯いるじゃないか」なのだが、浅香唯が何度も言い換えた解答は「
おったっちゃない」「
おるっちゃない」「
おるやろ」「
ここにおんない」。
このコーナーのポイントは、我々が知らない他地域の方言をクイズで出題しているのに、浅香唯の解答が、我々が知らない宮崎弁で帰ってくることが多い、という点である。まぁ、大いに笑ったが。
おそらく、言語処理系が方言モードに切り替わってしまっているのだと思われる。
広島市から「
かやす」。
大阪弁でも「返す」がこの形になることがあるが、この場合、「(お茶を)
かやす」という形で使われる。「ひっくり返す」の後半であろう。
正解は「こぼす」ということになるんだが、俺の語感では「こぼす」は少量である。茶碗をひっくり返したときには使えない。秋田弁の「
まがす」に似た感じじゃないだろうか。
岡山から「
戸をたっとけ」。
浅香解は「
開けときない」。
これは「戸を閉 (た) てる」だろう。
噂が流れることを止められない、という意味で「人の口に戸はたてられない」というがこの「閉てる」である。したがって、行儀を云々する場合、「戸の開け閉てはちゃんとしろ」というのが日本語としては
正しい。
なんか、えらく長くなりそうな気がしてきた。先週分のタイトルも「前編」から「一回目」に変えた。