Speak about Speech: Shuno の方言千夜一夜



第782夜

ご当地バトン (後)



鳥取県民バトン
●「わったい」の意味が分かる。
●「わったい」の強調形は「わったいすか」である。
 わからないので調べてみた。驚いたときに使う間投詞らしい。

●鳥取北ジャスコのことを「北ジャス」と言う。
 こういう言い方は全国にある、ということは前に書いたが、ジャスコ(というかイオン)の空白域がないか調べてみた。どうやら徳島がそうらしい。
 あと、和歌山が一店舗のみ。この場合、当然、方向で呼び分けることはしないだろうが、ほかの都道府県でも、行き先を選べるくらいの近さにないと呼び分けはしないだろう。
 また都会では、選択対象が多すぎて東西南北での呼び分けは不可能、ということもあると思う。
 そういう条件が成立したところでしか使われない表現のようだ。
 イオンの店舗検索では、三重が中部に分類されている。

鹿児島バトン
12.「『てそい』と『わっせ』は使っちゃう」
てそい」は面倒くさい。篠崎晃一氏の「共通語な方言」によれば「大層」らしい。
わっせ」の方は強調の副詞のようだ。「わっせてそい」はおそらくアリなんだろうと思う。
 秋田での「面倒くさい」に相当する語が思い当たらない。ネットでは「うだで」を挙げてる人はいて、確かにそういう使い方をする場合もあるが、「うだで」はどちらかといえば、不快感・嫌悪感の表明である。

茨城県民バトン
32、かっぽる。さてどんな意味だ?
「捨てる」だそうだ。「ほうる」に調子を整える「かっ」がくっついたのかな。
 青森に行くと、水に落ちる、てな意味になる。

宮崎県民バトン
★「よだきい」って何?
 疲れる、面倒くさい。これは知ってる。鳥取では、「最低な奴」ということになるらしい。宮崎の人と鳥取の人が会話したら恐ろしい誤解を生みそうな気がする。
★正直、このバトン「てげ、よだきーこっせん?
「かなりわずらわしくない?」
 この場合、「やりたくない」という気持ちが強ければ、「うだで」を使ってもいい様な気がする。
★正直、「ひんだれた、ごつねぇ?
「疲れてない?」
★正直、「のさんでしょ?
「辛いでしょ?」
★正直、「もぉ〜およばんこっせん?
 つまり、こんな意味の表現をわざと並べてあるわけ。これはちょっとニュアンスが分からないが、「もうできないとか思ってない?」って感じかなぁ。
★「さるく」の意味は
「歩く」。
 古語辞典に寄れば、「さる」という移動を意味する語があったよし。これが後に「去る」になるが、それが残ってるんじゃないかなぁ。
★最近の子供は「みやがり」である。
「なまいき」らしい。
★訳してください。「わげん畑にゃ〜ちんがらーっなったげな
「ちんがら」は「めちゃくちゃ」らしい。
★訳せ 「あっこん子は、まっこほがねー。
「あそこの家の子は、本当にどうしようもない」。どうも、秋田弁の「ほじね」につながる言葉の様な気がする。
★では、最後に・・・『やっちょんなぁ??
「やってるやってる」ってリアクションをする芸人が昔いたが、「やっちょんなぁ」もさほど濃い意味のない挨拶のような気がする。

大分県民バトン
やせうまやせうまだんご汁の違いがわかる。
 要は団子汁のことらしいのだが、「やせうま」が団子、それを入れたのが「やせうまだんご汁」だそうだ。
 なんで「やせうま」なのかというと、「やせ」という人が作ったもので、それが旨かったからだとか、幼い若君がそれをねだるときに「やせ、うまうま」と言ったとか、悪いが「ほんまかいな」という説が色々と紹介されている。

鹿児島バトン
29.「『』とはオナラと言う意味だけではない」
 これがわからん。
 短すぎてググっても確認のしようがない。
 下関でお尻のことを「」と言うらしいのだが、これも調べられない。ネットでの確認は、事実上、不可能だろう。

信州人バトン
11.給食を食べ終わるとみんなで「いただきました」と言ったものだ。
 これも調べづらい。

千葉県民バトン
◆3、ジャンケンであいこが続くと「しょっしょっしょ!
 通用範囲はどれくらいなんだろう。
 なにせ行動範囲の狭い子供のお遊びのことなので、市町村ごと、場合によっては、学区ごとに違ったりすることがある。
「俺は言わない」って人が多い現象じゃないだろうか。

大分県民バトン
●大分高校は「イタコウ」だ。
●そして大分鶴崎高校は「ツルタカ」、鶴崎工業は「ツルコウ」である。
 各地の高校の省略形ってのを集めてみても面白いかもしれないな。周辺地域での呼ばれ方と、全県での呼ばれ方とかが違う、とかいうのがあったりして。

 さて、ここまでズラズラと並べてきた。
 バトンセンターには、ずばり「方言バトン」というカテゴリがあるのだが、その中に、敬語で答えることを禁止しているバトンが二つある。敬語だと標準語になってしまうことからの措置だろうが、それもまた方言のポジションを示す現象であろう。




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