先週、秋田バトンというのをやってみたが、ほかにも「ご当地バトン」があるし、ずばり「方言バトン」というのもあるので、それをちょっと紹介してみたい。作者には申し訳ないが、ご当地バトンについてはなにせ俺にとってはご当地ではないので抜粋となる。
ソースは
バトンセンターだが、そうでないのもある。
・川崎バトン
ここ数年、川崎に行くことが多い。。
いや、上京の目的が川崎であることはないのだが、
羽田空港に最も近い都会で、
京急のダイヤがうまく合えば、離陸の 1 時間前までいられるのが便利。
俺は大きな本屋と CD ショップがあれば文句はないが、古本屋があればもっとうれしいし、ピアノを始めてからは楽器屋 (正確に言えば楽譜屋) なんかにも行く。最近は
スタバのデカフェを好んで飲むが、川崎駅前にはそれが揃っている。本当の都心に行くとそれがバラけているから、電車移動を余儀なくされて意外に不便な場合がある。
で、質問。
「ケイドロ」か「ドロケイ」か「ドロジュン」かで、論争になったことがある。
これは鬼ごっこのこと。追う方を警察、追われる方を泥棒に見立てた呼び方である。「ジュン」は巡査。
・栃木バトン
昔、高校の先輩が小山に住んでいたので遊びに行ったことがあるが、それ以来、縁がない。
もぐら氏の本に書いてあったが、小山城が落ちたのが 7/7 だったので小山では七夕をお祝いしない、というのは本当か?
5.教室の机が並んでる列を「川」と表現するのは全国的なものだと思っている。
初めて聞いた。
オフィスなんかで固まりになっているのを「島」と呼ぶが、あれと発想は似ているような気がする。
9.『洗濯取り込む』より、『洗濯こむ』がしっくりくる
これも聞いたことがないが、面白い。
10.ケガをしている子どもに思わず「だいじ?」と聞いてしまう。
前に書いたような気がする。
そのときは、今時の省略形だと思っていたのだが、俚諺形だったのか。言った人も関東だったような気がする。
・鹿児島バトン
俺が行った最西端は大阪なので、当然、鹿児島にも縁はない。
編集者をやっている知人が鹿児島に行ったとき、県庁所在地のターミナル駅を降りると前の方で煙が上がっている、と言って驚いていた。
3.「ランドセルは『背負う』物ではなく『からう』物である」
前に
田中麗奈がテレビで言っていたし、こないだ
浅香唯も
ラジオで言っていた。九州全域で使うのかもしれん。
しかも「気づかない方言」である。
この文章は下書きを
ポメラで入力したのだが、「田中麗奈」とか「田中れいな」が一単語で登録されている。なに考えてるんだか>
ATOK
13.「『今から行く』と言うのを、『今から来るからね!』って言っちゃう」
発想は、英語の“I'm coming”と一緒かな。
と言うより、どっちも人間の考えることなんだから、共通点があって当たり前、ということ。
・鳥取県民バトン
●王子製紙米子工場のことを「ニッパ」と呼ぶ。
もと「日本パルプ」という会社だったかららしい。でも、どういう人が使うんだろう。
秋田市では、年輩の人で、
FORUS を「ジャスコ」とか「なかよし」とか言う人がたまにいる。
●鳥取県の言葉は語尾が汚いが絶対になまってはいなくて標準語に近いと思っている。
こういうことは全国で見られる。
学生の頃、愛知に方言調査に行ったとき、「ここらのことばは東京と一緒だ」と言われたときには度肝を抜かれた。
・福島バトン
17:東京に行くまで自分が標準語を話していると思っていた。
上で書いたのと同じ。
27:「うるかす」という物言いが方言だとは知らなかった。
東北での「気づかない方言」の代表格。
29:可愛いものを見ると、反射的に「めんこい」と口走ってしまう。
これは 17 とは逆で、方言であることは話す方も自覚しているが、感情に結びついた語なのでどうしてもでてくる。問いで「反射的」としているが、まったくその通り。
・茨城県民バトン
44、「いばらぎ」と言われると「いばらき」と訂正したくなる?
またもぐら氏の本の話になるが、茨城も大阪の茨木も正式名称は「いばらき」なのに、ネイティブ含め、実際の発音は「いばらぎ」になってしまうようである。
50、実は早口だったりして?
51、普通に話してるのに、怒ってる?と聞かれたことがある?
この逆の現象が、後の大阪バトンで出てくる。
・宮崎県民バトン
★危険なアネキで微妙な宮崎弁に冷や汗が隠しきれない。
しょうがないんだって。全国放送するテレビには薄めた形で乗せるしかないんだから。だって、「字幕でいい」とも思えないでしょ? 「日本語じゃないって言われてるみたいだからやめろ」っていう苦情が絶対に出ると思うよ。
とは言いながら、よその人が指導を受けながら言う台詞と、ネイティブの俳優が言う薄めた台詞とでは、やっぱり後者の方が自然に感じられるのも事実である。
★TV面白くないときは、裏にあわせる。
昔の秋田や青森でも言ってたような気がする。
民放が二局だからこういう言い方になるんだろうと思うが、NHK もいれれば三局だから、これはたぶん、「表」に対して一つ存在する「裏」という、辞書的な意味とは違うんだと思う。
だいたい、「見ているのとは別の番組」のことを「裏番組」って言うよね。これはまだ死語になってないと思う。
ビデオデッキの出始め、「裏番組録画」がセールスポイントになっていた。これは、見ている番組は一つで、録画できる番組も一つだから、「表」「裏」の対比が成立していたが、「多チャンネル」の時代、録画するハードも、チューナー二つ搭載してもそう高くなくなってきてるから、遠くない将来、本当に通用しなくなるかもね。
「ビデオ」に「裏」がつくと、領域も使われ方も全く違ってしまうから不思議である。
・大分県民バトン
●文章に大分(だいぶ)と書いてあると、絶対に(おおいた)と読んでしまう。
俺自身も、「絶対に」とまでは言わないが、誤読されたくないな、と思うと、「かなり」とかで置き換えたりする。まぁ、おれが大分のことを話題にすることは滅多にないし、文脈から考えて、誤読の可能性は低いと思うんだけど。漢字が続くかどうか、っていうのも影響すると思う。
●同じ県内なのに、地域によって微妙に言葉が違うという事実における小藩分立の残滓を感じる。
まぁ「小藩分立」かどうかは地域によるだろうが、県内で言葉が違うのは別に大分に限った話ではない。
だいたい、現在の各都道府県と、藩が完全一致するところってあるのか? 勿論、確認しないで書いてるけど。藩は幕府につぶされたり分家したりして相当、複雑だけどな。
・阪人バトン
●標準語を話す東京人の男はオカマのようだ。
前述。
今回は前編。ちょっと調べないとわからない語については来週、紹介する。