Speak about Speech: Shuno の方言千夜一夜




第761夜

高尾山にて



 自転車シーズンである。
「である」とは言うが、普通は雪が解けたらシーズンイン。真面目な人は雪が降ってる間はローラー台とかリムトレーナー*1で室内練習してたりするんだが、俺はこないだリムトレーナーを粗大ゴミに出したところである。使う時間も場所もないので。よくあんなうるさいものアパートで使ってたよな。近所迷惑なことだ。
 今年の春は寒かったと思う。GW 直前まで冬向けコート着てたし、GW あけてからも秋向けになったくらいで、上着が不要になったのはつい最近、それだって雨が降らなければの話って状態。
 その雨も、まるで狙ったかのように週日は晴れ、土日は雨、って状態が続き、まことに不愉快極まりない。
 かと言って練習しないわけにも行かないので、小雨くらいなら苦虫噛み潰したような顔で出かけていた。

 昨日がやっと晴れ。快晴ではなかったが十分。帰ったらしっかり焼けていた。
 目的地は旧雄和町の高尾山。
 県道から入るルートは二つあるが、そのどちらも急峻。練習コースにしている人は多い。俺程度の足だと、ひどいときには 5km/h にまで落ちる。それだと押して歩くのと変わらない。しかも、そのほうが楽。
 途中、外人さんを追い越した。
 ヒーコラ言いながら高尾山荘到着。頂上ではないが、普通はそこがゴール。
 先客の若者が一人。水をがぶ飲みしていると、彼が急に立ち上がった。さっき追い越した外人さんを迎えに行ったようである。
 その外人さん、開口一番、「こえ!」。

 一休みして余裕が出てきたので、ちょっと話をしてみたら、その外人さんはどうやら秋大の先生で、若者は学生らしい。
 先生の方は日本語が堪能のようだが、若者の方は日本語と英語を混ぜて話している。ちなみに俺は日本語オンリー。
 高尾山荘付近はビューポイントなので、ときどき車でやってくる人がいる。そんな感じの老夫婦がこちらにやってきて、道を聞いた。若者が答えのだが、そこはきっちりと秋田弁だった。

 色々な種類のコードチェンジ、コード選択を観察できた。
 何度か書いたが、俺のコードチェンジはここ数年、雑になってきている。
 基本的には、秋田弁イントネーション、秋田弁アクセントの混じった共通語、というか、共通語風秋田弁とでも言うべきか。実家に帰るとかなり秋田弁よりになる。まぁ、それはよい。
 雑だというのは、東京なんかに行ったとき。特別意識せずとも全国共通語になるのだが、油断すると秋田風イントネーションやアクセントが顔を出す。しばらく経ってから、あ、と思ったりする。
 今回の場合も、共通語風秋田弁である。知らない人だから、普通は全国共通語の形になるはずなのだが、その先生がかなりきさくというか、陽気なアメリカ人って感じだったので、多少くだけた表現も許される、という判断である。
 まぁ、英語で話せるか、という問題はある。やってみようか、と思わないこともなかった。向こうが理解しようと努力してくれるだろう、という感じもしたし。結局、面倒なんでやらなかった。疲れてたし。

 これも前に書いたような気がするが、秋田弁話者のいないところで秋田弁を使うのは難しい。端的に言えば、東京なんかで、まださほど親しくない人の中で、「秋田弁でしゃべってみて」って言われたようなとき。
 今回のケースは、知らない人ばかりである。しかもどちらも共通語。だが、俺が共通語にしなかったのは、「共通語風秋田弁」という手があったからであろう。語彙と文法は共通語のまま、音声面だけが秋田弁。いい感じで中を取った表現形式なのではあるまいか。

 ちょっと古いが、面白いブログを見つけた。「masahirorの気まま記録簿」の 2005/10/18 の記事。
「宮崎弁でしゃべってみて」と言われても中々難しいが、一定のフレーズで切り出せば、割と入りやすい、というもの。なるほど。大学生のときにコレを思いついていればなぁ。

 自転車者はこういう日焼けをする。
   
 半袖のジャージだから、肘から先が焼けるのはわかるとして、手の甲にある点は何か。
 これはグローブの形による。マジックテープで止める形なので、隙間ができる。そこだけ焼ける、というわけだ。
   
 月末は矢島でヒルクライム。5km/h とか言ってる状態で、大丈夫なんだろうか…。




*1
「ローラー台」も「リムトレーナー」も自転車の練習のための道具。
 自転車は漕げば前に進んでしまうので室内練習はできないが、車輪が地面に対して空回りするような仕組みを作ればいいわけである。
 形がうまく説明できないので、どういうものかはググってみてほしい。 (
)





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