Speak about Speech: Shuno の方言千夜一夜




第745夜

大地震



 地震が起こったのは金曜の午後だから、当然、仕事中である。
 数日前にもそれなりに強めの地震があったが、それとは明らかに揺れ方が違う。これは、パソコンの電源を落とした方がいいだろうか、と思っているうちにブツっと停電した。
 みな一斉に気象庁のサイトにアクセスしたり、ワンセグを見たりし始める。そういや、数ヶ月前に地震があったとき、自分のも含め、ほとんどのケータイが一度に鳴り、地震速報が流れた、ということがあったが、今回は一台だけだった。
 停電しているのがオフィスのあるビルだけではない、ということがわかったあたりで帰宅指示が出た。信号がほとんど機能していない中、できる限り小路 (もともと信号のない道) を選んで帰宅。危ないから置いて帰る、って人もいたようだが、今後のことを考えるとちょっとそれをする気にはなれなかった。
 困ったことケータイのバッテリーが切れる寸前である。こまめな充電をするとバッテリーが早くヘタるのでギリギリまで充電しないようにしているのだが、それが裏目に出た。山形の妹夫婦と連絡が取れた後、上司からの呼び出しが入った瞬間にアウト。
 幸い、固定電話は使えたが、実家が出ないので、ありったけの食料を持って向かったところ、蝋燭で晩飯中だった。
 俺のケータイは既にアウト、父は電話機能しか契約していない、ラジカセは単一電池 8 本とかいう大食いで在庫はなく、唯一の情報源は単四電池の携帯ラジオのみ。ずっとつけておくわけにも行かないので、情報は入ってこないに等しい。
 翌朝、9 時すぎに電源が復旧。これは、そこが公共施設の多い地域だったかららしい。俺は一旦、自分のアパートに戻ったが、実家よりも都会なのにそこはまだ停電していた。途中で見たスーパーやコンビニ、電気店、D.I.Y. ショップなどは大行列。
 テレビが見られるようになったらなったで東日本全域の惨状が映し出される。これを前日の夜に知っていたら、怖くてとっても寝られなかったのではないだろうか。
 秋田の被害は他地域に比べると軽微である。山形ともに、むしろ復興のための中核地域となるべく動き出したというような情報も入っている。それが掛け声だけでないことを祈る。

 今週はこれだけ。
 地震は古い日本語で「ない」「なえ」と言い、それの変化形を使っている地域もある、ということだけ触れておく。

 一日も早い復興を祈りたいところだが、これは年単位の時間がかかる被害の様な気がする。
 神戸のときに我々東日本の人間がいかにのんきだったか、ということを思い知った。




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