こないだ実家に帰ったときに、もらい物だという米を俺がまたもらってきた。
なんでも、はさ掛け天日干しの高級品だそうで、俺みたいなのが食っては申し訳ないような代物なのだが、タダでもらえるのだからあれこれ言わずにもらってきた。
ところが困ったことに、残業攻勢継続被弾中の俺の場合、頼りは無洗米である。とてもじゃないが研いでる暇はない。いきおい、その高級品が残る。
が、いつまでも残しておくわけにはいかない。で、先週の休み、そういえば焼き豚が残ってたな、と思い出したのでチャーハンにしてみた。
これが暴挙であることに気づいた人もあろう。新米である。しかも、あきたこまち。粘り気のあるもちもちとした食感を誇るあきたこまちが、パラパラになることが条件であるチャーハンに合うはずがない。
料理がうまい人なら、その辺なんとかするんだろうが、俺は水を極少にする程度でお茶を濁した。案の定、ベタベタである。まぁ、さして気にもしないで食ったけど。
ご当地ブランドがたくさんある米の中には、方言を使ったネーミングがされているものもあるに違いない、と思って調べてみた。
ググったら、「
やまがたアグリネット」というサイトに「
山形県米の図書館」というページがあって、そこで色んな資料が公開されている。
で、全国の作付け銘柄が載っている文書があったので (
平成 22 年版 (PDF)) 見てみたのだが、なんと、北海道の「
ゆめぴりか」、秋田の「
めんこいな」、沖縄の「
ちゅらひかり」しか見当たらない。がっくりした。
一覧を見て思ったのは、「米は女性である」ということ。
「あきたこまち」を筆頭に、山形で売り出し中の「つや姫」、中国地方に多い「きぬむすめ」、ほかに「紫の君」「かぐや姫」「天竜乙女」などなどいくらでも出てくる。さらには「ミルキークイーン」「ミルキープリンセス」なんてのもある。
男だと言えそうなのは、「ほしたろう」「夢はやと」くらい。
もち米だと「もちむすめ」「もち美人」「オトメモチ」なんてダイレクトなのから、「式部糯」みたいな文学系もある。「たつこもち」は言うまでもなく秋田。
酒米になると、「彗星」「龍の落とし子」「神力」など、ちょっと毛色が変わってくる。こっちには、「秋田酒こまち」くらいしか女性はいないようである。
あ、「夢」「ゆめ」も多い。
そういえば、学生の頃に読んだ、新潟大学 SF 研究会の雑誌は「超光速」と書いて「こしひかり」と読ませていた。
品種じゃなくて、例えば、「○○県で作ったコシヒカリを◇◇◇というニックネームをつけて売る」というようなこともあったような気がするんだが、キーワードが思いつかない。
例えばイオンの
オンラインショップには、「見返り美人」という名前のひとめぼれがあるし、イトーヨーカ堂は今年、埼玉の米を「彩のかがやき」という名前で売っている。そういうのもカウントすると、結構な数になると思うんだが、調べがつかなかった。
米では広がらない。
「
日本いも類研究会」にジャガイモとサツマイモのも品種一覧があったのだが、ここでも方言は見つけられなかった。「
ピリカ」はあったが。
それにしても、じゃがいもの種類の豊富なこと。カルビーが作っているポテトチップス用のジャガイモがあったのでビックリした。
カボチャは。“
Farm to Wellness”というところのブログに
一覧表 (PDF) があったが、やっぱり方言関係はなし。
ズッキーニってカボチャなのね。キュウリの仲間だと思ってたよ。
ほかに、麦やキュウリなども調べてみたが、見つからず。
品種改良が盛んに行われているのかどうか、というあたりも絡んできそうな気はする。まぁ、野菜の品種改良がどういう感じで行われてるのか知らないけど。
あと、地域単位で行われているのかどうか、ということも関係あるんだろうね。
と思って、
秋田県農業試験場に行って見たが、「
めんこいな」しかなかった。
蕗の品種改良もしてるのね。「こまち笠」ってそのまんまな名前だけど。
そこに書いてある独自品種のうち、2 割が「こまち」がらみ。そろそろ「こまち」はやめろ、という意見を新聞の投書欄だか、Web の記事だかで読んだような記憶がある。まぁ、統一性という観点ではアリかもしれないとは思うが。
大いに不発に終わってしまったが、おそらく調べ方が悪い。
最後に「農業試験場」にたどり着いたが、全国の試験場のサイトを見てみると何か見つかるかもしれない。それについては、いずれ。