車がらみの方言、つづき。
「
車に積む」と言ったら、何を。
どうやら四国では人のことらしい。
「
積んでって」というのは、「車に乗せてって」という意味なのだそうだ。高知と徳島の人の記事が見つかる。
いや、まぁ、物理的には同じことである。逆に、荷物の方には「のせる」と使うことがある。尤も、字は「載せる」になるが。
昔、山手線で、ラッシュ時間帯にはシートがたたまれてしまう車両が導入されたとき、「荷物扱いされてるみたいで嫌だ」という意見があったが、それを思い出した。
当地の人たちは、自分のことを荷物だとは思っていないに違いないが。
では荷物の方は。
山形と宮城で、「
荷物をつける」という言い方を見つけた。意味は勿論、「載せる」。福島、山梨、長野、新潟、福井の例が見られる。
原付の後部キャリアにくくりつけるんだったら「つける」でも違和感はないが、トラックの荷台とかだと驚くかもね。
もう一つの「
つむ」。今度は、「車が」。
これは渋滞。
三重がほとんどだが、大阪、和歌山の例も散見される。
大辞泉で「詰む」を調べてみると:
だそうだが、2 が一番近いと思う。他動詞の「つめる」だと意味が 12 個もあるのだが、ギュウギュウになってる状態を想像すると納得がいく。
面白いの見つけた、と思ったら実は微妙だったのが「
頓車」「
豚車」。
北海道方言辞書 によればタクシーのことらしいのだが、どうもそれに触れている記事があんまりない。「タクシー」と AND をとっても数十件しかでてこない。
文脈で推測した感じでは、「頓車」は重量の単位を言っているような気がする。トラックとかにふれた記事でよく見る。ただし、重量のトンの漢字は「屯」である。
「豚車」になると揶揄のニュアンスを帯びる。まぁ、しょうがあるまい。
こっちも重さについての使い方があるが、これはなんだか乗用車の雰囲気。ワゴンの類の大きな奴について、そういう趣味の人たちが使っているようだ。
かと思うと「象豚車」っていうのもある。どうやら、改造して積載量を増やしたトラックのことらしい。本来は「増屯車」ってあたりか。
いや、この解釈にはあんまり自信ないんだけども。ほんと、車にうといわ、俺。
ゲームの世界には、馬車、牛車ならぬ「豚車」というのがあるそうで、それについての記事も多い。
最後。
見るテレビ番組が偏ってるもんだから、話題になってるなんて知らなかった。
トヨタの
パッソの CM.
出演しているのは、
仲里依紗と
森三中。今なら、オフィシャルサイトで
ムービーが公開されているので、未見の方は是非。
どういう CM かと言うと、パッソで乗り付けた仲里依紗たち、バゲットの入った袋を手渡しながら、なにやらオシャレな会話。
字幕までついてるのでフランス語かと思いきや、これ実は津軽弁。
書き取ってみた。
「焼きたてのうちに」は意訳で、直訳だと「湿気る前」。
びっくりしたこと二つ。
仲里依紗の津軽弁がうまい。つか、きれい。彼女は長崎出身らしいのだが、おそらく演出時に「フランス語風に」というような指示があったのだと想像する。
それと「
うだでぐうめよ」。
秋田弁で「
うだで」というのは、不快感・嫌悪感の表明である。津軽では単なる強調なのか。
もっと言えば、「
鍋さフォンデュ」というのにも違和感がある。この場合、「
さ」ではなく「で」の様な気がする。
東奥日報が
記事にしている。
これによれば、方言指導をしたのは、
高谷智子という俳優さん。「三丁目の夕日」でも方言指導をしてたらしい。
面白いのは、この
プロダクション・タンクという事務所のサイトには「
方言指導一覧」というページがあること。俺が見た作品がたくさん並んでいる。
さて、ディーラーに行ってくるか。