高校野球には興味がないのだが、お盆近辺で帰省してたり、そこから親戚回りしてたりすると、俺の意思とは無関係に中継を見せられたりすることがある。尤も、数年に一回しか顔を出さない相手と気まずい状況にならずに済む、というメリットもないではない。
そこで、休場のアナウンスのイントネーションが気になった。妙なのである。どこの学校だか知らないが田中という選手がいたらしく、これを:
たなかくん
というイントネーションで発声している。
まぁ、そういう業界独特のルールがあったりするんだろうか、と思っていたのだが、その後、
NHK の「バラエティー生活笑百科」で四角い仁鶴がまーるく収めているのを見てたら、ゲストの横山ホットブラザーズがまさにそのイントネーションで「田中君」と言っていた。
甲子園の場内アナウンスは関西弁だったのか。
気になったので試合開始のあたりをいくつか録画してメモしてみた。
ひふみくん
おおしろたくみくん
たなかくん
おかもとくん
むらいくん
なかむらくん
おおきくん
かねこくん
たかはしくん
きむらくん
しぶさわくん
いとうくん
という具合。名前の部分が高くて、「君」でストンと落ちる。標準語形だと「くん」の途中で落ちるのだが、ちょっとの違いでエラく違って聞える。
「一二三」「田中」「村井」と三文字の苗字が多いと思ったが、四文字もあるし、フルネームであっても同じようなイントネーションになるようだ。長さは必ずしもキーではない。
どうやら「君」がつくのがキーではあるらしい。確証を得るには、呼び捨てにされる審判と比較するのがいいのだろうが、俺が見ることができた範囲では、選手名と同じ苗字の審判が出てこなかった。
*1
一説によると、「君」をつけないときに平板もしくは上昇調だった苗字は、「君」をつけるときに下げる、ということらしいのだが、そもそも、「君」をつけるときに下げる、という理屈がわからないのでちょっと納得できない感じはある。
「伊地知」という選手がいたが、これは「君」がついてもこのパターンではなかった。でも、俺の感覚だと「伊地知」って上がりっぱなしなんだけど。
この辺、関西ネイティブじゃないとピンとこないのだろうか。
大体、語彙や文法、他のイントネーションはどうやら標準語風である。名前だけが違うのはどういうわけだ。
甲子園近辺の言葉ってどうなるの?
場所は兵庫県西宮市だが、かなり大阪寄り。大阪だと思ってる人も全国的には少なくないと思うけど。
地方予選では、高校生がアナウンスをするらしい。
神戸新聞の
記事によれば、「(OG が)名前の語尾を下げ気味に読むテクニックも伝授する」とのことだから、あのイントネーションは意図的にやっているのだ、ということになる。
ここまでは人の名前だったが、高校名もひょっとしたら問題になっているかもしれない。短い名前だったらさほど問題にもなるまいが、長かったら結構、怪しいイントネーションかもしれない。
いや、実は秋田の学校がニュースに出たとき、違う、って思ったことがあったんだが、どこの学校だったか、そもそも何の話だったか覚えていない。
野球場のアナウンスは、野球ファンにとっては個別認識可能なものらしい。こんな風に、集めてある
ホームページがいくつかある。
これ聞いて思ったんだけど、「四番」のことを「
よばん」って言うよね。普通は「よんばん」だと思うんだけど、これも野球に限った話だろうか。
「限った」は言いすぎか。でも、例えば、下駄箱・ロッカーの類、あるいはボタンその他の番号を尋いたら「
よばん」って言われたって経験はないような気がするなぁ。
野球ゲームには、アナウンスの声を調整できるものがあるらしい (コナミの
プレスリリース)。
プロの人の
ホームページが見つかった。なかなか厳しいようである。
昔、テレビ局のアナウンサーが場内アナウンスを経験する、って企画を見たことがあるんだが、「ファウルボールにご注意ください」ってのはファウルが上がるたびに必ず言わなきゃいけないとか、ニュースを読んだりレポートしたりするのとは全く勝手が違うらしくて、半べそになっていた。
ちなみにタイトルの「球場で休場」は、昔の放送だと、例えば「快晴となりましたここ甲子園球場では」というのを:
こ
うしえんきゅうじょう
というイントネーションで言うことが多くて、「こうしえん」って名前の関取が怪我でもしたのか、と突っ込んでたのを思い出したから。最近は聞かないなぁ。
つか、俺が高校野球の中継を見ること自体が非常に少ないんだけど。