門外漢ではあるが、秋田のスポーツの話。
こないだ、秋田のプロ バスケットボール チームの名前が決まった。
当初、9/10 に発表のはずだったのだが、応募数が予想外に多くて選考が間に合わず、2 週間延期した。
新聞記事にもなっているが、その中には秋田弁を取り込んだものも多く、俺もかなり期待した。
そして連休最終日の 9/23 に発表。
「ノーザンハピネッツ」。
方言はどこへ行った。秋田らしさはどうした。
応募総数は三千を越えたそうである。
9/10 の記者会見では全部を印刷した紙がテーブル一杯に広げられたらしい。写真に一部が映っていたので、そこから秋田弁らしいものを読み取ってみた。端っこしか映ってないので、ア行とカ行ばっかりである。
アテルイ
坂上田村麻呂と戦った蝦夷の長の名前である。
秋田弁というのとは違うし、そもそも秋田の人ではない。
だが、北東北発のプロバスケットチームということで選ばれたのであろう。
アラゲクラッサ
「
アラゲ」と「クラッサ」だと思う。
おそらく前半は「暴れる」という意味の「
荒げる」であろう。
後半はわからない。「くわらす」から来たのだろうか。
アラゲルズ
アラゲル
前述。
オモシェ
「面白い」。
スポーツチームにつける名前としては異色と言っていいかもしれない。
地域を面白くしてくれるように、という意図だろうか。
カダール
「仲間に入る」という意味の「
かだる」であろう。「かててくわえて」の「糅てる」である、ということは何度も書いた。
ちなみに、青森市の複合ビル“
AugA”内の「男女共同参画プラザ」が「カダール」という名前である。
カダパリハリー
この辺から写真の字が小さくなって読み取りに自信がない。
「意地を張る」ことを「
かだぱりこぐ」と言う。それであろうか。「
肩張り」である。
ネーミングの由来は不明。
ガッセエル
わからない。でもなんだか方言臭がする。
カデッテバ
おそらく「勝てってば」だと思う。ファンの悲痛な願いが込められている。発足したばかりだというのに。
記事に紹介されていたのは他に「
カントーレ (竿灯)」「
ゲハマーナ (なまはげ)」「
シダーズ (杉)」がある。
「ハピネッツ」を考えた人と選んだ人には申し訳ないが、少なくとも、強そうな感じはしない。「ハッピー」の「ネット」という発想はいいと思うんだけど。
「
ハピネット」という映像ソフトの会社がある。スポンサーになってもらったらどうか。
ラグビーの「
ノーザンブレッツ」と揃える形で「ノーザン」をつけたのはイメージ戦略という点で大いに評価したい。
聞くところによると、新潟では「アルビレックス」を、サッカーだけではなく陸上やウィンタースポーツのチームまで冠しているという。
なお、「ノーザンブレッツ」命名のもとになった“bullet(s)”はどちらかと言えば「ブリッツ」が近い。
さらに逸れれば「・」という記号は、「バレット」と呼ばれる。同じ語である。
ノーザンハピネッツが属する
bj リーグのほかのチームを見てみる。
最も解りやすいのが、「
京都ハンナリーズ」。オフィシャルによれば「上品で明るく華やかなさま」で、プラス イメージの語ではあるが、スポーツ チームの名前としてどうか、という気はする。
逆に一番わかんなかったのが、「
仙台 89ERS」。
仙台市が生まれたのが 1889 年、政令指定都市になったのが 1989 年ということで、仙台に関係の深い数字、ということらしい。
「
大阪エヴェッサ」は、調べようとした瞬間に解った。「戎さん」「
えべっさん」であろう。
「
大分ヒートデビルズ」は、意味はわかるとしてなんで大分で、と思ったが、別府温泉の地獄めぐりだそうだ。まさに地元密着。ロゴに温泉マークがついてるのもほほえましい。
「
琉球ゴールデンキングス」もうっかりすると見過ごしそうになるが、昔、琉球は王国だったから「キング」、と聞けばちょっと背筋を伸ばしたくなる気もしないことはない。
今回のことで知ったのだが、バスケットのコアなファンのことを「ブースター」というらしい。
それにしても、ノーザンハピネッツ。
ここには書かないが、妙な省略で揶揄されないことを祈る。