先週、「
カミングアウトバラエティ 秘密のケンミン SHOW」で秋田が舞台になったときのことを書いたが、それで久しぶりにホームページを見たので、それを使って一本いってみたい。
一番、方言らしいのが、「
あかもも」
(08/12/11)。
山形で、トランプのハートのことを言うらしい。スペードが「
くろもも」。
いつごろ生まれた言葉なんだろうねぇ。トランプ自体も日本で普及してから百年そこそこだろうけど、あの形を桃と見るのはそう昔のことではないような気がする。「気がする」でちゃんとした根拠があるわけじゃないんだが。
ハートとスペードだけで、クラブやダイヤに俚諺形がないのも、なんかノリで生まれた表現じゃないかなぁ、って思わせる。
宮崎では、酔っ払って管を巻くことを「
山芋を掘る」と言うそうだ
(08/08/07)。ウェブでは鹿児島弁という説明も見かける。
説はいろいろとあるようで、山芋は土の中に埋まっていてスポっと抜くわけに行かずどこまでも掘らなければならないことから、しつこいことが共通しているとか、ブツブツと口の中であれこれ言いながら考えて掘らなければならず、そのブツブツ言うところが似ているとか。
秋田で真っ先に思い出すのが「
ごんぼ掘る」だが、これはどっちかっつーと、駄々をこねる、横車を押す、で酒とはあんまり関係ない。
大体、「管を巻く」だって似たような発想の表現だよな。この「管」は糸を巻きとるためのパーツで、ずっとブンブンうなってることから、何度も同じことを繰り返す様子を言ったもの。
山口では、「四本」を「
よんぼん」と言うらしい
(08/05/22)。
面白い。山形の「
2 かっこ」と同じくらいユニークだ。
方言現象をウェブで調べると「うちでは言わない」「聞いたこと無い」という発言が多く見られるのだが、これの場合、「そういえば」という発言が多かった。ひょっとしたら、「気づかない方言」なのかもしれない。
熊本で、車のウィンカーを「
アポロ」と呼ぶ、という記事がある
(08/03/20)。昔、アポロという会社のウィンカーが普及していたことに寄るそうだが、どうも熊本に限った話ではないらしい。
Wikipedia では特に地域を区切らずに、年配の人が言うことがある、としている。
ケンミン SHOW のページでは触れていないが、腕木式の、外付け (後から付ける) ウィンカーのメーカーだったんだね。キッチンの
サンウェーブに吸収されたというからびっくりだ。
これが方言だとすれば、「
サビオ」系の方言ということになるのかな。
似たような経緯っぽいのが、富山の「
ラフランス」
(08/03/13)。これは消防車。勿論、メーカー名。
だとすると方言とは考えにくい、ということになるのだが、北日本新聞の 2008 年の「越中・とやま弁大会」の
記事によれば、「
サルコジの恋の炎にラフランス」という川柳が賞を取ったのだそうで、少なくとも富山では理解される表現だということになるようだ。
あとは、岡山でヤマメのことを「
ヒラメ」と呼ぶとか
(08/05/29)。
これの面白いところは、海の魚があまり入ってこないことからそう呼び方になったわけだが、流通の発達した今でもそれは生きていて、「
海のヒラメ」「
山のヒラメ」と呼び分けている、というところ。かなり浸透しているらしい。
サメとワニも、その辺りの表現だったな、そういえば。
山形はどうもこの番組では特別扱いされているらしい。山形の特集をやった週もあったようだ。
スベリヒユという植物を「
ひょう」と呼ぶ
(08/12/11)。後半の「ヒユ」が変化したんだろうか。
うちでも食うが、母親はあまり好きではないらしい。茹でるとお湯が真っ赤になる。これをおひたしとして食うわけだが、味にも癖があるので、好き嫌いは分かれるだろうねぇ。
宮城の「
ミカサのバッグ」も面白い
(08/10/23)。
ミカサは有名なボールメーカーで“MIKASA”というロゴを見たことがある人も多いはずだが、大会でバッグをもらったバレー部員達が持ち歩いたことから流行したのだそうだ。
秋田市では、「
東中バッグ」というのがある。中学生あたりがもつ、紐の部分が長いバッグのことらしいのだが
*1、「東中
(とうちゅう)」は一般に、秋田東中学校のこととされている。ただし、東中はそのようなバッグを定めていない、とのことで、なぜそういう呼び方になったのかは不明。
聞くところによると、「
法政バッグ」というのもある由。法政大学第二高校の
FAQ に「学外の人には売ってない」という一文があるくらいだから、有名なんだろうねぇ。
俺の世代だと、バッグと言えば、“MADISON SQUARE GARDEN”だったがな。なんであれが流行ったんだろうなぁ。