オタク濃度の高い話。
「
仮面ライダー カブト」から。
コレジャナイロボかよ、という無骨なスタイルからキャストオフ
*1すると、顔面に蝶番がある、というとんでもないデザイン。
放映開始前から色々と話題になり、始まってからも、一向に進まないストーリーと、鼻持ちならない主人公 A と頼りがいのない主人公 B の漫才、チャンネルを間違ったかと思うようなお料理教室の連続で喧々囂々。感想ブログはたくさんあるので探してみるとよい。因みに俺は苦手である。というか、復活第一作の「仮面ライダー クウガ」以外はみんな苦手。「
カブト」の唯一の救いは、
永田杏奈とか、
三輪ひとみ とかの美人がいっぱい出てくるこである。
あと 4 ヶ月で終わる番組の紹介はその辺にして、カブトムシの話。
子供の人気者みたいな扱われ方をすることが多いが、それは評判の再生産 (誰かが大した根拠もなしにそう言い、それを耳にした人がそのように行動し、後からその通りになる) ではないか、という気もしないことはない。でもまぁ、確かにわかりやすいからな。バッタとかと違ってつぶれにくいから、子供でも扱いは楽だろうし。
昔、飼ってたことがあるが、結局、どうなったんだっけか。
調べてみないとわからないものである。こんなに呼び方のバリエーションがあるとは思わなかった。
まずは『秋田のことば (秋田県教育委員会編、
無明舎出版)』から秋田での呼び方。
「
おにがら」。
「鬼殻」であろう、としている。
『語源探求 秋田方言辞典 (中山健、秋田協同書籍)』によれば、「
つのがらむし」とも言う由。
幼虫は「
ごどごどむし」。わかりやすいと言うかなんと言うか。
古くは「
さいかちむし」と言ったらしい。サイカチの木に集まるからだそうだ。
気の毒なのはメスである。「
ブタ」「
バフン」「
ベンジョムシ」。不憫だ。
この辺の単語は、幼虫のことをさす場合もあるらしい。
オスのほうは、「
オニムシ」「
ツノムシ」などとも呼ばれるが、これ実は、クワガタムシをも含んでいることがある。一本角と二本角とだから、鬼にたとえるのもごく自然の話。
英語の“beetle”も、クワガタムシが“stug beetle”であることでもわかるとおり、両方を指す。カブトムシというよりは、「甲虫」である。
*2
バラエティに富んでいるのはクワガタの方である。
ミヤマクワガタのことを「
ジュウバコ」「
ハコ」など、「箱」にたとえた表現が幾つか見つかる。
また、源氏だの平家だのという呼び方があるのも面白い。ホタルだけかと思ったら、クワガタもか。
この辺は、「
ビートルマガジン」の“I Call Your Name”に一覧がある。
ライダーに倣って、ほかの虫も見てみる。
蜂はあんまり見つからず。
トンボ。
秋田では「
だんぶり」。津軽でも言うらしい。トンボの飛んだ方向で泉を見つけて大金持ちになった、という筋の、「だんぶり長者」という民話がある。その泉から流れ出た水が米代川なんだそうな。
水溜り・沼地・湿地などを「だんぶ」と言うらしい。そこにいる虫に、その名前がついた、と。
古くは「あきず」「あきつ」で、秋田には「
あげじ」という言い方もあるらしいが、日本のことを「秋津島」と呼んだ、というのはトンボが多いところだから、というころらしい。
関東に「
げんざ」という形があるが、佐竹氏が常陸から異動してきたときに秋田へ持ち込まれて、濁点はすべて秋田弁固有の単語だから取ってしまえ、という過剰修正の結果、「
けんざ」という形ができた、とある。
これはよく方言地図を目にすることがある。
サソリ。どこにでもいるものではないから、案の定、俚言形は見つからなかった。サソリって食えるらしいね。
こいつは節足動物で昆虫ではない。まぁ、トカゲのライダーとかカメレオンのライダーもいることだし、いいか。
ここからは、その字すら見たくない、という人もいるかもしれない。尤も、昆虫自体、好き嫌いのあるものだが。
ゴキブリも甲虫である。そう、カブトムシの仲間。
で、上に上げた「
ツノムシ」だが、これがゴキブリを指している地域がある。
一覧が、「
ゴキブリ撲滅委員会のまとめサイト」にあるので、平気な人は見てみるとよい。
古語辞典を繰ってもらうとわかるが、平安時代には「こおろぎ」のことを「キリギリス」と呼んでいた。
今では、トンボとカゲロウは別物だという認識は多くの人が持っていると思うが、「蜻蛉」と書いて、「トンボ」とも「カゲロウ」とも読む。
このあたり、さほど正確に分類されてはいなかった、ということだろう。
ライダーの方のカブトはここに来てやっと話が動いてきたものの、3 年前の“555”と似たような展開になってきているとの声がしきり。
俺が、「仮面ライダーは制度疲労を起こしている」と思ったのはその頃である。
そろそろ仕切りなおしをするべきじゃないかな。