久しぶりに東京まで行ってきた。去年の暮れ以来だから、8 ヶ月ぶりだ。
秋田より暑いのは間違いないが、やっぱり全体としては涼しいようだ。ホテルに着いてから出かけるとき、T シャツだけでいいかどうか迷った挙句、1 枚シャツを重ねた。夕方だったせいもあるが、そう暑いとは思わなかった。
行くときは何も言われなかったが、帰るときに、羽田で荷物を預けさせられてしまった。危険物の持ち込みに引っかかったのである。
引っかかったのはナイフなんだが、カード型の文具なんである。キャッシュカードくらいの大きさのカードに、ボールペンとか定規とかが入っているあれだ。確かにペーパーナイフはくっついてるが、小指くらいの大きさで、刃だってお世辞にも鋭利とは言えない。持ち手も 3cm くらいしかないからあれで人を傷つけるのは至難の業である。
あれを見つけ出す検査機械も、それはそれで大したもんだと思うが。
受け渡し用の用紙では、「アーミーナイフ」の欄にチェックがついていた。あれがアーミーナイフか。
前に、「肥後守」と「ナルビー」の話をした。文具系のナイフである。
関西系で、「ミッキーナイフ」というのもあるらしい。「ミッキー」は、あの働き者のネズミのことらしいが、商標とってるのかな。\100 かそこらの文具にディズニーのキャラクタ使用料なんて割に合わないような気がするんだが。
さて、秋田の「
まぎり」だが。
どうやら、津軽から秋田にかけての言葉らしい。当然、北海道もその範囲に含まれるが、「包丁」を指すこともあるようだ。
と思ったのだが、こういうページを見つけた。
夢・仕事という。
浅草の職人さんたちのサイトらしいが、この中の、扇子のページで、
というのがある。写真が載ってないので本当に料理に使うような包丁でやるのかどうかはわからないが、そうなんだとすると、「まぎり」というのは本来、「包丁」を指す言葉だったのだろうか。
さがしてみた。東奥日報 (青森の新聞社) の記事で「まきり包丁」という表現が見つかった (
たとえば)。かと思うと、石川の加治屋さんの
発言もある。
扇子の (扇子に限らず伝統工芸ってそういうものだろうけど) 作り方は、京都と江戸とで違ったらしい。その場合、「
まぎり」に相当する作業は京都でもあるのか。あるとして、なんと呼ばれるのか。
碁盤や将棋盤の升目は、刀で描くのだ、というのはご存知だろうか。
刃のない刀に墨をつけて、手前に押し付けてから向こうにスイっと倒す。確か、そんなようなやり方だったはずだ。
ネットで「
まぎり」を探すと、あちこちの祭りが見つかる。「
おおまぎり」というのがほとんどだが、巨大な山車を方向転換させることを言うらしい。「曲がる」なのかな、と思ったが、「横切る」の「切る」もあることだし、ちと断言は避けておく。
あと、船の用語で「間切り」というのがある。ジグザグの進路を取って風上の方向に進むことを言うのだが、そっちなのかもしれない。ジグザグに進むには方向転換を繰り返すわけだし。
「間切り」では、部屋の区切りを指す用例も見つかる。
俺の語彙では「仕切り」「間仕切り」となるのだが。
これは、一部屋を分割するためのものだが、稀に、部屋と部屋の間の区分を指す用例もある。人によって揺れがあるようだ。
話が逸れた。刃物に戻そう。
とは言っても、そうそうあるわけではないのだが。
「
なだづげ」というのはどうだ。「鉈漬げ」と書く。
ダイコンをナタで切った、大きめで不規則な形の漬物である。麹で漬けたものかな。鉈を漬けてあるわけではない。
これのポイントは、切れないナタでバコッバコッとぶち切ることである。そうすると切断面がザラザラになって発酵が進み味がよいんだとか。ラーメンで、縮れ麺だとスープが絡む、とかそういうのと似たような話だろうな。
初めて、空港の人に迷惑をかけてしまった。
前から、遅刻しそうな人や時間になっても搭乗口を通らない人とかを探して走り回っている係員を見て気の毒だなぁ、と思っていたのに。
それにしても、カード文具がダメなら、十徳ナイフなんて絶対ダメだろうな。欲しいんだけど。