二月の下旬に一旦、雪がほとんど消えた。車道と、一定量の人通りがある歩道が通れるようになったので、自転車通勤を再開。
職場までは徒歩で 45 分だが、自転車で行くと 20 分になる。なお、車だと 30 分。
この 25 分の差が往復で 50 分、つまり 1 日あたり 1 時間ちょっとの余裕ができるのだが、これはとっても大きい。朝飯が食えるようになるし、夜、帰宅してから洗濯ができる。
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まぁ、どうせもう 1、2 回は積もるんだろうけど。雪のはずが雨になる、ってこともあるし。
『秋田のことば (秋田県教育委員会編、無明舎出版)』で雪関係の単語を引いてみる。
「
ゆぎちんぼ」は、吹き溜まり。「雪壷」らしい。
「
ふぎ」は吹雪。「
ふぐ」が、「吹雪く」という動詞。
「
あまげし」は「雨返し」で、冬に雨が降った後に起こる吹雪。
最近、知ったのだが、「なだれ」って新潟方言なんだそうである。そういや「雪崩」って当て字っぽいもんなぁ。
「
なだれ」というのは全層雪崩で、表層雪崩は「
ほうら」なんだとか。「
登山用語集」ほか、いくつかのサイトに記述がある。
まぁ、江戸や東京で雪崩が発生するわけはない。他の地域の表現を借りてくるしかないだろう。
大辞林によれば「傾れ」とも書く由。雪崩ってのは斜面で起こるものだから、その二語に関係もあろう、というところではあるのだが、「雪崩」を「
なぜ」という地域もある。
雪崩は斜面をザッと撫でる動作に似ていないこともないので、こっちはこっちで関係ありそうな気もするのだが、だとすると「
なだれ」→「
なで」→「
なぜ」という変化を考えたほうがいいのかもしれない。「撫でる」とは無関係、ということで。
秋田では「
ひらちぎ」「
わし」。後者が表層雪崩。
「秋田では」と書いたものの、これは県境付近の言葉。温暖な海沿いでは雪崩を心配しなければならないほどの雪は降らない、ということか。そもそも山がないが。
俺、スキーをしないので、雪って厄介者以外の何者でもないのだが、いろいろと考えている人はいる。
「克雪」「利雪」「親雪」という単語がある。それぞれ、「雪の克服」「雪の利用」「雪に親しむ」ってことなんだが。「治雪」ってのもあるようだが、説明を聞いてもよくわからんかった。「統治」の「治」ではあろうが。「活雪」なんてのもある。これは「利雪」と同じだろう。
利用と言ったら、やっぱり「雪合戦」だと思うのだが。国際ルールもあるそうだし、その大会を月一くらいでやったらよい。たまに、雪を大量に他所に持っていって、汚ねぇ雪で子供を遊ばせる、なんてことをやるが、遊びたかったら雪国に来い、というのが正しいスタンスじゃないか? 小さい子供なんか田んぼに放し飼いにしとけば満足するだろうに。
一番、恥ずかしいのが「親雪」か。雪を厄介者扱いするシステムを作り上げて (実際に厄介者なんだが) おいて、今更「雪に親しむ」ってなんだ。「雪室」ってのがあるけど、あれを使った食い物を販売しよう、って思ったとして、保健所はそれを通すだろうか。無菌状態を目指したがゆえにアレルギーに悩まされる、なんて話を思い出させる。
ちょっと前、「雪国はつらいよ条例」でもめた頃、「克雪」が国語辞典にない、と怒っている文章を見たことがあるが、そりゃ載らねぇだろう。雪国じゃない地域には全く関係のない単語なんだぜ。どこの新聞社とは言わんが、中華思想もたいがいにせんと。