NHK の朝のドラマ、「さくら」の影響で、美濃と飛騨の言葉。
来ようる
「来つつある」
現在進行形、とでも言おうか。
標準語では「〜ている」は二種類の意味を持つ。進行形と完了形である。
例えば、部屋に入ってきた人の頭に水滴がついているとしよう。「雨降ってる?」と聞ける。これは、現在、雨が降っているのかどうかをたずねる表現である。これが進行形。
これに対して、出かけようとしてドアを開けたら路面が濡れていた、という場合も「あ、雨降ってる!」と言える。ただしこれは、現在、降っているかどうかとは無関係で、今は降っていなくとも路面が濡れていれば「雨降ってる!」は使えるわけだ。こっちは完了形である。
逆に言うと「雨降ってる!」だけでは、その瞬間に降っているかどうかはわからない。
それを明確に使い分ける地域がある、ということである。これは西日本でハッキリする。「降りよる」と「降っとる」は、標準語訳してしまうと「降ってる」にしかならないが、意味は丸っきり違う、ということだ。
くろ
「隅」だって。
静岡西部は近いからわかるとして、庄内で使う模様。まさか、と思って調べたが、秋田では使わないみたい。
けなるい
うらやましい。
安永 航一郎氏の漫画で見た記憶があるが、あの人はどこの生まれなんだろう。初期作品の『県立地球防衛軍』は九州が舞台だったが。
ごーかき
「たきつけ用の松葉かき」。
「松葉かき」というのは、「松葉をかきあつめる行為」もしくは「それに使う道具」だと思うのだが、ここではひょっとしたら「かきあつめたもの」を指すのかもしれない。
「ごー」ってなんだ?
ぞーぞ
うどん。
音でしょうねぇ、これは。幼児語っぽいが。
はくしょこく
くぎやくいを打ってもすぐに抜けてしまう。
難しい表現もあったもんである。
「
はくしょくこくら やめとけ」という使い方をするらしい。
投書した人が 50 歳で、その人のおばあさんが使っていた、というから、ひょっとしたらもう使われなくなっている表現かもしれない。
ばんばこ
「風呂のたきもの」。
「たきもの」と言われてもなぁ、という気がしないこともないが、意味はわかる。
この本、やたらと「たきつけ」関係の語が出てくる。この後にも「
もや」という語があり、「たきぎ (木の枝の葉っぱの部分)」だそうだが、ちと意味不明。枝の先のほう、ということか?
ひいてはさみ
一日おき。
確かに、一日おきってのは「日付を間引いて」るし、それをする日としない日がお互いを挟んでいる。この解釈で合ってる?
ひきづり、
ひこづり
スキヤキ。
奥が深いな、美濃。
「スキヤキ」は、スキの上に肉や野菜を乗せて、それを火にかけて焼いたところから来ている名前らしいのだが、さて「スキ」ってどんな道具だっけ、と
大辞林を引く。