塩見岳冬山合宿(’59年1月)
前年の北岳冬山合宿に続き、南ア冬山第2弾として「塩見岳」を選びました。
詳細は部報No.65に掲載した「山行報告」をご覧ください。
『塩見岳のこと』 部報「山靴」No.70−南アルプス特集号より (K.Nagasima)
私が冬山に登り始めて最初の三千米が塩見岳だった。長いアプローチを岩のようなザックに潰されそうになりながら、4日目の早朝にやっと頂上を踏んだ時の感激は、今でも忘れる事が出来ない。あの時の面々は、今では殆ど現役を去ったが面白い連中だった。時々アルバムを眺めては吹き出している。
当時の装備は舶来(アメセコ)の全盛で、ちょうど戦国時代の野武士の様な異様なスタイルである。メンバーの一人「H」等はオールコットンのシャツで奮闘、汗をかき三伏峠で吹雪かれたから堪らない。悲鳴をあげ、脱いだ途端にブリキ板の様に凍りついてしまった。折り曲げてザックのポケットに入れるのに一苦労、帰りの列車の中でも固く凍りついていたっけ。「H」のうらめしい顔を想い出すと笑いが込み上げてくる。とにかく厳しかったが楽しい合宿だった。
山と渓谷社“アルペンガイド(10)”「北岳・甲斐駒・仙丈」よりCOPY
(12月30日)伊那大島8:00→落合10:10→沢井11:00→広河原13:25→尾根取付き15:00(幕営)
(12月31日)出発8:40→三伏峠15:10→三伏小屋16:00(幕営)
( 1月 1日)降雪のため停滞
( 1月 2日)出発10:00→本谷山11:30→権右衛門沢14:50(幕営)
( 1月 3日)出発5:45→塩見岳7:40〜8:10→テント撤収9:20〜11:00→三伏峠15:00→
広河原17:15→鹿塩19:00(宿泊)