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ライフスタイルドラッグの効能とリスク

2006年6月1日号 No.430
 

ライフスタイル・ドラッグとは、「従来の医薬品のカテゴリーから外れる、ないし周辺に置かれた医薬品」のことで、QOL(生活の質)を改善する薬です。

 勃起不全治療薬(ED)、育毛薬、抗肥満薬(食欲抑制薬)のほか、禁煙補助薬、経口避妊薬、睡眠改善薬などが含まれています。

{参考文献} 薬局 2006.4
 

 

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 ライフスタイルドラッグは生命に関わるような症状に関する薬品ではありませんが、ED,男性型脱毛などは本人にとっては深刻であるかもしれず、社会生活を営む上でデメリットを自覚せざるを得ずQOLが脅かされるのです。

 病気になって“未病”ともいうべき半健康状態をどう自律的に改善したり、疾病への移行を防いだりするか、こうした予防医学の一環あるいは一変形としてライフスタイルドラッグは現れるべくして現れたと言えます。

<ライフスタイルドラッグの問題点>

 例えば食欲抑制剤はしばしばダイエット目的で接種され、健康にも悪影響を及ぼしています。

 また、ED治療剤、禁煙補助薬や最近認可された経口育毛剤のように正式に認可されたものもあれば、食欲抑制剤のように米国で認可されても副作用についての情報が不透明なために日本で認可されていない薬もあります。ところが不認可の医薬品であっても個人輸入代行業者を通じての入手は許されています。

 特にED治療薬は認可以前からマスメディアを通じて喧伝されたため、違法な個人輸入が横行し認可後も、その特殊性から輸入代行業を通じての購入が多く、その中には欧米からでなく開発途上国からの輸入品もあり、それらには偽物含む粗悪な製品が数多く見つかっています。

 個人輸入で流通した薬からは副作用が報告されにくく、ED治療薬が優先審査で認可されたのも他の薬との相互作用で致死的になる恐れなどから処方せん医薬品として流通させるという意図があったからです。

 もう1つの大きな問題は、美容外科手術を受ける患者に、個人価値の反映があるように、ライフスタイルドラッグを必要とするか否かが、個々の価値観に基づくことが多いことです。そのため個人のライフスタイルにまで立ち入って相談に応ずることが今まで以上に必要となってきます。

 さらにまた、ライフスタイルドラッグの役割の1つを疾病の予防と位置付けるなら、例えば肥満については薬剤だけでなく、栄養、運動について指導することも肝要となります。EDの大きな原因とされる糖尿病については、こうした指導は欠かせません。

 重要なこととして、ライフスタイルドラッグは特定保健用食品やサプリメントなどとともにセルフメディケーションとして摂取されている可能性があり、これらとの相互作用を警戒して、服用しているかどうかを聞きただす必要があります。

 ライフスタイルドラッグは、今後社会の複雑化とともにさらに様々なものが現れる可能性があり、国際的な情報まで広げた社会の動向を把握して置くことも、医療関係者に求められています。

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<NST関連用語解説> 栄養プランニングはこちらです。


未掲載:1997年

SGMLとは

医薬品情報のデジタル化

JAPIC(財団法人:日本医薬品情報センター)が提供する医薬品情報に関するデータベースとしては現在6種類ほどが作られ維持されています。内容的には医薬品に関する公的な情報として添付文書に関連する常時更新訂正を要する情報の亢進型データベースと毎日のように報告される膨大な医薬品に関する文献情報の蓄積型データベースの2種類に大別されます。

{参考文献}
JAPIC 第26回DIのための情報基礎口座テキスト JJSHP 1998.5

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 このうち常時更新を要する添付文書に関する情報の更新、検索、情報提供の基本的手段として、内部に保管する更新データベースをSGMLによって記述し、維持・利用のフレキシブルな形態を維持することが重要であると考えられて現在その準備がなされています"," インターネットでホームページを作成する言語はHTML(ハイパー テキスト マークドアップランゲージ)で国際電子文書企画と呼ばれていますが、SGML:スタンダード ジェネラル マークアップ ランゲージもそれに準ずる言語です。

 一定のデータ定義(DTD=Data Terminology Definition)に従って、DTDのタグを付けて文章数値等を記述した構造を持つデータベースで、複数のデータベースの間でDTDが同一なら内容が同一であると定義されるため、どのデータベースの内容であってもDTDが同一のデータ内容の更新は自動的に出来ることが特徴です。

 内容変更の多いデータを共有する亢進型データベースの内容の相互の整合性を確立するための手法として注目されています。

 このデータベースでは操作上で大容量の内部メモリを持つ処理速度の速いコンピュータが必要となるため、これまでは一般的な手法ではありませんでしたが、最近では比較的容易にそのようなコンピュータが各施設で採用できるようになってきました。

 現状ではデータベースが大きくなると、UNIXマシンの利用が中心で数百メガバイトの内部容量、外部記憶2百ギガバイト以上が必要とされます。現在稼動しているものでは、米国国防総省の兵器マニュアル管理システムが有名です。

 JAPICではワープロによる添付文書入力ソフトを作成し、DTDを意識することなく添付文書情報を入力しコンピュータ内で自動的にSGMLに展開するすることが可能となりました。

 この入力ソフトを製薬各社に提供してSGML化をソフトサポートすることによりSGML化データベースの整合性を確保することを提案しています。ただし、このDTDは新様式の添付文書に関する項目の設定に止まっており、製薬会社内の各種データのSGML化に際してはさらに細分化したDTDの追加設定が必要です。

 また、医療機関等のユーザーレベルでこのDTDによって構成されるSGMLデータベースを直接そのまま利用することは可能であっても使用するための機器構成が大規模であり、それほどの自由度が要求されることはないと思われるので得策とは考えられません。

 医療機関がこのデータベースを利用するに際しては、通信系を介して直接JAPICのデータベースを利用して必要な検索編集をした後に、自院のコンピュータ系に適合する形で編集しダウンロード(注:下)して利用することになると思われます。


<用語辞典>

プロペト

 プロペトは日本薬局方の白色ワセリンに該当し、薬価も白色ワセリンと同じです。

プロペトは元来、眼科用基剤として適切な物性を有するように調整された白色ワセリンで、その特徴として
 1.稠度・粘度ともに眼科用基剤として適切な物性をもつ。
 2.夾雑有機酸類(ナフテン酸、高級固形脂肪酸、フェノール類など)が少なく、そのほかの刺激性要素を  ほとんど含有しない。
 3.加熱滅菌に耐え、ほとんど変色しない。
    などがあげられます。

局方白色ワセリン→稠度(25℃)190・粘度(Cst,60℃)42・有機酸(N/10酸)0.03
プロペト →粡度(25℃)225・粘度29・有機酸0

 従来「プロペト」は軟膏基剤であり、単独で処方することは保険上できませんでしたが、平成14年2月より皮膚保護剤の保険適応が追加され、単独でも処方可能になりました。

 
 出典:プロペト添付文書、社内資料 薬局11.2002.vol.53


フェンフルラミン

中国ダイエット食品による健康被害

 本剤は、米国等では向精神薬として規制されている医薬品で、中枢性セロトニン作動性食欲抑制剤として使用されています。日本では未承認で、副作用として心臓疾患等も報告されています。

 平成8年に中国製ダイエット食品;中国産のやせ薬(健康茶)「寧紅減肥茶」から検出され、行政処分の対象となりました。

 そのニトロソ化合物であるニトロソフェンフルラミンの毒性や薬理活性は現在のところほとんど研究情報がありません。

 最近、ニトロソフェンフルラミンが含有された御芝堂減肥こう嚢など中国産の健康食品を引用し、肝臓障害、甲状腺機能亢進など、796人、死者4人が出たことから大きな問題となりました。

  出典ファルマシア 2002.11


過敏症症候群

 過敏症症候群、伝染性単核球症様症状:初期症状として発疹、発熱、感冒様症状がみられ、さらにリンパ節腫脹、肝機能障害、肝腫、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う重篤な過敏症状が遅発性にあらわれることがある。
なお、これらの症状は、薬剤を中止しても再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。


サラゾピリン錠,ビラミューン錠200(抗ウイルス剤)の副作用

 

 

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