 |
ここでは専用容器での造りかたを紹介します。
モルト缶を使って簡単に、押さえるところは押さえ、いかにうまいマイビアを造るか。
さあチャレンジしてみましょう!
|

ビール造りの工程は大きく2つに分かれます。
仕込み時(1次発酵)と、発酵終了後の瓶詰め時(2次発酵)です。
材料と器具を準備しましょう
(材料と器具の説明はこちら)
下線のものは当店で扱っています
|
必要なもの
|
あると便利なもの
|
仕込み時
(1次発酵)
|
モルト缶(イースト付)
発酵容器(容量目盛・シール温度計付)20または25リットル
水
煮沸用の鍋(5リットル程度)
除菌用アルコールスプレー
砂糖もしくはスプレーモルト
計量はかり・お玉
|
温度計(室温用)
比重計
ホップ
|
瓶詰め時
(2次発酵)
|
ビール瓶・ペットボトル
王冠・ペットボトルキャップ
打栓器
除菌用アルコールスプレー グラニュー糖(もしくはスプレーモルト)
計量スプーン・じょうご
|
温度計
比重計
|
使用する器具は事前によく洗って乾燥させておきましょう。
(除菌用アルコールスプレーは配送上の問題で扱っておりませんので、お近くの薬局・食品スーパーなどで食品用の消毒液をお買い求めください。)
|
仕込みをしましょう
1.まずセットの中身を確認しましょう。
セットによって含まれているものが違っています。
マニュアル冊子にセット内容の詳細紙がありますので、不足の物がないかチェックしましょう。
2.モルト缶のフタをあけます
準備ができたらモルト缶のフタを開けましょう。
ブラックロックのものはふた上部に三日月形の穴が開いていますのでそれを指で引き上げると簡単に外れます。それ以外のブランドはふた底を下から指で押し上げるようにすると簡単に外れます。
フタの中にはイーストが入っています。
イーストは乾燥剤ではないので、捨てないようにして下さい。
缶きりを使って、缶をあけます。

3.モルトエキス(モルト缶の中身)を溶かします
鍋に水を2リットル入れ沸かします。沸騰したら火を止めます。
火を止めたあと所定の量の砂糖を溶かし、続けてモルト缶もよく溶かします。
水あめ状ですのでお玉を使うと便利です。
缶の中についているモルトは、お湯を入れてるときれいにとれます。
スプレーモルト等の捕糖をする場合は、この段階で一緒に溶かし込んで下さい。
(使用量は17Lで500g程度 23Lで1kg程度が標準です。12Lの場合は必要ないでしょう)
注:現在のモルトは煮こむ必要はありません。

|

●砂糖の量は、缶に貼ってあるラベルのレシピから好みのものを選択します。
造る量が少ないほどホップの効いた味の濃いビールになります。
(スプレーモルトの場合も砂糖と同じ分量を使っていただいて問題ございません。---説明文に一袋500gは砂糖350gと同じとありますが、不足分を特に追加で入れなくても仕上がりはほとんど同じです)
●モルトエキスを入れ終わったら、かき混ぜてしっかりと溶かして下さい。
|
溶液を冷ます必要がある場合は、鍋を流水で冷却させます。(とりわけ夏場は重要)
冬場のように、混ぜ合わせる水の温度が低い場合は2.の発酵容器に直接入れてもOKです。
急冷させる理由は、乳酸菌や酢酸菌・バクテリアの好む温度帯(35−46度をできるだけ短時間で移行させるためです。
|
4.発酵容器を用意します
発酵容器は水洗いし、水をよく切ってから、除菌用アルコールをスプレーします。
アルコールが容器に多少残っていても問題ありません。
発酵容器に水を入れます。(総作成量から3リットルを引いた量)
仮に17リットルの総量を造りたい場合は、1.での溶液がおよそ3リットルですので、専用発酵容器にはMAX14リットル入れておく計算になります。
(ホップ溶液を追加する場合は、1リットル少なくしておきましょう。)
3.の鍋の中身を移します。
温度計で、液温が18〜26℃の範囲内かチェックします。

|
●発酵容器に黒ゴムパッキンを外側にしてタップを取り付けて、内側のナットをパッキンがはみ出ない程度に強く締めてください。(締めすぎには注意)
●発酵容器に入れる水は、前日に煮沸して冷ましたお湯か、シャワーなどをつかって60度以上で2時間置いたお湯を入れておくと殺菌されますのででき上がりの味がよりクリアになります。
|
比重計を使う場合は、この段階で初期比重を計測して記録しておいてください。
お玉で容器の中ほどの溶液を取って、シリンダーに入れ、比重計を浮かべて計測します。
|
5.ビール酵母(イースト)の添加
添付のイーストを液面に振りかけ、容器に蓋をして発酵させます。
|
●くれぐれもふりかけるのを忘れないように。
忘れると発酵しません。
●ホップを追加する場合は、別途ホップ溶液を作成しておき、この段階で加えます。
●添付のイーストは上面発酵用です。よりクリアな上面発酵用イースト並びに下面発酵用ラーガーイーストが別途あります。下面発酵用ラーガーイーストを使う場合は、付属のイーストは使用しないで下さい。
|
発酵容器の下にキャスター台を置きますと、横移動が楽になります。
|
6.1次発酵開始
液温を18〜26℃に保ちます。(21−22℃がベスト)
18℃以下では発酵速度が極端に低下します。
一週間から10日間であわ立ちがおさまり、発酵が終わります。(上面発酵時)
発酵期間は、添加した砂糖の量に比例して長くなります。
またエンザイムを添加しますと若干長くなります。
|
●発酵時に発生する炭酸ガスは蓋のヘリから出ていきます。
炭酸ガスで容器の蓋が持ち上がった場合は、押さえて閉じてください。
●気温が30度を超すような場合は冷やすなりして対策します。(
夏季のビール醸造についてを参照)
温度が高いほど発酵時間は短くなります。
逆に低い場合は、下面発酵イーストを使うとか、当店のホットクッションの記事を参照にしてください。
|
7.1次発酵終了
発酵期間途中は、特になにもする必要がありません。
ものの本には、毎日1回かき混ぜる等の説明があるものもありますが、その場合は
下部にたまっているおりが舞い上がって白濁しますので、注意してください。
よりクリアな仕上がりには、主発酵が終わった4−5日目におり引きされるとよりクリアな
仕上がりになります。(マイビア○秘テクニックを参照下さい)
下記の画像は、発酵後3日目 5日目 11日目 での発酵状態です。
盛んな主発酵を経て次第に発酵が緩やかになり、泡がおさまってきます。
|
●発酵温度やその他の環境、また銘柄によっても発酵状態は違ってきます。
左の画像は発酵6日目のレイトホップラガーですが、泡はほぼ消えていますが、溶液は濁っています。
●一次発酵の終了が判断つきにくい場合は、細長い容器に溶液を採って、スプーン1杯の砂糖を入れてみて下さい。すぐに噴いてくるようであれば、発酵はまだです。1分経っても大きく噴いてくる様でなければ発酵終了と判断してもいいでしょう。
|
終了したと思われる時点で、比重計を使って確認されるとわかりやすいですね。
いったん容器の底近くにお玉を沈め、静かに引き上げて溶液を採取しましょう。
|
瓶詰めをしましょう
8.瓶を消毒します
ビール瓶もしくは炭酸用ペットボトル・キャップビン等を用意します。
容器は温水でよく洗って乾かしておき、容器詰めの直前にアルコールスプレーで消毒します。
瓶内部によく行き渡るよう1〜2回内部に向けて口からスプレーします。
|
●瓶またはペットボトルは、必ず耐圧の物をご使用下さい。瓶の底にカビが増殖しているケースが多々見受けられますので、明るい方向に底を向けて、汚れが完全に落ちていることを確認して下さい。
|
9.溶液を瓶に流します
コックを開けて、溶液を瓶につめます。瓶の場合だと口から5cm程下まで入れていきます。
(ビンの口いっぱいまでは入れないで下さい。中で炭酸ができて内圧が上がった時に破瓶する恐れがあります。)
順次つめていきます。
|
●瓶に入れる際にはできるだけ空気を巻き込まないよう、瓶の縁に流すように入れます。酸素の混入を少なくするためです。
●容器のタップは底から若干上部についてます。
容器を水平にしたままですと1−2リットルの溶液が残りますので、残り少なくなってきましたら、コックの反対側の底に数cmの板を敷くか、傾けて瓶詰めするとよろしいですね。
●容器の底に白から茶褐色のどろっとしたものが500ccから1L程度溜まっています。
これはおりといい、内容物は、主に活動を終えた酵母やホップかすなどです。使う場合はボトルなどに取り置き冷蔵庫で保存下さい。(1−2ヶ月を目安にお使いください)
|
10.プライミングシュガー(砂糖)を入れます
ビールの泡の元である炭酸ガスを発生させ溶解させるため砂糖を入れます。
スティックシュガーもしくは計量スプーンとじょうごを使って入れていきます。
(スプレーモルトを使ってもかまいません)
容量100ccあたり0.6グラムの砂糖を容器に入れます。(500ccだと3g)
王冠の裏をアルコールスプレーで消毒し、打栓器でとめます。
(ハの字型になったら引っかかりがありますのでそこで打栓は完了です。)
(現在の打栓器は黒い柄のものになっていますが、同じ方法です。
打栓の詳細は打栓器のマニュアルに説明がございます。)
ペットボトルやキャップビンの時は、キャップを締めましょう。
(あまり強く締めるとはずしにくくなりますよ)
砂糖が全体に行き渡るように2−3回瓶を上下に振ります。
|
●瓶内部から泡が多量に噴出してきた場合は、1次発酵が完全に終了していません。瓶詰めは中止し、2−3日1次発酵を続けてください。
この状態で瓶詰めしますと注いだときに泡だらけのビールになります。また破瓶する可能性もあります。
この現象は冬場で発酵温度が低かった場合にも起こります。
|
11.二次発酵
二次発酵のために、上面発酵の場合は2−3日は20℃を超える環境に置きます。
下面発酵の場合は1週間は14℃を超える環境に置きます。
(添加した砂糖により容器内に炭酸ガスが発生します。)
これを行わないと泡の少ないビールができる恐れがあります。
その後は冷暗所で熟成させます。(室内でOKです)
●ペットボトル使用の場合は布等を被せて紫外線を避けてください
|
12.熟成
二次発酵終了後、上面発酵の場合で2〜3週間、下面発酵の場合で6週間熟成させてください。マイビアが完成です。
●造った状態や温度などの関係で、それより熟成時間をとったほうがよりおいしくなる場合もあります。また銘柄や個人の好みで美味しい時期は違ってきます。
|
13.備考
●冬期に造ってビールの泡が少ないときは、二次発酵の温度が低かったことが考えられます。
●栓を開けて泡が吹き出る場合は、一次発酵の完了前に瓶詰めしたことが考えられます。発酵温度の管理および比重計を使っての確認をしましょう。
●味が濃すぎると感じる場合は総量を増やしてください。。逆に味の濃いビールがお好みの場合は量を減らしてください。
●度数の低いビールをお好みの場合は、砂糖を少なくし、逆に高いビールがお好みの場合は、砂糖の量を多くして下さい。
『戻る』
|